アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラムunesco-axa

第8回「アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラム」活動報告会・減災教育フォーラムを開催しました

2022.04.08

◆アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラムとは

「アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラム」は、防災教育・減災教育に取り組む小・中・高校などへの助成活動・研修事業です。東日本大震災や全国各地のさまざまな災害経験からの学びを地域社会で生かし、今後起こり得る災害に備えるために、地域の防災・減災拠点として重要な役割を果たす「学校」の防災・減災教育を支援しています。

◆2/25(金)活動報告会・2/26(土)減災教育フォーラム(両日オンライン開催)

活動報告会は、本プログラム助成校27校の先生が参加。減災教育フォーラムは一般へも公開し、今年度助成校の他、全国各地の先生や教育関係者、NPO/NGOや市民の方々140名が参加。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、両日ともにオンライン(zoom)で開催しました。


①活動報告会

◆地域と協働し、主体的・探求的な学び、当事者意識を育む多彩な実践

助成校による1年間の活動成果が発表されました。コロナ禍において学校活動に多くの制約がなる中で、各学校がICTの活用など工夫しながら減災教育に取り組みました。
実践発表では、子どもたちが主体的・探求的に学び、当事者意識を育むことを目指すと同時に、地域と協働しながら減災について発信する学校も多くみられました。昨年9月の教員研修会以降、助成校同士が連携して活動する例も見られました。
例えば、東京の私立高校では、近隣の公立中学校(両校ともに今年度助成校)が連携し、両校生徒が一緒に減災教育に取り組みました。この高校は自治体、地域ボランティアセンターとも連携し、区の防災啓発イベントにおいて生徒の学習成果を地域に発信しました。

講師の及川幸彦先生(日ユ協連理事/東京大学)からは、子どもたちが当事者意識を持って行動していくには主体的・探求的な学びが重要である。減災教育を考える際には、個人の探求的な学びと、地域との協働的な学びのバランスを考慮してほしいと総括がありました。

自治体・地域ボランティアセンターと連携し、啓発イベントにて市民に向けて研究成果を発表する高校生(今年度助成校の実践発表より)

②減災教育フォーラム

◆災害に負けない人づくり・まちづくりーアジアと日本の現場からー

大津山光子氏(認定特定非営利活動法人SEEDS Asia 事務局長)の講義では、特に災害復興期における町の課題(孤立問題、生活改善など)に、学校と地域が連携して取り組むための調整役としてNPOの役割が大切であるという話が印象に残りました。

◆減災教育を地域に広げ、未来へつなげるために(パネルディスカッション)

及川幸彦先生の進行により、中学生時に釜石市で東日本大震災を経験し、現在は防災教育を推進する企業で活躍する菊池のどか氏、中学校でESDに取り組む柴崎裕子先生、先述の大津山氏をパネリストに、上田和孝先生(新潟大学)をコメンテーターに迎えてパネルディスカッションを行いました。
菊池氏の東日本大震災時に経験した話は、当時の切迫した状況、思いや、その後の彼女の生きることに対する葛藤の話は参加者の心に響く内容でした。

パネルディスカッションの様子(左上より時計回りに、及川先生、大津山氏、菊池氏、柴崎先生、上田先生)

◆全国の減災の学びを自分たちの学校や地域に生かす(テーマ別事例発表・ディスカッション)

参加者が4つのテーマに分かれ、今年度と過去の助成校による事例発表とグループディスカッションを行いました。セッションの最後には全体発表を行い、各グループの意見が共有され参加者の学びが深められました。

【事例発表校】
テーマ①:東京都板橋区立板橋第三中学校(首都直下型地震や河川氾濫による水害想定
                    地域の都市部の学校)
テーマ②:宮城県気仙沼市立鹿折中学校(東日本大震災被災地域の学校)
テーマ③:兵庫県神戸大学附属中等教育学校(阪神・淡路大震災被災地域の学校)
テーマ④:福岡県大牟田市立みなと小学校(令和2年7月豪雨災害被災地域の学校)

みなと小学校の事例では、発災の原因や地域の課題を教訓として、児童が主体的に減災に取り組んでいると発表がありました。

2日間を通して、「災害を自分事としてとらえる」という言葉が参加者の多くから聞かれました。本プログラムでは、災害を自分事としてとらえる子どもたちの視点を育て、学校と地域協働による減災教育の発展を支援していきます。

こちらからもご覧いただけます

【主 催】公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
【協 力】アクサ生命保険株式会社
【後 援】文部科学省
【プログラムコーディネーター・講師】及川幸彦先生(当協会連盟理事/東京大学)

活動を支える・参加するParticipation to support

私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。

mail magazine