未来遺産運動ニュース2025年1月号
日本ユネスコ協会連盟は、日本の豊かな自然や文化を100年後の子どもたちに伝えていくことを目指し、未来遺産運動を行っています。全国に83ある「プロジェクト未来遺産」では、地域の自然や有形・無形の文化を守る多様な活動が展開されています。
各地域の「プロジェクト未来遺産」 のイベント情報・活動報告は以下をご覧ください。
イベント情報
活動報告
1. NPO法人有珠山周辺地域ジオパーク友の会/昭和新山初爆80周年記念 昭和新山登山学習会
3. 和白干潟を守る会/バードウォッチングin和白干潟2024
4. 中城村南上原組踊保存会/創作組踊 糸蒲村 村踊り縁起「能羽の縁」上演会
5. どんちっちサポートIWAMI/子どもたちが神社清掃活動を実施
ピックアップ
発行物
未来遺産・見沼たんぼプロジェクト推進委員会/「見沼・旬彩」2024-25年 冬号
イベント情報
※各団体から提供された情報を掲載しています。内容は掲載日時点のため、最新情報は各団体のウェブサイト等をご確認ください。参加申し込みや行事に関するお問い合わせは、各団体へご連絡ください。
1. 古典の日制定記念「人形芝居公演」出演のお知らせ
(開催日)1月19日(日)13:00開演(12:30開場)
(場 所)利根沼田文化会館 大ホール(群馬県沼田市上原町1801-2)
(主催者)群馬歴史文化遺産発掘・活用・発信実行委員会
(出演団体)沼須人形芝居あけぼの座 他
■沼須人形芝居あけぼの座からのご案内
沼田文化会館で開催される古典の日制定記念「人形芝居公演」に沼須人形芝居あけぼの座が出演します。当座では、初代沼田城主の真田信之の妻となった、小松姫の勇姿を描いたオリジナル演目「小松姫物語」の上演の他、座長の金井竹徳による群馬の人形芝居講座や、実際に人形操作を体験するワークショップも実施します。江戸時代から当地に受け継がれる人形芝居の魅力をぜひ体感しに来てください!
ご興味のある方はチラシまたはホームページで詳細をご確認の上、2025年1月17日(金)までにお申し込みください。(予約優先)
入場料:無料
■チラシ
2. 「1月の和白干潟クリーン作戦と自然観察」参加者募集
(開催日)1月25日(土)15時~17時
(場 所)福岡県福岡市
■和白干潟を守る会からのご案内
和白干潟を守る会では毎月「和白干潟クリーン作戦と自然観察」を実施しています。干潟には、人が海や川に捨てたゴミなどが流れ着きます。唐原川河口近くの通称「海の広場」周辺のゴミを拾い、きれいになった浜辺で自然観察を楽しみます。
学生や社会人など幅広い年代の参加を歓迎します。ご興味のある方は当日現地にお集まり下さい。
集合場所:和白干潟海の広場(福岡市東区和白4丁目)
※西鉄電車唐の原駅下車 徒歩5分
※駐車場なし
参加料:無料
活動報告
1. 「昭和新山初爆80周年記念 昭和新山登山学習会」実施報告
(プロジェクト名)昭和新山ジオツアー減災文化継承プログラム
■ NPO法人有珠山周辺地域ジオパーク友の会からの報告
2024年は、昭和新山が初めて爆発した1944年から数えて80年が経過した年です。この出来事を心に刻み、生きている地球を体感し、自然災害との関わり方を考えるため、昨年2回に渡り登山学習会(ジオツアー)を実施しました。
壮瞥町の火山フォーラムと併せて開催した6月23日のツアーには、ボランティア会員含めて計71名の参加があり、入山が規制されている最大の火口跡である第四火口を巡りました。11月16日のツアーでは、計24名の参加者が山頂を目指しました。
