第9回 プロジェクト未来遺産【2017年度】
2017年12月、第9回「プロジェクト未来遺産2017」として、下記の4プロジェクトを登録することが決定いたしました。
今回のプロジェクト未来遺産には、21のプロジェクトからの応募がありました。2018年1月から3月にかけて「プロジェクト未来遺産」登録地域において登録証伝達式が行われます。
プロジェクト一覧
①おらほのながめづくり-『遠野物語』の文化的景観を守る-
団体名:遠野市土淵町山口自治会
場所:岩手県遠野市
「遠野物語」の舞台となった山口集落では、日本の原風景ともいわれる農村景観や屋敷構え、物語に登場するデンデラ野やダンノハナ、水車小屋や石碑群、郷土芸能や伝統行事を「おらほのながめ」を構成する文化的資源としてとらえ、「おらほのながめづくりの心得」ガイドラインを策定。住民によって集落全体で保全継承していく仕組みが整えられ、遠野市とも連携をはかりながら、景観に配慮した集落づくりが推進されている。
②福野夜高祭~「災厄からの復興の心」を引き継ぐプロジェクト~
団体名:福野夜高祭連絡協議会
場所:富山県南砺市
福野夜高祭(富山県無形民俗文化財)は、1652年の大火からの「復興」に由来する。行燈は若者によって制作され、子どもたちは太鼓の練習に励み、また小行燈を担ぐ等、祭りに参加する。住民によって設立された福野夜高連絡協議会は、7町内毎の保存会の活動のほか、全体的な運営を担い、伝統行事を継承するための新たな体制が構築されている。また、「災厄からの復興の心」という新しい視点を加え、被災地へ遠征を行う等、新しい意義を伝えている。
③未来へつなぐ子ども達の健康と健やかな成長を~田井の子供神相撲~
団体名:田井子供神相撲保存会
場所:香川県高松市
田井子供神相撲は、六萬寺の境内にある愛宕神社の秋祭りの奉納行事として社殿の前で行われる。約800年前に安徳天皇の行在所となった際に、子どもたちが神相撲をとったことが起源とされている。小結・関脇・大関役の子どもたちが、社殿に向かって、土俵入りを行い、四股を踏み、さまざまな所作を行い、神事としての相撲が継承されている。相撲に親しんでもらうことを目的に「タオル相撲」という新しい取り組みも交えながら、自治会や小学校と連携をはかり、継承に努めている。
④子供と命をつなぐジッキョヌホーのトウギョの里プロジェクト
団体名:NPOファングル塾(名水のむらジッキョ、自立・創造委員会)
場所:鹿児島県大島郡知名町
タイワンキンギョ(島名:トウギョ)は、日本では沖縄本島と沖永良部島のみに分布し、水田などの淡水域に生息する絶滅危惧種IA(環境省)に指定されている魚類。かつては、島の水田やその周辺にごく普通に生息していたが、水田の減少により、野生ではほとんど見られなくなってしまった。本プロジェクトでは、子どもたちとともにトウギョの保全・増殖や湧水池「ジッキョヌホー」の保全を通じて、地域固有の自然環境や文化の継承に取り組んでいる。