「プロジェクト未来遺産2018」4プロジェクト決定!
日本ユネスコ協会連盟は、地域の豊かな自然や文化を100年後の子どもたちに残すために、毎年、地域の市民団体が取り組む活動を『プロジェクト未来遺産』として登録しています。10周年を迎えたプロジェクト未来遺産。2018年12月14日(金)に開催された未来遺産委員会にて、4つのプロジェクトが2018年度の「プロジェクト未来遺産」に決定しました。
1.昭和新山ジオツアー減災文化継承プログラム
団体名:NPO法人 有珠山周辺地域ジオパーク友の会
所在地:北海道有珠郡壮瞥町
活火山である昭和新山は、昭和18年から20年にかけての噴火活動で誕生。団体の代表個人が所有する昭和新山を地域住民の学びの場として提供している。後の火山学に大きな影響を与えた「ミマツダイヤグラム」と呼ばれる新山生成記録の説明や、地熱を体感するジオツアーを実施し、科学者や行政、企業とも協力しながら防災・減災意識の向上に取り組み、火山との共生文化を次の世代につなぐことを目的としている。
2.気仙沼港と風待ちの風景~歴史的建造物の復興プロジェクト~
団体名:一般社団法人 気仙沼風待ち復興検討会
所在地:宮城県気仙沼市
「風待ち地区」は、船出に向いた風を待ったことに由来し、多彩な歴史的建造物が残されていたが、東日本大震災でそのほとんどが被災。震災以前から歴史的建造物の保存に向けた活動が行われていたことを背景に、被災した6棟の店舗・住居(国登録有形文化財)を再生させ、地域一帯をミュージアムに見立て、「まちなか美術館」の実施や、所有者等が案内を行う「ヘリテージウォーク」等、再生された文化財群を活用した復興まちづくりが進められている。
3.古町花街における伝統文化と歴史的景観の保全・継承活動
団体名:古町花街の会
所在地:新潟県新潟市
花街(かがい)は、芸妓を呼ぶことができる料亭等が集積している都市の一画のことで、日本のおもてなしの伝統文化(舞踊、三味線、和食等)を継承する場所。全国的に花街の歴史的景観やその文化が失われつつある中で、古町花街は有数の花街の一つである。料亭や置屋等の近代和風建築の残る建造物群の保全とそれらの活用、さらに芸妓育成等の伝統文化の継承といった二つの側面をあわせて活動が進められている。
4.「くも合戦」保存プロジェクト
団体名:姶良市加治木町くも合戦保存会
所在地:鹿児島県姶良市
全国的にも珍しい習俗となっている「クモ合戦」(国選択無形民俗文化財)は、メスのコガネグモを棒上で戦わせる伝統的な大会である。地元の教育機関と連携し、子供たちと行うクモ採集や「出前くも合戦大会」等を通じて次世代への継承に努めている。大会後はクモを元の生息場所へ戻す等、クモの生態・生息地に配慮しながら、伝統文化の保全・継承と関連させた環境保全活動が同時に進められている。