【U-Smile活動報告】プログラミング教室(宇部市)
2024年11月4日、山口県宇部市と日本ユネスコ協会連盟との包括的連携協定(2023年9月)に基づき組成された官民連携のワーキングチームによる体験企画として、小学校4~6年生を対象に「プログラミング教室」を開催しました。午前の部には11人、午後の部には8人の子どもたちが参加し、プログラミングで動くロボットを作りました。
このプログラミング教室は、認定NPO法人キッズドアが主催し、宇部市と日本ユネスコ協会連盟が共催する形で実現しました。プログラミングの指導は、micro:bit(マイクロビット)教育財団でチャンピオンと呼ばれる指導者の方々が担当しました。
最初に、一人ひとりに配られたmicro:bit(以下、マイクロビット)という手のひらサイズの基盤をパソコンにつなぎました。つなぐと「ピコーン」という音とともにマイクロビットにはハートのマークが表示され、緊張の面持ちだった子どもたちも笑顔になりました。
さらに、マイクロビットのボタンAを押したりボタンBを押したり、振ったりすると、ニコニコマークが出たり、困った顔に変わったり、他の音が鳴ったりとマイクロビットにさまざまな反応が現れ、子どもたちは大喜び。すっかり緊張もほぐれた様子でした。
「プログラミング」を自分でやってみよう、ということで、今度は各自のパソコン上で
「ボタンAが押されたとき」「アイコンを表示(♡)」
「ボタンBが押されたとき」「表示を消す」
とブロックを選んで組み合わせ、指示を作りました。
きちんとできていれば、自分のマイクロビットでその指示通りの反応が見られるはずです。ドキドキしながらダウンロードし、自分の手元のマイクロビットのボタンAを押すと、「♡」が表示され、ボタンBを押すと表示が消えました。みんなあっという間にできてしまいました。
プログラミングが初めてだった子も、最初に習った形を応用して
「ボタンAとボタンBを同時に押したとき」「アイコンを表示(😊)」「メロディを鳴らす」
など別のブロックを組み合わせたり、少しずつ変えて作ってみるうちにコツをつかみ、自由にプログラミングができるようになりました。周りで見ていたスタッフは「すごいねー」と感心するばかりでした。
その後、画用紙の型紙を組み立ててロボットの形を作り、その両側に「サーボ」というモーターを取り付け、マイクロビットとつなぐための配線をつなぎました。
パソコン上では、
「ボタンAが押されたとき」「サーボの回転を0度」
「ボタンBが押されたとき」「サーボの回転を180度」
と設定し、ロボットの両腕が0度から180度まで上下に動くようにしました。
配線は少し複雑でしたが、うまく動かないときはスタッフがつなぎ方を確認したり、断線をチェックしたりして、全員無事に動かせるようになりました。
そして最後の30分間は、一人ひとりが自由に、折り紙、画用紙、ペンなどを使ってロボットを飾りつけたり、パソコン上でプログラミングをさらに複雑な形に組んだりする時間となりました。それぞれが集中して作り上げていました。
このようにロボットを工作で飾って自分のお気に入りに仕上げた子もいれば、パソコンでのプログラミングに夢中になる子もたくさんいました。手の動きに加え、音を付けるのが人気でした。既定の音楽を使ったり、自分で音程や速さを考えて工夫する子もいました。
最後の自由時間は、子どもたちの目が一番輝く時間でした。見学に来ていた母親やスタッフに、ロボットの色を相談したり、自分で作った音楽を披露したりして、たくさん褒めてもらっていました。
終了時刻になり、子どもたちは嬉しそうに自分で作ったロボットを持ち帰りました。なかなか帰りたくない子もいて、お母さんに促されながらもギリギリまでプログラミングをして動かしていました。本当に楽しそうでした。
当初「小学生に2時間は長すぎるのでは」といった声もありましたが、そんな心配は杞憂でした。事後アンケートでは、参加した全員が「楽しかった」と回答してくれただけでなく、大半の子が「『私もできる』と感じることができた」と答え、とてもよい機会になったと思います。
U-Smileプログラムでは、弱い立場に置かれた子どもたちへさまざまな体験機会を提供し、社会を生き抜く力を身に付けることを目的としています。今後も、支援を必要とする子どもたちが思い切り楽しみ、自己肯定感を高めてもらえるような体験支援を行っていきます。皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。