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未来遺産運動ニュース’24年8月号

2024.08.01

日本ユネスコ協会連盟は、日本の豊かな自然や文化を100年後の子どもたちに伝えていくことを目指し、未来遺産運動を行っています。全国に83ある「プロジェクト未来遺産」では、地域の自然や有形・無形の文化を守る多様な活動が展開されています。

各団体のイベント情報・活動報告は以下をご覧ください。


イベント情報

6.和白干潟を守る会/和白干潟クリーン作戦と自然観察

7.NPO法人海上の森の会/自然ウォッチング

8.NPO法人海上の森の会/森であそぼ!「夏のおわり 冒けんはつづく!」

活動報告

1.姶良市加治木町くも合戦保存会/百十周年記念「姶良市加治木町くも合戦大会」

2. 和白干潟を守る会/「ラブアース・クリーンアップ2024」参加の和白干潟クリーン作戦と自然観察

3. NPO法人海上の森の会/「森であそぼ!」むしっ子、あつまれ!

ピックアップ

1.どんちっちサポートIWAMI/「第27回いわみ子供神楽フェスタ2024」

2.備中とと道トレイル推進協議会/「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式

3.「プロジェクト未来遺産2024」を8月9日(金)まで募集中

イベント情報


※内容は掲載日時点のため、最新情報は各団体のウェブサイト等をご確認ください。参加申し込みや行事に関するお問い合わせは、各団体へご連絡ください。

1.令和6年「こども狂言教室」生徒募集

(開催日)初回ガイダンス:8月3日(土) ※発表会は11月10日(日)を予定

(エリア)山口県山口市(野田神社能楽堂)

(団体名)山口鷺流狂言保存会

■団体より

山口に受け継がれてきた「鷺流狂言」(山口県指定無形文化財)。その魅力を後世に伝えるために活動する山口鷺流狂言保存会では、現在、令和6年の「こども狂言教室」の生徒を募集しています。

初回のガイダンスは8月3日(土)に開催いたします。気にはなるけど続けられるか不安という方は、参加可能な日だけでも構いませんし、初回の様子をみて継続するか検討いただいても構いません。

興味のあるお子さまは、ぜひ、一度足を運んでみてください。

詳しくは下記のチラシをご覧の上、お申込みください。

■チラシ

令和6年度こども狂言教室生徒募集

2.太鼓交流演奏会(和太鼓の会「鼓遊」×大東太鼓「北曙会」)

(開催日)8月6日(火) 

(エリア)東京都稲城市 稲城市立iプラザホール

(主催者)和太鼓の会「鼓遊」

(出演団体)大東太鼓 北曙会

■団体より

沖縄本島から東方約360kmに位置する北大東島で活動し、「プロジェクト未来遺産2022」にも登録された大東太鼓「北曙会」と、東京都稲城市で活動されている和太鼓の会「鼓遊」の2団体による合同演奏会を、東京都稲城市の稲城市立iプラザホールにて開催いたします。

現地に訪れないと見るチャンスがほとんどない大東太鼓「北曙会」の演奏を生で見る絶好の機会となっております。また、世界的和太鼓奏者の林英哲先生が作曲された「千の海響」を合同演奏いたします。

ご興味のある方はぜひ会場までお越しください。入場無料・全席自由となっております。

■チラシ

太鼓交流演奏会チラシ

3.【阿波おどり期間中開催】徳島城博物館での子ども浄瑠璃公演

(開催日)8月13日(火) 1回目:11時~11時30分 2回目:13時30分~14時

(エリア)徳島県徳島市 徳島城博物館

(主催者)徳島市立徳島城博物館

(出演団体)阿波人形浄瑠璃平成座(平成座ジュニアクラブ・川内北小学校人形浄瑠璃クラブ)

■団体より

阿波おどりの期間中の恒例行事として、平成座ジュニアクラブ&川内北小学校人形浄瑠璃クラブが、徳島市立徳島城博物館において今回で25回目となる子ども浄瑠璃の公演を行います。演目は「傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)~順礼歌の段~」です。阿波おどりを見にこられる県内外の方や海外の方に向け、分かりやすくご紹介いたします。

徳島の伝統芸能、阿波人形浄瑠璃の子どもたちによる精一杯の公演を、ぜひご覧下さいませ。

入館料などの詳細は下記のチラシ及びHPをご覧ください。

■チラシ

令和6年度阿波おどり期間中のイベント(徳島城博物館)

