危機遺産Crisis heritage

危機にさらされている
世界遺産とは?
Crisis heritage

武力紛争、自然災害、大規模工事、都市開発、観光開発、商業的密猟などにより、その顕著な普遍的価値を損なうような重大な危機にさらされている世界遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されます。 危機遺産リストに登録された場合は、国際的な協力を仰ぎ、ワールド・ヘリテジ・ファンド(世界遺産基金)への財政的支援を申請することができます。

危機から救われた世界遺産World heritage saved from crisis

危機的な状況を脱したと判断された場合には、危機遺産リストから削除されます。例えば、アンコール・ワットやアンコール・トムで知られるクメール王朝の遺跡「アンコール」(カンボジア王国)は、内戦による破壊や略奪により、1992年に世界遺産に登録されると同時に危機遺産に登録されました。しかし、その後、日本やフランスの積極的な修復支援が行われた結果、2004年に危機遺産から解除されました。日本の支援は上智大学アンコール遺跡国際調査団や、日本政府のユネスコ信託基金による協力などを中心に、長期にわたって行われています。

危機遺産リストCrisis heritage List

※本リストは、2017年の情報です。

危機遺産登録年 世界遺産名(C:文化遺産 N:自然遺産) 世界遺産リスト登録年 国  名
1982 エルサレム旧市街とその城壁群(C) 1981 エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産)
1986 チャン・チャン遺跡地帯(C) 1986 ペルー共和国
1992 ニンバ山厳正自然保護区(N) 1981,1982 コートジボワール共和国及びギニア共和国
1992 アイールとテネレの自然保護区群(N) 1991 ニジェール共和国
1994 ヴィルンガ国立公園(N) 1979 コンゴ民主共和国
1984~1992,1996 ガランバ国立公園(N) 1980 コンゴ民主共和国
1997 カフジ‐ビエガ国立公園(N) 1980 コンゴ民主共和国
1997 マノヴォ‐グンダ・サン・フローリス国立公園(N) 1988 中央アフリカ共和国
1997 オカピ野生生物保護区(N) 1996 コンゴ民主共和国
1999 サロンガ国立公園(N) 1984 コンゴ民主共和国
2000 古都ザビード(C) 1993 イエメン共和国
2001 アブ・メナ(C) 1979 エジプト・アラブ共和国
2002 ジャムのミナレットと考古遺跡群(C) 2002 アフガニスタン・イスラム共和国
2003 バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(C) 2003 アフガニスタン・イスラム共和国
2003 アッシュール(カラット・シェルカット)(C) 2003 イラク共和国
2005 コロとその港(C) 1993 ベネズエラ・ボリバル共和国
2005 ハンバーストーンとサンタ・ラウラ硝石工場群(C) 2005 チリ共和国
2006 コソヴォの中世建造物群 2004,2006 セルビア共和国(※)
2007 ニオコロ-コバ国立公園(N) 1981 セネガル共和国
2007 都市遺跡サーマッラー(C) 2007 イラク共和国
2009 ベリーズのバリア・リーフ保護区(N) 1996 ベリーズ
1993~2007,2010 エヴァグレーズ国立公園(C) 1979 アメリカ合衆国
2010 アツィナナナの雨林群(N) 2007 マダガスカル共和国
2010 カスビのブガンダ王国歴代国王の墓(C) 2001 ウガンダ共和国
2011 スマトラの熱帯雨林遺産 2004 インドネシア共和国
1996~2007,2011 リオ・プラタノ生物圏保存地域 1982 ホンジェラス共和国
2012 トンブクトゥ(C) 1988 マリ共和国
2012 アスキア墳墓(C) 2004 マリ共和国
2012 リヴァプール-海商都市(C) 2004 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
2012 パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサン・ロレンソ(C) 1980 パナマ共和国
2012 イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路(C) 2012 パレスチナ自治政府
2013 東レンネル(N) 1998 ソロモン諸島
2013 古都ダマスクス(C) 1979 シリア・アラブ共和国
2013 古代都市ボスラ(C) 1980 シリア・アラブ共和国
2013 パルミラの遺跡(C) 1980 シリア・アラブ共和国
2013 古都アレッポ(C) 1986 シリア・アラブ共和国
2013 クラック・デ・シュヴァリエとサラディン城(C) 2006 シリア・アラブ共和国
2013 シリア北部の古代村落群(C) 2011 シリア・アラブ共和国
2014 セルー・ゲーム・リザーブ(N) 1982 タンザニア連合共和国
2014 ポトシ市街(C) 1987  ボリビア多民族国
2014 パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観(C) 2014 パレスチナ自治政府
2015 シバームの旧城壁都市(C) 1982 イエメン共和国
2015 ハトラ(C) 1985 イラク共和国
2015 サナア旧市街(C) 1986 イエメン共和国
2016 レプティス・マグナの古代遺跡(C) 1982 リビア
2016 サブラータの古代遺跡(C) 1982 リビア
2016 クーリナの古代遺跡(C) 1982 リビア
2016 タドラット・アカクスのロック-アート遺跡群(C) 1982 リビア
2016 ガダーミスの旧市街(C) 1982 リビア
2016 ジェンネ旧市街(C) 1988 マリ共和国
2016 シャフリサブス歴史地区(C) 2000 ウズベキスタン共和国
2016 ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地(C) 2016 ミクロネシア連邦
2017 ウィーン歴史地区(C) 2011 オーストリア共和国
2017 ヘブロン/アル・ハリール旧市街(C) 2017 パレスチナ自治政府

( 2017年11月現在,54件 )

※最新の危機遺産リストは、UNESCOの 世界遺産センターのホームページ(英語) をご覧ください

※「コソヴォの中世建造物群」は、2008年にセルビア共和国から独立を宣言したコソボ共和国内にある。 しかし、コソボは世界遺産条約締約国ではないため、セルビア共和国として記載してある。 日本語の世界遺産名は、UNESCO世界遺産センターが発行している英文の世界遺産リストに基づき、日本ユネスコ協会連盟が可能な限り忠実に翻訳したものです。

最新の取り組みLatest approach

私たち日本ユネスコ協会連盟では、世界遺産を将来にわたって守り、次の世代へと引き継いでいくことができるように、
草の根レベルでの「世界遺産活動」を行っています。

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