未来遺産運動ニュース’24年7月号
日本ユネスコ協会連盟は、日本の豊かな自然や有形・無形の文化を地域の“たからもの”として100年後の子どもたちに伝えていくことを目指し、未来遺産運動を行っています。全国83の「プロジェクト未来遺産」では、日本各地でさまざまな活動を展開しています。
各団体のイベント情報・活動報告は以下をご覧ください。
イベント情報
活動報告
1.山口鷺流狂言保存会/山口鷺流狂言保存会結成70周年記念「こども狂言教室発表会」
2. 和白干潟を守る会/和白小学校4年生が和白干潟自然観察会にきてくれました
3. 阿波人形浄瑠璃平成座/徳島市立川内北小学校で20回目となる出前教室を開催
ピックアップ
1.白鳥神社神楽保存会/漁港に響く囃子と笑い「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式 記念神楽公演
2.NPO法人 津波太郎/「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式報告
3.「プロジェクト未来遺産2024」を募集中(応募期限:8月9日(金)まで)
刊行物
未来遺産・見沼たんぼプロジェクト推進委員会/見沼・旬彩2024夏号
イベント情報
※内容は掲載日時点のため、最新情報は各団体のウェブサイト等をご確認ください。参加申し込みや行事に関するお問い合わせは、各団体へご連絡ください。
1.「備中とと道トレイル・サミット」参加者募集
(開催日)7月6日(土)
(エリア)岡山県高梁市成羽
(団体名)備中とと道トレイル推進協議会
■主催団体より
車社会の到来により通われなくなって久しい備中山中の古道の再整備を開始して8年、当協議会はこれを「備中とと道トレイル」として日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」登録を申請、このたび認定されました。7月6日(土)に高梁市成羽で登録証の伝達式が行われますが、この機会に沿道4市町の首長の参加を得て、この道の何たるかを確認し、今後の維持・活用について考えるサミットを開催します。サミットには、とと道に関心をもつ人びと(ウォーク大会参加者、とと道会員、倉敷ユネスコ協会など)にも広く参加の声がけをし、とと道の周知を図ります。民俗学者の神崎宣武氏の基調講演などを予定していますので、ご関心のある方はぜひ当日会場にお越しください。
※参加費無料、事前申込不要
詳しくは下記のチラシをご覧ください。
■チラシ
■パンフレット
2.自然ウォッチング
(開催日)7月7日(日)9:30~14:00
(エリア)愛知県瀬戸市(あいち海上の森)
(団体名)NPO法人海上の森の会
■主催団体より
4月~12月(8月を除く)の第1日曜日の9:30~14:00まで、自然ウォッチングを開催しています。都市近郊にありながら、自然豊かな万博記念の森として残された海上の森で、植物・野鳥・昆虫などを観察して知識を深めませんか?
集合時間・場所:当日9:20までに海上の森入口駐車スペースに集合 ※申込不要
対象:小学生以上 ※小学生は保護者要同伴
参加費:100円/人
少雨開催
■チラシ
3.森であそぼ!「夏のおわり 冒けんはつづく!」
(開催日)9月8日(日)9:20~12:00
(エリア)愛知県瀬戸市(あいち海上の森)
(団体名) NPO法人海上の森の会
■主催団体より
なごや環境大学連携のこども講座「森であそぼ!」を今年も開催します。海上の森と里には多くの生き物がいます。森をゆっくりあるき、出会った生き物のありのままの姿を観察してみましょう。
テーマ:夏のおわり 冒けんはつづく!