4.「三石写真美術館」開催

(開催期間)8月13日(火)~15日(木) 午前10時~午後4時

(エリア)岡山県備前市 三石ふれあいセンター(三石公民館)

(団体名)Mプロジェクト協議会

■団体より

毎年恒例の「三石写真美術館」を、8月13日~15日の3日間、三石ふれあいセンター(三石公民館)で開催します。今回の展示は、中銀三石支店からの寄贈写真や映画「ゼロの焦点」の三石撮影現場写真のほか、明治・大正・昭和時代の懐かしい写真を展示します。「プロジェクト未来遺産」登録記念関係の展示もあります。ほかにも、三石での昭和33年「NHKのど自慢大会」のラジオ放送の復元音声もお楽しみいただけます。

事前申込み不要で、入場も無料です。皆さんのご来場をお待ちしています。

■チラシ

「三石写真美術館」案内

5.第21回三石灯りの街

(開催日)9月14日(土)18時~21時

(エリア)岡山県備前市三石

(団体名)Mプロジェクト協議会

■団体より

三石地区は古くから耐火レンガの原料であるろう石や耐火レンガ製造の町として栄えた歴史があります。その町の魅力を再発見する目的で、古くからある建造物を活用し、ロウソクの灯りで浮かび上がらせるイベント「第21回 三石灯りの街」を開催します。

今年のテーマは「メッセージ」です。地上絵では、ピクトグラムをモチーフに、男女のスタイルを中心にデザインします。

見る人がそれぞれに鑑賞頂き、それぞれに感じたメッセージを持ち帰って頂きたいと思っています。

すでに使用済みペットボトルを再利用しての灯明づくりなどにも取り組んでいます。 皆さんのお越こしをお待ちしています。

■チラシ

「第21回 三石灯りの街」案内

6. 「和白干潟クリーン作戦と自然観察」参加者募集

(開催日)8月24日(土)15時~17時

(エリア)福岡県福岡市

(団体名)和白干潟を守る会

■団体より

和白干潟を守る会では毎月第4土曜日の15時から、和白干潟クリーン作戦と自然観察を実施しています。学生や社会人など幅広い年代の参加を大歓迎します。ご興味のある方は当日現地にお集まり下さい。

集合場所:和白干潟海の広場(福岡市東区和白4丁目)

※西鉄電車唐の原駅下車 徒歩5分/JR香椎線和白駅下車 徒歩10分/西鉄バス白浜バス停下車 徒歩5分

※駐車場なし 

参加料:無料 ※飲み物要持参、各自熱中症対策をしてお越しください。

連絡先:090-1346-0460(田辺)

7.「自然ウォッチング」参加者募集

(開催日時)9月1日(日)9時30分~14時

(エリア)愛知県瀬戸市(あいち海上の森)

(団体名)NPO法人海上の森の会

■団体より

4月~12月(8月除く)の第1日曜日の9:30~14:00まで、自然ウォッチングを開催しています。都市近郊にありながら、自然豊かな万博記念の森として残された海上の森で、植物・野鳥・昆虫などを観察しながら知識を深めませんか?

集合時間・場所:当日9:20までに海上の森入口駐車スペースに集合 ※申込不要

対象:小学生以上 ※小学生は保護者要同伴

参加費:100円/人

少雨開催

■チラシ

令和6年度海上の森の会活動

8.森であそぼ!「夏のおわり 冒けんはつづく!」

(開催日)9月8日(日)9:20~12:00

(エリア)愛知県瀬戸市(あいち海上の森)

(団体名) NPO法人海上の森の会

■団体より

なごや環境大学連携のこども講座「森であそぼ!」を今年も開催します。海上の森と里には多くの生き物がいます。森をゆっくりあるき、出会った生き物のありのままの姿を観察してみましょう。

テーマ:夏のおわり 冒けんはつづく! 

「まだまだ暑いけどそろそろ秋のにおいがする。どんな生き物に出会えるかな。ゆっくり歩いて9月の森の宝さがし、生き物調べをしてみよう。」

会場:あいち海上の森

対象:小学生・親子

定員:20名

参加費:200円/人

申込期限:8月25日(日)

お申込み方法等の詳細は、チラシまたは団体HPをご覧ください。

■チラシ

森であそぼ!

