「プロジェクト未来遺産2015」 登録証伝達式 終了
昨年12月に、「プロジェクト未来遺産」として登録されたプロジェクトに対する登録証伝達式が現在各地で開催され、3月末に終了いたしました。愛媛と京都で行われた伝達式の様子をお伝えいたします。
1.美の里を未来へ 石畳地区・村並み保存活動
石畳自治会
去る3月5日(土)、愛媛県内子町の自治会館において、町の人たちや近郊のユネスコ協会など、約60人が集まり、伝達式が開催されました。
伝達式の後、石畳村を個性ある村として築き上げていこうと村並み保存運動を牽引してきた岡田文淑氏による講演も行われました。
石畳自治会の活動名は「美の里を未来へ」。水車の復元や農村景観の保全をはじめ、古民家を移築して宿泊機能をもたせた「石畳の宿」など、住民と行政が約30年にわたって取り組んできた、農村景観の保全などが特徴です。
山田自治会長は、「登録に恥じない努力で、地域を守る責任を果たしたい」と、改めてこの地域をまもり、継承していく決意を述べられました。
2. 京都桂川の生物多様性保全 ‐カヤネズミのすむ茅原を未来へつなぐ
全国カヤネズミ・ネットワーク
3月27日(日)、京都市を流れる桂川の近くにある大下津町自治会館で伝達式が行われました。伝達式の前には、カヤネズミ・ネットワークのメンバーがあつまり、今回のプロジェクト地域である桂川の自然観察会が行われました。カヤネズミは日本で一番小さなネズミで、主に休耕田や河川敷、草原に生息し、そこに生えているススキ、オギ、チガヤなどイネ科の葉を利用して、直径10cmくらいの球形の巣を作って生活していますが、最近、河川の工事や、新しい道路・ゴルフ場の建設などでカヤネズミの生息地がどんどん奪われています。
全国カヤネズミ・ネットワークは、カヤネズミをはじめ、河川敷や里山など人間生活に近い環境にある生物の保護と生息地の保全を進めることを目的に作られ、関心がある人であればだれでも入会でき、互いの活動状況の把握や連絡はネットで行われているのが大きな特徴です。
代表の畠佐代子さんは伝達式の中で、カヤネズミをはじめ、たくさんの生きものでにぎわう桂川のすばらしい自然環境を、未来遺産として子どもたちに残せるように、これからもがんばりたいと抱負を述べていました。