世界寺子屋運動terakoyaitem

カンボジア18軒目「ポぺル寺子屋」完成

2020.06.30

日本ユネスコ協会連盟は、教育を受けられない人々に「寺子屋=学びの場」を無償で提供する「世界寺子屋運動」を、カンボジアを含めアジアの4ヵ国で1989年から続けています。いつも温かいご支援をいただき、ありがとうございます。

さて、2020年4月にはカンボジアにプロジェクト18軒目となる、「ポペル寺子屋」が完成しました。本日は完成までの道のりをご紹介します。

 【建設中のポペル寺子屋】            【2020年4月完成】

「ポペル寺子屋」は、シュムリアップ市街地から車で東に向かって1時間強の、ソニコム郡ポペル・コミューンにあります。この地域には学校はあるものの、貧困などのため、14歳以下の子ども全体の17%超が学校に通うことができていません。

カンボジアの寺子屋では、村の代表として寺子屋を運営するメンバー(寺子屋運営委員)を選挙で選んでいます。ポペル寺子屋でも建設に先立ち、2019年12月に運営委員を選びました。

【日本ユネスコ協会連盟カンボジア事務所の説明 と投票】
【運営委員選挙の候補者たち(男性12名、女性12名)】

寺子屋運営委員会の男女比率は半々になるように考慮されており、計24名の候補者から男性6名女性6名が選出されました。

翌2020年1月には、同じ郡内にあって先に建設され活動も軌道に乗っているタヤック寺子屋を、新しく選ばれたポペル寺子屋の運営委員会メンバーが視察し、実際の活動内容やマネージメントについて学びました。タヤック寺子屋の運営委員からは、寺子屋の地域における役割と責任や、他団体との連携が非常に重要だということについて説明がありました。

【タヤック寺子屋運営委員からの説明(左)と活動視察(右)】

また5月には、寺子屋内の図書室運営に関する研修を2日間受けました。カンボジアの学校には図書室がなかったり、村にはTVやインターネットがない家庭が多いため、図書室にある本は村人の生活を向上させる情報源となります。本研修では、日本ユネスコ協会連盟カンボジア事務所スタッフが、図書室運営方法についての基礎や書籍登録作業について説明をしました。また参加者は、自分たちでより良い図書室をつくりあげていくために、グループでディスカッションも行っています。

 【書籍の登録】             【分類用のラベル作成】

ポペル寺子屋では、コロナ禍の影響でまだ本格的な寺子屋活動が始まっていませんが、子どもを対象とした教育プログラム以外にも、成人向け識字教育や職業訓練など学びのニーズも幅広く、村人のポペル寺子屋への期待は高まっています。

できたてのポペル寺子屋、皆さま、どうぞ応援をよろしくお願いいたします。

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