活動報告


1.百十周年記念「姶良市加治木町くも合戦大会」を開催

(プロジェクト名)「くも合戦」保存プロジェクト

■ 姶良市加治木町くも合戦保存会 より

全国的にも珍しい習俗である「くも合戦」は、関ケ原の敵中突破で名高い島津義弘公がその始まりとされ、メスのコガネグモを棒上で戦わせる伝統行事として、現在へと受け継がれています。

今年は、大正3年の第1回大会から数えて百十周年の節目にあたる大会で、6月16日(日)に鹿児島県姶良市加治木福祉センターで開催しました。クモの色艶や姿形の美しさを競う「優良ぐもの部」には56匹の美蜘蛛がエントリー。実際にクモ同士を戦わせる「合戦の部」では、海外からの参加を含め、大人の部65名、少年の部62名が持ち寄った自慢のコガネグモ計381匹が熱闘を繰り広げました。

午後の「王将戦の部」では、「合戦の部」で3連勝したクモによるトーナメント戦が行われ、大人の部の決勝戦は県外から参戦された2名による同門対決となりました。会場は多くの来場者で終日熱気に包まれていました。

保存会では、子どもたちに伝統文化や環境保護を感じてもらうため、大会翌日に市内の小学校などに出向いて「出前くも合戦」を実施し、頑張ってくれた蜘蛛たちを最後に採集場所に帰してから、大会の終了としています。

2.「ラブアース・クリーンアップ2024」参加の和白干潟クリーン作戦と自然観察 報告

(プロジェクト名)博多湾・和白干潟の自然保護活動

■ 和白干潟を守る会 より

和白干潟を守る会は、毎年6月の環境月間にあわせて行われる「ラブアース・クリーンアップ2024」の協賛団体として、6月22日(土)に和白干潟クリーン作戦を実施しました。

あいにくの雨予報もあり、参加者は15名と例年に比べて少なめでしたが、九州産業大学の学生さんや初参加の方もいらっしゃいました。それぞれが袋を持ち、海の広場前から唐原川右岸近くまで歩きながら、人工ゴミと自然ゴミを中心に集めました。

今回はゴミを4分類に仕分けましたが、一番多かったのはプラスチック類のペットボトルやビニール類で、13袋分を回収しました。それ以外に、木片他12袋、不燃ゴミ4袋、粗大ゴミ2個を回収しました。

終了時の振り返りでは、「初めての参加で、自然を感じながら活動できて楽しかった。」、「アシハラガニと稚ガニをたくさん見つけて嬉しかった。」などの感想が出ていました。活動中は時々小雨がぱらつきましたが、皆さまのご協力のおかげで無事に終わることが出来ました。

詳しい内容や当日の写真は当会HPに掲載しておりますので、ぜひご覧ください!

3.「森であそぼ!」むしっ子、あつまれ! 報告

(プロジェクト名)愛知万博の理念と成果の継承 ~海上の森・保全活用プロジェクト~

■ NPO法人海上の森の会より

当会では、なごや環境大学連携のこども講座「森であそぼ!」を開催し4年目になります。今年度は、5月、7月、9月の3回、虫の大好きな子どもたちが家族で参加できるプログラムを開催しています。

「夏だ!むしだ!」がテーマの7月14日(日)は、梅雨空の不安定な天気にもかかわらず、32名が参加してくれました。みんなで「森の宝物探しビンゴ」をしながら、あいち海上の森センターから森の中へと足を進め、森の様子を五感を使って感じ取りながら観察しました。多様な生き物と出会う瞬間を仲間と共有し、あっという間にビンゴは完成しました。

「せっかくの雨です、楽しみましょう!」と声をかけ歩いていると、カエル、サワガニ、水生昆虫のヒメタイコウチなど、雨ならではの生き物たちとの出会いがありました。

子どもたちが大好きな昆虫に夢中になり興味を深めることで、小さな自然から大きな自然のつながりに気が付いてもらうきっかけになればいいなと思いました。

次回は9月8日(日)、「夏のおわり 冒けんはつづく!」をテーマに開催します。夏の思い出づくりにぜひご家族でご参加ください。

(詳細はイベント情報を参照)

ピックアップ


1. 「第27回いわみ子供神楽フェスタ2024」開催 (「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式開催報告)

(開催日)6月23日(日)

