“カントク”復活!!
星埜です。
さて、今日は前回紹介してできあがったお面をお持ちしたときの様子をご紹介します。
10月5日(水)12時。雄勝町(宮城県石巻市)。大きな荷物を背負った男性ふたり。
財団法人美術院国宝修理所の技師おふたりが再び雄勝の地に足を運んでくださいました。その日の気温は18度くらい。前回夏服でいらしたお二人の衣装も秋冬使用に変わりました。
それはともかく、待ちに待ったお面が1つ出来たのです。見えるでしょうか。写真中央奥、段ボール箱の中に入っています。
伝わるでしょうか?この保存会の方たちの満足した表情が。
皆さん、戻ってきたお面への思いが口をついて出てきます。
「お~ぜんぜん違和感ねえな・・」
「いやーかなりすごいね、これ」
「前にあったのもいいけんど、120点以上の点数だよ。みんな満足いくよ。すごい。これは本当にご苦労さまでした。」
「半分だけでも残ってれば作れる人もいるんだけど。無いものから作るのは大変、ふつうは無理だ。こうやって本当に復活するなんて本当にすごい。写真一枚からだもんなあ。」
「見た瞬間、ゾクってきた。カントク* 帰ってきたな、て感じ。身の引き締まる思いだよ。意識が変わる。」
「新しくつくった感じじゃなくて、おれたちの倉庫にずっとあったみたいな感じ。本当にすごい。」
「正直、ここまでとは思わなかった。」
美術院の片山さんたちもうれしそうです。普段、こんなに、生の声の反応を聞きながらお仕事をすることも滅多にないそうで。こんなに喜んでもらえて、とても新鮮で本当に嬉しかったとおっしゃってました。
完成したお面”カントク”はこちら。何ともいえない迫力と存在感があります。
次回は、国の選定保存技術に指定されている財団法人美術院国宝修理所での作業工程についてもリポートします。お楽しみに。