アフガニスタンでのNGO女性スタッフ勤務禁止令に対する共同声明に賛同しました
NPO法人国際協力NGOセンター(JANIC)によるアフガニスタン支援に関わる日本のNGOネットワーク「アフガニスタンワーキング・グループ」の取りまとめで、1月24日、標記の共同声明が出されました。
当連盟も参加団体の一つとして、声明に賛同しています。
アフガニスタンにおける人道危機への懸念は深まるばかりです。寺子屋プロジェクト、一杯のスプーンによる支援活動に携わる私たちにとっても、これからの活動現場において女性たちの協力は不可欠です。現地のNGO団体の女性スタッフが、一日も早く勤務に戻れることを切に願っています。
<以下、共同声明文>
2023年1月24日
【日本のNGO共同声明】
アフガニスタンでのNGO女性スタッフ就労禁止令について
早急な撤回と日本政府および国際社会の継続的な関与を求めます
私たち下記署名団体は、アフガニスタンの支援に関わる日本のNGOとして、アフガニスタンでのNGO女性スタッフ就労禁止令について早急な撤回と日本政府および国際社会の継続的な関与を求めます。
アフガニスタンでは、2022年12月24日にタリバン暫定政権(以下タリバン)が、すべての女性がNGOで働くことを禁止すると発表しました。これを受け、アフガニスタンで活動するNGOの大部分は女性スタッフなしでは必要な支援活動が継続できなくなるとし、複数の国際NGOがアフガニスタンでの活動を一時的に原則停止しています。
タリバンの命令に対し、国連や日米英仏など14カ国と欧州連合の外相も、人道的原則に反するという理由から、命令の撤回を求めています。また、アフガニスタンで国内・国際NGOとの幅広いネットワークを運営するACBARも2022年12月26日に声明を発表し、その中で人道支援の活動を行うNGOには女性スタッフが不可欠である点を強調、タリバンに対して直ちに本命令を撤回し対話に応じるよう求めており、私たちもそれに協調します。
アフガニスタンは依然として世界最悪の人道危機下にあります。飢餓は前例のない規模に達し、人口の約半数が緊急レベルの食料不足に陥り、子どもの栄養不良は50%近くまで増加しています。また、女子の中等教育・高等教育の再開が禁止されているほか、女性の識字率は3割未満と非常に低く危機的な状況です。
アフガニスタンの人道危機が加速するなか、私たちはこれからも人道支援の原則に立って人々の命を守る活動を行っていくために、タリバンに対し、全ての女性スタッフの就労を直ちに許可するよう求めます。ジェンダーや文化に配慮した支援は、男性スタッフだけでは遂行できません。今回のタリバンの命令は、女性や子どもが適切な支援を受けられず、更なる困窮や死を招くことにつながります。
国連や日本政府を含むドナーには引き続き、タリバンの禁止令によるNGOの活動および脆弱な状態に置かれた女性や子どもへの影響を注視するとともに、タリバンに対し、命令が撤回されるまであらゆる機会を捉えて働きかけを継続することを求めます。
また、アフガニスタンで拡大する人道危機への対応には、十分かつ柔軟で持続的な資金提供が不可欠です。引き続き、日本政府を含むドナーによる継続的な資金協力を私たちは強く希望します。
アフガニスタン国内の状況は日々変化しており、極めて複雑な状況を乗り越えていくために、支援に関わる全ての関係者は、タリバンに慎重かつ忍耐強く働きかけることが必要です。私たちは人道支援の原則に妥協することなく、アフガニスタンでの支援活動の継続を希望します。
以上
署名団体(2023年1月24日時点、五十音順)
公益財団法人ケア・インターナショナルジャパン
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
公益財団法人ジョイセフ
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター
特定非営利活動法人ジェン
特定非営利活動法人難民を助ける会
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
特定非営利活動法人Reach Alternatives
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン