被災地調査隊レポート②「避難所」
日本ユネスコ協会連盟では、「東日本大震災 子ども支援」の調査隊を気仙沼市(宮城県)に派遣しました。皆さまからいただいた募金を効率的に活用するため、被災状況の把握・調査を行い、学校支援について教育委員会と話し合いました。
避難所の格差が生じている現状
概況調査を行いながら、避難所の視察と物資の提供も同時に実施。ほとんどの避難所は公的施設(学校・公民館等)である。報道では体育館での映像がほとんどであるが、学校内の教室のすべてで被災者の方々が避難生活を行っている。
なお、体育館には大型の暖房器具が複数あるが、肌寒く感じた。また教室のタイプ(板張りや、音楽室などでカーペットが敷いてあるところなど)が違うことにより、既に格差が生じている。また校庭は炊き出しスペース、自衛隊の災害救援車、住宅が一部被災した方が食事や物資の提供を受けるために来た自家用車などで、7割が埋まっている状況。
複数の施設を回ったが、被害が大きかった沿岸地域では未だ、ライフラインが回復していないところもあり、避難生活を送る人々には、ストレスと疲労が蓄積していると共に、避難生活に格差が生じている。
支援物資を届ける
訪れた避難所では、下着をはじめ、洋服などが支給される日で、避難されている人が長蛇の列を作っていた。この時間に間に合うよう、当連盟も皆さんからお預かりした募金を使用し避難所の要請で持参した、「靴下」をまずは配布した。特に「下着や靴下などは、お風呂に入ることもままならいため、とてもありがたい」とのことであった。
またその後、避難所の運営をしている気仙沼市の職員と相談し、持参した「本」を子どもたちに贈呈した。子どもたちは新しい本を手に取り、直ぐに読み始めていた。
避難所の運営をしている気仙沼市の職員にも話を聞いたが、現在は下着などと共に、外履き(靴)が不足しているという。ありがたいことではあるが、この避難所は比較的物資が届きやすいため、一度呼びかけると、必要以上に物資が集まることがある。すると今度は保管ができないことや、道路や輸送車の問題で他の避難所にも届けることができない状況がおこる。
子どもも、一生懸命
災害などにおいて、一番弱い立場なのが子どもたちである。避難所では子どもたちにも話を聞くことができた。小学校5年生の男の子は、とても明るかったが、震災があった日から、学校の避難所のコンピューター室で、他の4家族と生活をおくっている。親御さんにも承諾をとり、避難所のことを聞いてみた。
「ぼくの家は津波で流されて、今、ここ(避難所)で生活している。大事にしていた宝物も全部、無くなっちゃたんだ。でも、大丈夫だよ。お父さんとお母さんともここに住んでいる他の家族の人とも、全員で話して、これから、一所懸命がんばって、地震の前みたいにしていこうって決めたから。」(この言葉で涙がこぼれそうになった)
また、”学校がはじまったら、何をしたい”と質問したところ、「友達はみんなバラバラだから、早く友達に会いたい」と答えてくれた。
(被災地調査隊レポート③に続く)
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「東日本大震災 子ども支援募金」にご協力お願いいたします。