(エリア)島根県浜田市

(プロジェクト名)伝統芸能石見神楽を未来に継承サポートプロジェクト

■どんちっちサポートIWAMIより

島根県西部、石見地方を中心に伝承される石見神楽。「どんちっち」とは、子どもの言葉でこの石見神楽を意味し、テンポの速い八調子の囃子と舞を主流とし、石見の和紙が使用された面、金糸・銀糸をふんだんに用いた豪華絢爛な衣装、代表演目『大蛇(おろち)』に用いる蛇胴(じゃどう)を特徴としています。

どんちっちサポート IWAMI では、石見神楽の後継者育成と石見神楽を通じた青少年健全育成を目的に、市内11の神楽団体に所属する子供神楽の相互連携を図るさまざまな活動により、石見神楽の伝承を総合的に支援しています。

6月23日(日)、浜田市立原井小学校体育館で「第27回いわみ子供神楽フェスタ2024」を開催しました。今年は、市内10団体の計88名の子どもたちが、1年間かけて練習し習得した1演目を、観客ら約500名の前で披露しました。また、今回初の試みとして、団体の垣根を越えて選抜されたメンバーが、最大の花形演目『大蛇』を大人顔負けの迫真の演技で披露しました。

今年はフェスタ内で、「プロジェクト未来遺産2023」の登録証伝達式も開催し、未来遺産委員会の齊藤裕嗣委員からは「地域全体で石見神楽を支え、子どもたちの郷土愛を醸成し、他団体のモデルになる活動」との評価を頂きました。

当団体はこの度の登録を受け、100年後に向けた重みを感じています。新しい発想を取り入れながら活動内容を発展させることで、年々、良い団体になっており、今後も活動を通じて後継者を育成していきたいと決意を新たにしました。

2.「プロジェクト未来遺産2023」登録証伝達式 開催報告(歩こう子どもたち!~未来につながる「備中とと道」~)

(開催日)7月6日(土)

(エリア)岡山県高梁市

(プロジェクト名)歩こう子どもたち!~未来につながる「備中とと道」~

■備中とと道トレイル推進協議会より

「備中とと道」とは、岡山県笠岡市の港町・金浦から約60km北の吉備高原山中の吹屋へと続く山道で、明治から昭和初期にかけて、瀬戸内海で捕れた鯛や鰤などの鮮魚を、屈強な魚仲仕(うおなかせ)がリレー方式で夜通しかけて輸送するシステムがありました。

しかし、輸送手段が車に代わり60年ほど前から使われなくなったこの道は、深い森の中に姿を消しました。 2016年以降、12名のメンバーを中心に3年間かけて、古い文献、古地図、道標などを参考に一本の細い道が同定され、改めて「備中とと道トレイル」と名付けられました。

当協議会では、現代に蘇ったこの「歩く遺産」を後世につなぐため、安全に歩くための草刈り、百近い新道標の設置、ガイドブックの発行、ウォーク大会などを実施し、500人以上の方が再発見されたこの古道をすでに歩かれました。そして昨年、この活動が「プロジェクト未来遺産」として登録されました。

この度の登録を受け、7月6日(土)に開催した登録証伝達式では、沿道の行政関係者を代表し、高梁市長から「備中とと道を活用した地域振興を沿道市町が連携して応援したい」とのお話がありました。第2部の「備中とと道トレイル・サミット」では、民俗学者の神崎宣武氏と未来遺産委員会の西山徳明委員にとと道にまつわるご講演をいただきました。

西山委員は「とと道は、深い山中でも鮮魚を食べたいという人間の欲求に対して、当時としては不可能と思われることを、市民の商売の力が可能にした運搬システム。その道を現代に蘇らせた国内で唯一の流通・往来を示す文化的景観である」と述べられました。

会場には200名を越える皆さまが参集され、終始熱心に耳を傾けておられました。100年後の子どもたちへ伝えることが可能と思えるほどの盛会となりました。皆さまもお近くにお越しの際は「備中とと道」にお立ち寄りください。

3.【事務局からのお知らせ】「プロジェクト未来遺産2024」を8月9日(金)まで募集中

地域の文化や自然の保護・継承に取り組む市民の活動を募集する「プロジェクト未来遺産2024」 の今年度の 応募締切が【8月9日(金)】に迫っております。

たくさんのご応募をお待ちしております。

プロジェクト未来遺産2024チラシ

応募方法などの詳細については、以下のリンクから募集要項をご確認ください。

未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、日本全国に応援の輪が広がることを目指しています。

活動を支える・参加するParticipation to support

私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。

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