大船渡ユネスコ協会会長からのお手紙
寺尾です。
津波防災学習資料「津波はいつかまた来る」を制作した大船渡ユネスコ協会の佐々木会長からお手紙が届きました。
「大寒が来て寒さが一段と厳しさを増しました。しかし 太陽の光が1日ごとに明るく、強くなってきており、春の近いことを知らせてくれております。
この度の東日本大震災では大船渡市も、歴史上にない大きな被害を受けました。また ユネスコ会員の約40%が被害に遭い、溺死者が2名でました。私は会長として一時は呆然としました。とりあえず激励の手紙を出し、流されずに残っている家には、名刺を貼り付けて歩きました。改築したばかりの婚礼施設『まるしち』は、チリ地震津波に続いて二度目の被災で、鉄骨だけが残っていました。
2ヶ月ほど経って会員に会ったところ、『激励の気持ちは届いています』 と言ってみなさんから頂いた手紙を高く掲げて見せてくれました。そしていま必要なのは、思いやりの言葉、励ましの言葉をかけることと、苦しい心を聴くことだと気づきました。世界各地からの支援で、町は少しずつ元気をとりもどしてきております。
このような中で大船渡ユネスコ協会が、何か活動が出来ないかと考えました。そして防災教育は低年齢のときから始めるべきだという本に接し、小・中学校の図書館で読めるものを作る決意をしました。
それが日本テトラパック社のご好意を受け、助成金をいただいてこの本を世に送り出すことが出来ました。本当に有難うございました。心からお礼を申し上げます。
なにしろ津波についての知識がない素人が本を作るものですから、プロの編集長さんにご指導をいただき、添削を繰り返して受けながら、苦戦の連続でした。
当初の予定では2,000部の発行予定でしたが、噂を聞いて発行前から、購入の申し込みがあり、3,000部印刷しました。私たちの防災教育普及の活動は、今始まったばかりです。教育委員会への働きかけ次第では、最終的には、5,000部に漕ぎ着けたら大成功だと考えております。
第3章の防災教育の実践は内容が豊で、教職員のテキストとして使うことを考えている学校もあります。我々には発行した後の仕事が残っています。」
被災直後の佐々木会長のメッセージは以下をご覧ください。