「まだまだ暑いけどそろそろ秋のにおいがする。どんな生き物に出会えるかな。ゆっくり歩いて9月の森の宝さがし、生き物調べをしてみよう。」
会場:あいち海上の森
対象:小学生・親子
定員:20名
参加費:200円/人
申込期限:8月25日(日)
お申込み方法等の詳細は、チラシまたは団体HPをご覧ください。
■チラシ
4.「Re.あわ文化(第78回夏期阿波人形浄瑠璃大会) 」出演のお知らせ
(開催日)7月20日(土)9時30分~16時30分、 7月21日(日) 9時30分~17時20分
(エリア)徳島県徳島市 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
(主催者)公益財団法人徳島県文化振興財団、財団法人阿波人形浄瑠璃振興会
(出演団体)阿波人形浄瑠璃平成座 他
■団体より
本大会は、阿波人形浄瑠璃振興会に所属する団体の発表会として毎年開催されており、今年で78回を迎えます。当団体は、7月20日(土)11時15分~12時は義太夫メドレーに出演するほか、21日(日)は、10時20分~10時35分に平成座ジュニアクラブ&川内北小学校人形浄瑠璃クラブによる『伊達娘恋緋子 火の見櫓の段』、16時からは阿波人形浄瑠璃平成座による『傾城阿波の鳴門~順礼歌の段~』の公演を予定しておりますので、是非お越しください。
入場料:500円(1日券) 高校生以下無料
詳細は以下のHPにてご確認ください。
5. 和白干潟クリーン作戦と自然観察
(開催日)7月27日(土)15:00~17:00
(エリア)福岡県福岡市
(団体名)和白干潟を守る会
■主催団体より
和白干潟を守る会では毎月第4土曜日の15時から、和白干潟クリーン作戦と自然観察を実施しています。学生や社会人など幅広い年代の参加を大歓迎します。ご興味のある方は当日現地にお集まり下さい。
集合場所:和白干潟海の広場(福岡市東区和白4丁目)西鉄電車唐の原駅下車 徒歩5分
※駐車場なし
参加料:無料 ※飲み物要持参
連絡先:090-1346-0460(田辺)
活動報告
1.山口鷺流狂言保存会結成70周年記念「こども狂言教室発表会」開催
(プロジェクト名)山口鷺流狂言伝承者育成プロジェクト~子ども達に残す鷺流狂言~
■ 山口鷺流狂言保存会 より
山口鷺流狂言保存会は今年結成70周年を迎えます。家元が途絶えた狂言の流派を市民が中心になり細々と伝承してきました。この芸を未来に伝えていくためはじめたこども狂言教室は、毎年多くの小中学生が参加し、狂言を楽しく演じています。
6月2日(日)に、山口市の洞春寺(とうしゅんじ)で開催した発表会では、4人の小中学生が「あかがり」と「隠狸(かくしだぬき)」の2つの演目を上演しました。子どもたちは、笑ってもらえてよかった、もう少し練習できればよかったなど、それぞれに思いを持ち発表できました。これからも毎年教室を続け、多くの子どもたちが狂言について知ってくれることを願っています。
8月からは、令和6年度のこども狂言教室がスタートします。詳細はチラシをご覧下さい!山口鷺流の歴史や今後の活動予定などを知りたい方は、当会HPをぜひご覧ください。
■チラシ
2.和白小学校4年生が和白干潟自然観察会にきてくれました
(プロジェクト名)博多湾・和白干潟の自然保護活動
■ 和白干潟を守る会 より
素晴らしい好天に恵まれ、絶好の観察会日和となった6月3日(月)のお昼過ぎ、福岡市立和白小学校の4年生90名が学校から約2キロの道のりを海の広場まで歩いて来てくれました。
観察会では、バードウオッチング、コメツキガニ探し、アサリ掘り、そして和白川河口に生息するカニの一種であるハクセンシオマネキ観察を行いました。 観察の後は、輪になって皆で採った生きものを確認し、アサリやウミニナによる海水浄化実験を見てもらいました。海水が綺麗に浄化される様子に子ども達も大拍手でした。最後に、紙芝居を使って、和白干潟がどこにあるのか、どのような役割を果たしているのかを紹介しました。
子どもたちからは、和白干潟の珍しい生き物についてや、36年間和白干潟をどんな思いで守ってきたのか、人工島ができて和白干潟の鳥の数はどう変わったかなど数多くの質問があり、鋭い質問に山本代表もたじたじでした。
詳しい内容や当日の写真は当会HPに掲載しておりますので、ぜひご覧ください!
