終戦の日に向けて
第二次世界大戦が終結して、間もなく76年がたとうとしています。
第二次世界大戦の惨禍を経て、「二度と戦争を繰り返さない」という強い決意を謳ったUNESCO憲章への賛同が、私たち日本ユネスコ協会連盟の出発点です。
UNESCOの設立は、戦時中の1942年、戦争による教育の荒廃を憂慮したヨーロッパ各国の文部大臣が「教育」(EducationのE)で協力し合う国際機関の設立を検討したことが始まりです。翌年、アメリカが会議に参加し、文化(CultureのC)を加えることが提案されます。回を重ねるごとに参加国が増え、1945年11月、設立総会の際に、イギリス代表が科学(ScienceのS)を加えるよう提案し、こう続けました。
「私たちみんなが、科学者が私たちに対して今度は何をするのだろうかと不安に感じているとき、科学者が自分たちの研究結果が人類に対し責任があると考えることは大切です」
世界の人びとの脳裏には、広島、長崎への原子爆弾投下による巨大なキノコ雲の残像が、痛みとともに焼きついていました。そして、国連の新しい機関の名称は、科学の”S”が加わることとなり、1946年にUNESCOが設立されました。
UNESCOのインスタグラム(8月6日)で、広島に原爆が投下された歴史に触れられています。初めて原爆が使用された証であり、多くの人びとの努力によって保存されてきた広島平和記念碑(原爆ドーム)について、「人類が生み出した最も破壊的な力の象徴であるだけでなく、世界平和と全ての核兵器の最終的な排除への希望を表現している」と述べています。そして、「犠牲者に敬意を表し、歴史を決して忘れず、このような出来事を二度と繰り返さないことを誓いましょう」と力強く締め括っています。
「戦争は、人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」(UNESCO憲章前文より)
未来に向けて、一人でも多くの方がともに考え、行動することが、平和な世界を実現する力になります。今後とも、 皆さまからのご支援、ご協力をお願い申し上げます。