参加者は普段は立ち入れない噴気孔で地球の熱を体感し、今もなお、昭和新山が生きている火山であることを体感しました。 下山後は、三松正夫記念館で、火山の成長の一部始終を世界で初めて記録した三松正夫の生い立ちや功績のほか、正夫が最も伝えたかった災害を減らす文化、すなわち火山と向き合うことで災害に備えることの重要性について、洞爺湖有珠火山マイスターが説明をしました。
参加者は、戦中戦後の混乱期にあって、火山にその半生を傾けた郵便局長の生涯に感銘を受けていました。
2. 海上の森収穫祭を開催しました
(プロジェクト名)愛知万博の理念と成果の継承 ~海上の森・保全活用プロジェクト~
■ NPO法人海上の森の会からの報告
11月24日、思わず深呼吸したくなるような日本晴れのなか、海上の森収穫感謝祭を行いました。今年は、あいち海上の森センターの名誉センター長のマリ・クリスティーヌさんも参加いただきました。5月に開講した「里と森の教室」に参加のご家族、当会会員合わせて60名ほどの参加がありました。「里と森の教室」で育てて収穫した野菜などを使い、イモ煮や焼きイモ、おむすび、イモういろう作りに、餅つきも行いました。
朝から、女性陣はサトイモ、ダイコンなどの野菜を洗ったり、刻んだり、男性陣は、くど・せいろ、臼、杵や焼イモ用のドラム缶の準備です。大事なことがあります。今ではあまり体験することがない火のつけ方や火おこしを子どもたちに教えながらの準備でした。餅つきは家族づれにお願いし17臼程つきました。そして皆で一緒に食べます。とりわけ、自分たちで耕作し収穫して調理した焼きイモ、つきたて餅、イモ煮、おむすび、イモういろうは一段とおいしく感じたと思います。食べている時の嬉しげな顔は、今まで体験したことない農作業の疲れを吹き飛ばし、子どもたちには大変良い体験になったと思います。
参加した子どもたちやご家族は日頃とは違った一日を過ごし、里山での楽しい思い出が出来たと思います。
3. 「バードウォッチングin和白干潟2024」実施報告
(プロジェクト名)博多湾・和白干潟の自然保護活動
■ 和白干潟を守る会からの報告
11月に入り、中央アジア・シベリアなど遠い北国から渡り鳥たちが飛来する季節を迎えた和白干潟。福岡市港湾空港局と当会含む3つの市民団体からなる「和白干潟保全のつどい」では、11月30日に「バードウォッチングin 和白干潟2024」を開催し、親子連れや関係者など合計28名の方に参加いただきました。
開会挨拶に続き、当会代表の山本がパネルを使って和白干潟の鳥たちを説明した後、参加者は配られたビンゴカードに観察できそうな渡り鳥を予想しながらシールを貼りました。続くバードウォッチングでは、望遠鏡や双眼鏡で干潟の鳥たちを観察しながら、各々でビンゴカードをチェックしていきました。砂州には、マガモ、ヒドリガモ、ツクシガモなどのカモたちやミヤコドリ、沖合の波間にはスズガモやホシハジロ、カンムリカイツブリなど、全部で23種類の鳥が確認できました。参加者からは「初めて参加したが、色んな鳥が見られて楽しかった。」「鳥を見て名前を知ることができて良かった。」などの感想がきかれ、最後にビンゴの賞品と飲み物などを配り閉会しました。
当会では、参加者が和白干潟の素晴らしさに触れ、自然を守る心を育むとともに、開発の影響による現状を知り、これ以上の開発を防ぎ自然を守り復元することを考えるようになってくれることを願っています。
詳しい活動の様子は当会ホームページでもご覧いただけます。
4.創作組踊 糸蒲村 村踊り縁起「能羽の縁」上演会の報告
(プロジェクト名)創作組踊「糸蒲の縁」で地域の子ども達を育み新たな文化を繋ぐ
■中城村南上原組踊保存会からの報告
