日光、特に奥日光は古くからの猟場であったと思われ、男体山の中腹からは石のヤジリが発見されています。また、日光市内には16カ所の縄文・弥生遺跡があり集落跡や土器も発見されていますが、古墳は発見されておらず、「歴史」以前の日光は狩猟民族マタギが先住民であったようです。日光山の開山は勝道上人とされていますが、男体山山頂からはさらに古い時代の遺物も発見されており勝道上人以前から日光は信仰の山であったと考えられます。しかし、日光が「歴史」に登場するにはやはり勝道上人を待たなければならないのです。 |
735年 |
天平7年 |
勝道上人下野国芳賀郡に生まれる |
766年 |
天平神護2年 |
勝道上人、日光に四本龍寺を創建 |
782年 |
天応2年 |
勝道上人男体山に登頂 |
784年 |
延暦3年 |
勝道上人中禅寺を創建 |
810年 |
弘仁元年 |
「満願寺」号を賜る |
817年 |
弘仁8年 |
勝道上人入寂 |
848年 |
嘉祥元年 |
慈覚大師円仁来山、三仏堂などを創建したと言われる、また、この頃空海も来山したと伝えらている |
1177年 |
治承元年 |
座主職争いで5年の間山内争乱、四本龍寺など焼ける |
1192年 |
建久2年 |
源頼朝鎌倉幕府を開く、以後日光山は幕府の関東の護りとしての地位を築く |
1210年 |
承元年 |
弁覚日光三座主となり熊野修験を伝える、座主争いで荒れた日光山を復興、この頃日光山縁起できる |
1292年 |
正応5年 |
源恵天台座主となる |
1308年 |
延慶元年 |
仁澄座主となり皇族座主始まる、この頃日光山修験盛ん |
1476年 |
文明8年 |
昌源座主となり杉、松数万本を植樹 |
1590年 |
天正18年 |
豊臣秀吉は小田原北条氏への加担を理由に日光山衆徒の所領を没収 |
1603年 |
慶長8年 |
徳川家康征夷大将軍となる |
1613年 |
慶長18年 |
天海日光山貫主となる |
1616年 |
元和2年 |
家康逝去 |
1617年 |
元和3年 |
東照大権現号勅賜、家康の遺骸、駿河久能山より日光山に移る |
1625年 |
寛永2年 |
松平正綱杉並木植樹を始める |
1636年 |
寛永13年 |
徳川家光により東照廟大造替成る |
1643年 |
寛永20年 |
天海入寂 |
1645年 |
正保2年 |
東照宮宮号勅賜 |
1651年 |
慶安4年 |
家光逝去、日光山大黒山に葬る |
1653年 |
承応2年 |
大猷院廟落成 |
1655年 |
明暦元年 |
輪王寺号勅賜、守澄法親王輪王寺宮となる |
1689年 |
元禄2年 |
松尾芭蕉、日光来山 |
1869年 |
明治2年 |
日光県設置、輪王寺号廃止 |
1870年 |
明治3年 |
イギリス公使ハリ-・パ-クス日光を訪問 |
1871年 |
明治4年 |
日光県廃止し栃木県に変更、神仏分離により日光山は満願寺、二荒山神社、 東照宮に分かれる |
1872年 |
明治5年 |
男体山の女人禁制解除、ア-ネスト・サトウ氏日光を訪問し横浜の英字新聞に日光を紹介 |
1873年 |
明治6年 |
金谷善一朗氏、ヘボン博士の勧めにより「金谷カッテ-ジ・イン」オ-プン、 星野定五郎氏イワナを中禅寺湖に放流 |
1879年 |
明治12年 |
日光山の保存のため保晃会設立 |
1883年 |
明治16年 |
輪王寺号復活 |
1886年 |
明治19年 |
大島籐三郎氏中宮祠幸湖(中禅寺湖)漁業組合創立 |
1889年 |
明治22年 |
日光町制施行 |
1890年 |
明治23年 |
日本鉄道日光線開通 |
1902年 |
明治35年 |
ト-マス・グラバ-氏(長崎グラバ-邸で有名)、ハロルド・パ-レット氏と供にブルック・トラウト(パ-レット鱒)を中禅寺湖に放流、大水害発生、死者46名、家屋の被害160余戸、神橋流失 |
1903年 |
明治36年 |
藤村操、華厳滝で投身自殺 |
1906年 |
明治39年 |
古河電気精銅所創設 |
1926年 |
大正5年 |
保晃会解散 |
1925年 |
大正14年 |
中禅寺湖への自動車道開通(第一いろは坂)、ハンス・ハンタ-氏(神戸ハンタ-財閥オ-ナ-、ラトビア名誉領事)、「東京アングリング・アンド・カンツリ-クラブ」を設立 |
1929年 |
昭和4年 |
東武日光線開通 |
1931年 |
昭和7年 |
日光登山鉄道開通(ケ-ブルカ-) |
1934年 |
昭和9年 |
日光国立公園指定 |
1944年 |
昭和19年 |
東京アングリング・アンド・カンツリ-クラブ閉鎖 |
1954年 |
昭和29年 |
日光市制施行 |
1965年 |
昭和40年 |
第二いろは坂開通 |
1976年 |
昭和51年 |
日光宇都宮自動車道開通 |
参考文献
「日光避暑地物語」・福田和美・平凡社
「知られざる日光」・読売新聞社宇都宮支局編・随想舎
「絵葉書に見る郷愁の日光」・中川光喜解説、随想舎編・随想舎
「日光東照宮の謎」・高藤晴俊・講談社現代新書、講談社
「栃木県の歴史散歩」・栃木県の歴史散歩編集委員会・新全国歴史散歩シリ-ズ9・山川出版社