【U-Smile活動報告】 夏休みの子どもたちに福岡体験旅行を提供
U-Smileプログラムでは、さまざまな理由で困難な状況に置かれた子どもたちに、体験支援を行っています。その一環として、8月の夏休み期間中に、日本ユネスコ協会連盟が助成している地域の子どもたちと山口県宇部市の子どもたちを対象に、福岡体験旅行を実施しました。
学校が休みとなる夏休み期間は、家庭によって体験格差が開きやすい時期です。夏休みの予定が何もない子どもたちもいることから、夏休みの思い出を作ってもらおうという思でで、この旅行を計画しました。
概要
実施日:2024年7月29日~8月9日の期間で、3回にわけて1泊2日または2泊3日のツアーを実施。
対象者:日本ユネスコ協会連盟が助成している群馬県前橋市・高知県高知市・大阪府箕面市の子どもたちと山口県宇部市の子どもたち。
筑紫女学園大学
日本ユネスコ協会連盟のU-Smile事業アドバイザー、大西良教授のご協力のもと、筑紫女学園大学を訪問しました。
大西先生と学生さんたちから大学の学びや、日常生活についての話を聞き、博多弁クイズや、大学生との自由な会話も楽しむことができました。
身近に大学生がいない子どもたちにとっては、実際に大学生と触れ合う貴重な経験となり、「勉強やバイトを両立している大学生の話を聞けて参考になった」「自分も大学に進学したい」という声が多く聞かれました。子どもたちは、大学生活をより身近に感じることができ、進学への興味を深める体験となったようです。
太宰府天満宮
菅原道真ゆかりの太宰府天満宮を訪れました。頭をなでると知恵を授かるといわれる御神牛像は子どもたちに大人気。みんなで知恵を授かりました。
九州国立博物館
古墳時代の埴輪や銅鏡、江戸時代の南蛮屏風などを見て、子どもたちからは「これ、学校で習った!」「教科書に出てた!」と喜ぶ声が上がりました。
これまでの学習と結びついた体験になったようです。また、触って楽しめる展示や、生物の模型、古墳時代のコスプレなど、多様な視点で楽しめたようでした。
大刀洗平和記念館
かつてこの地には、旧陸軍の大刀洗飛行場を中心に一大軍都があり、1945年の米軍による大空襲で壊滅的な被害を受けました。また、太刀洗は特攻隊の中継基地でもあったため、記念館ではその歴史を伝える映像を見た後、零戦などの戦闘機や特攻隊員の写真と手紙などの展示物を見学しました。
子どもたちは、戦争の恐ろしさと平和の大切さを実感したようで、1時間の滞在では足りないほどじっくりと展示に見入っていました。事後アンケートでは次のようなコメントが寄せられました。
• 「戦争があったことを忘れないようにしたい」
• 「今も世界で戦争が続いていることが悲しい」
• 「自分に何ができるか考えたい」
ビーチクリーン
海の中道海浜公園内の海岸でゴミ拾いを行いました。猛暑の中だったため、時間は10~15分ほどでしたが、3ツアーともゴミ袋がいっぱいになるほどのゴミを拾うことができました。
拾われたゴミの多くは遠くから流れ着いたペットボトルやプラスチック、空き缶で、中国語や韓国語の表記も見られました。
子どもたちからは、「ゴミ拾いで役に立ててよかった」「海に捨てられたゴミがその後どうなるかを知って、ポイ捨てはいけないと感じた」との声が上がりました。
マリンワールド海の中道
みんなでイルカショーを観賞し、水しぶきを浴びるたびに子どもたちは大はしゃぎしていました。館内では、かわいいラッコに癒されたり、普段なかなか見ることのできない生き物を観察したりと、子どもたちは楽しい時間を過ごしました。
こうして過ごした2日間または3日間の思い出が、子どもたちにとって、さまざまな困難を乗り越える力となることを願っています。加えて、学校で学んだ内容と結びつく展示や大学での学びを知ったことで、子どもたちの学ぶことに対する意欲がさらに高まっていくことを期待しています。
今後も引き続き、子どもたちの成長を見守っていくとともに、さまざまな理由で困難な状況に置かれた子どもたちに、このような体験の機会を提供してまいります。