3.徳島市立川内北小学校で20回目となる出前教室を開催
(プロジェクト名)世界に伝えたい!!阿波人形浄瑠璃の魅力未来遺産プロジェクト
■ 阿波人形浄瑠璃平成座 より
阿波人形浄瑠璃平成座では、毎年、徳島市立川内北小学校の先生方のご協力をいただき、4年生を対象に出前教室を開催しています。おかげ様で今回で20回目を迎えました。
6月5日(水)当日は、体育館に集まった子どもたちに、定番の「傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)~順礼歌の段~」の公演を見てもらった後に、口上・大夫・三味線・人形遣いの体験、人形の頭の仕組みを全員に見学してもらいました。見て・聞いて・体験することを大切にしています。
阿波踊りで使う細棹三味線と浄瑠璃で使う太棹三味線の音色の違いを聞いてもらいますと、「百聞は一見に如かず」でとてもよくわかるようです。生徒さんが寄せてくれた感想画・感想文からも真剣に勉強してくれたことがよくわかり感激致しました。
日本の誇る伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」を長い年月をかけてより良いものにと改良してきた先人の素晴らしさを知り、海外の方にも自信をもって紹介できる子どもに育って下さればと願っております。
私どももこの20回目の出前授業の成功を糧に、次のステップに向かいたいと思います。
ピックアップ
1. 漁港に響く囃子と笑い「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式 記念神楽公演(五島に残る玉之浦神楽~子どもたちへの伝承プロジェクト~)
(開催日)6月5日(水)
(エリア)長崎県五島市
(団体名)白鳥神社神楽保存会
■登録団体より
五島列島の一つ、福江島の西端に位置する玉之浦町で、400年以上前から舞われてきた玉之浦神楽。その保存を目的に設立された白鳥神社神楽保存会では、地区の高齢化や人口減少による継承の危機を脱すべく、常設の演舞場の設置や子ども神楽教室など、さまざまな人が参加できる仕組みや多くの人の関心を高める工夫により、地域の宝を未来へとつなぐために力を注いでいます。
この度の「プロジェクト未来遺産」登録を受けて、未来遺産委員会委員の西山厚先生をお迎えして、令和6年6月5日(水)に五島市玉之浦町で登録証伝達式を開催しました。普段は波音と漁船のエンジン音しか聞こえない国境の漁港に、来賓だけでなく地域住民総勢100名近くが集まって、感染症対策のため4年間実施できていなかった白鳥神社例大祭の復活を誓いあいました。
伝達式終了後、記念神楽公演を行い、特に当地のみに伝承されてきた演目を含めた6番の舞が披露されました。舞の中では、お母さんたちによって準備された伝統の紅白餅の餅まきが行われ、子どもたちの歓声だけでなく、老若男女を問わず大いに盛り上がりました。終了後、顔を高揚させた移住者より「自分も神楽に参加します」と、頼もしい声も聞こえました。
2.「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式報告(巨大防浪堤を未来へ 〜岩手県宮古市田老の津波防災伝承活動〜)
(開催日)6月9日(日)
(エリア)岩手県宮古市
(団体名)NPO法人 津波太郎
■登録団体より
岩手県宮古市田老(たろう)地区は、明治29年と昭和8年の三陸大津波によって壊滅的な被害を受け、昭和9年に村長の掛け声のもと、村民たちが石を運んで積み上げた最初の防浪堤が今も残されています。NPO法人津波太郎では、この防浪堤をシンボルに、同地域の津波被害の実態や記憶を記録・伝承する「まちのこし」活動や、地元の学校などと連携した防災教育を展開し、津波防災の先進地として世界の津波防災・減災を目指した活動に取り組んでいます。
この度の「プロジェクト未来遺産」登録を受けて、6月9日(日)14時から宮古市市民交流会館多目的ホールで開催された伝達式には、山本宮古市長、岩手県沿岸広域振興局植野副局長、田老第一小学校児童をはじめ地元関係者など約100名が集まりました。
未来遺産委員会の佐藤桂委員から「正月に能登半島地震津波があり、自然災害の多い日本において地震・津波の伝承活動は重要である。」とのコメントがあり、NPO法人津波太郎の役員方々に登録証が授与されました。その後、登録団体挨拶に続き、来賓からの祝辞があり、最後に田老第一小学校5・6年生21名により活動のシンボルともなっている「防浪堤」の歌詞の入った校歌が披露されました。
宮古ユネスコ協会事務局支援のもと行われた伝達式は、活動を続けてきたメンバーと地域を鼓舞する素晴らしい機会となりました。
3.【事務局からのお知らせ】「プロジェクト未来遺産2024」を募集中(応募期限:8月9日(金)まで)
2024年4月26日(金)から8月9日(金)の期間、今年度の新規登録に向けて、「プロジェクト未来遺産2024」として、地域の文化や自然の保護・継承に力を注がれている市民団体の取り組みを募集しております。 地域の“たからもの”を100年後の子どもたちに伝えたい、そんな想いの下、自然や文化の保護・継承に力を注がれている皆さまのご応募をお待ちしております。
応募方法などの詳細は、以下のリンクから募集要項をご確認ください。
発行物
未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、日本全国に応援の輪が広がることを目指しています。