【一杯のスプーン・報告】政変後のアフガニスタンの病院から
※安全への配慮のため、病院名・個人名は伏せ、写真は加工処理しています。
日本ユネスコ協会連盟がアフガニスタン、ネパールで実施している医療・栄養補助支援活動「一杯のスプーン」。アフガニスタンでは8月の政変から多くの混乱が報じられていますが、現地の病院では10月現在も活動が続いています。
政変以前から、貧困層を対象に各種診療、理学療法・リハビリテーション、小児外来、栄養食品の配布を、無償ないし一般的な医療費の15~20%相当に当たる安価で行ってきました。
担当医師によると、コロナ禍やタリバンのカブール入りで多くの人々が職を失って困窮し、外出の安全も脅かされる中、患者数は減るどころか、これまで以上に多くの人たちがこの病院を頼って連日列をなしています。
医療分野の多かった外国NGOも撤退してしまい、また、辛うじて稼働する公的な医療施設でも、医療従事者の国外退避による人手不足や深刻な資金不足に直面しています。
一杯のスプーンの支援のもとで活動するこの病院も、銀行の稼働停止の影響を受け、当面はローンで必要物資をやりくりせざるを得ない状況にあります。
WHOによると、アフガニスタンでは半数以上の5歳未満の子どもたちが何らかの栄養失調の状態にあります。
この病院では4~9月の半年間に1832人の子どもを診療し、急性又は慢性の下痢、赤痢、呼吸器感染症、肺炎、腸チフス、鉄欠乏性貧血、膿皮症などの皮膚病等と診断・治療しました。また、インゲン豆・ダール豆・砂糖・米・ビスケットの栄養補助食品セットの配布対象となった低体重の子どもたちは、のべ1062人に上りました。
半年間に行ったその他の診療実績は、下記のとおりです。
●臨床検査(成人)1441人
●レントゲン撮影(成人)1961人
●薬の処方(成人・子ども)3160人
●理学療法 男性16199人、女性20835人
一杯のスプーンは40年以上にわたり、多くの方がたのご寄付と、対象国の関係者の奮闘に支えられています。引き続き、皆さまの温かいご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
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