2024.08.09
第46回世界遺産委員会報告
世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれ、そして私たちが未来の世代に引き継いでいくべきかけがえのない宝物です。UNESCOは、世界遺産を”人類共通の遺産”として保護・保全していくための国際的な協力体制を築く国際条約として、1972年第17回UNESCO総会にて「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(通称:世界遺産条約)を採択しました。
世界遺産は、私たち一人ひとりが守り伝えていくべき人類共通の遺産であるとして、日本ユネスコ協会連盟では、草の根レベルでの保護・保全活動を進めています。
1960年代、UNESCOはアスワンハイダムの建設によってナイル川流域にあったヌビア遺跡を水没の危機から救うためにこの遺跡群を移築して保存する救済キャンペーンを行いました。このときに「人類共通の遺産」という考え方が広がり、1972年、「世界遺産条約」の採択へとつながっていきました。
世界遺産は「有形の不動産」を対象とし、3つの種類があります。
①文化遺産
顕著な普遍的価値を有する、記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など
例)インドのタージ・マハル、ドイツ連邦共和国のケルン大聖堂など
②自然遺産
顕著な普遍的価値を有する、地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など
例)タンザニア連合共和国のキリマンジャロ国立公園、アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園など
③複合遺産
文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの
例)ギリシア共和国のメテオラ、グアテマラ共和国のティカル国立公園など
国内の世界遺産候補物件リスト(暫定リスト)の中から条件が整ったものを世界遺産委員会に推薦。
文化遺産は国際記念物遺跡会議(ICOMOS)、自然遺産は国際自然保護連合(IUCN)が調査。
専門機関からの報告書をもとに世界遺産リストに登録するかどうかを決定。世界遺産委員会は、条約締約国21カ国の代表から構成され、新規に世界遺産に登録される物件や拡大物件、「危機にさらされている世界遺産」(危機遺産)などの登録および削除、また、登録された遺産のモニタリングや技術支援、ワールド・ヘリテジ・ファンド(世界遺産基金)の用途などを審議、決定を行っています。
私たち日本ユネスコ協会連盟では、世界遺産を将来にわたって守り、次の世代へと引き継いでいくことができるように、
草の根レベルでの「世界遺産活動」を行っています。
私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。