沖縄県中城村南上原は新興住宅地として発展している地域です。当区には新旧住民を強く結びつける民俗芸能がなかったことから、沖縄の代表的な組踊を地域の歴史、史跡および故事などを基に当区オリジナルな組踊を創り、プロの指導者から学び、子どもたちを中心に毎年上演会を開催しています。
12月1日は、当村の吉の浦会館で、コロナ禍以降初めて観客数制限なしで上演会を開催し、満席のお客さまの前で琉球舞踊と創作組踊を披露しました。第1部琉球舞踊では、古典舞踊、雑踊り、創作舞踊および祝儀舞踊を披露しました。第2部は創作組踊 「糸蒲村 村踊り縁起『能羽の縁(ぬふぁぬえにし)』」で、昨年の初舞台に続き2回目の上演です。子どもたちは、田舎下りしてきた元武士の兄弟の心情と村娘たちの兄弟への憧れなどを、唱えと踊りで丁寧に心を込めて表現しました。
上演後、観客からは「琉球舞踊も組踊も子どもとは思えない程プロ並みで素晴らしく感動した」、「郷土の歴史や史跡などを知る事ができた」、「カマドの役をやってみたい」など多くの感想が寄せられました。
本上演会が伝統芸能を楽しむと同時に、その背後にある地域の歴史や文化について理解を深める良い機会になっていたら幸いです。 今後とも、地域オリジナルの組踊をとおして、地域振興に貢献し、伝統芸能の発展に寄与していく所存です。
5.子どもたちが神社清掃活動を実施(どんちっちサポートIWAMI)
(プロジェクト名)伝統芸能石見神楽を未来に継承サポートプロジェクト
■どんちっちサポートIWAMIからの報告
当団体では、神楽に携わる者として、子どもたちが常日頃から敬神と礼節を尊ぶ心や、故郷の歴史を誇る心を養うことを目的に、2014年以降、市内の神社をめぐり、年に一度、社清掃活動を実施しています。
昨年12月8日に実施した島根県浜田市の大元神社での活動には、当団体に加盟する市内11の石見神楽団体の子どもたち、引率者や保護者など、子ども59名と大人29名の総勢88名が参加しました。大元神社は、石見神楽の聖地ともいわれる神社で、明治まで神職のみに演舞が許されていた神楽を、一般市民に指導した、石見神楽の師である田中清見氏の碑が建てられています。
当日は、元宮司様からの御挨拶に始まり、88名が、神社の本殿・舞殿・境内・参道に分かれて清掃を行いました。本殿・舞殿の床や柱を拭いたり、掃いたり、境内・参道では、落ち葉を拾い集め、時間を忘れ活動に集中しました。清掃終了後には、神社の成り立ちや田中清見氏についてのお話を聞きました。続けて、所属団体の枠を超えた子ども同士の交流活動として、当団体が考案の「石見神楽カルタ」の大会を開催しました。参加した子どもたちは、団体に関係なく学年別に分かれて、当団体のOBから詠まれた取り札を一生懸命に探して取り合っていました。
こうして、今年の清掃活動と交流活動を無事に終えることが出来ました。
ピックアップ
「プロジェクト未来遺産2024」に4プロジェクトの登録決定
2024度は全国から32件の応募があり、新たに4件の「プロジェクト未来遺産」の登録が決定しました。
各プロジェクトの詳細は以下の記事をご覧ください。
「プロジェクト未来遺産2024」に4プロジェクトの登録が決定!
発行物
「見沼・旬彩」2024-25年 冬号 vol.31
2014年にプロジェクト未来遺産に登録された「首都圏の大規模緑地・見沼たんぼを100年後の子ども達に残す」の取り組みの一環で、 未来遺産・見沼たんぼプロジェクト推進委員会が発行している広報誌です。見沼たんぼ地域で活動する関係団体の最新の取り組みなどを紹介していますので、ぜひご覧ください。
未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、全国に応援の輪が広がることを目指しています。