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未来遺産運動ニュース’24年9月号増刊:企業と共に地域の自然を未来へつなぐ

2024.09.17

未来遺産運動では、地域の自然・文化の保全と継承を目指して、企業の社会貢献活動などとの連携を進めています。今回は、当連盟とダンロップの協働事業「チームエナセーブ未来プロジェクト」の一環として福井県越前市で実施した活動について、受け入れ団体である「水辺と生き物を守る農家と市民の会」の声をご紹介します。

  7月6日の活動概要

7月6日、福井県越前市で、ダンロップの社員やそのご家族の皆さんとともに環境保全活動に取り組みました。この活動は、コウノトリの生息地を守るための重要な一歩となっています。

ビオトープで草刈り作業を行うチームエナセーブの参加者

野生のコウノトリが国内で最後まで生息していたエリアの一つである越前市西部地域。当会は、かつてこの地に舞っていたコウノトリを呼び戻したいという想いのもと、無農薬無化学肥料でのお米づくりなど、人と生き物が共生する里地里山づくりに取り組んでいます。この活動は、「越前にコウノトリを呼び戻す田んぼファンクラブ」として、2012年度に「プロジェクト未来遺産」にも登録されました。

今回の活動では、コウノトリの餌場となる水辺環境の整備を目的に、旧武生第五中学校跡地のビオトープで草木の除草や水路の泥上げなどを行いました。上流からのきれいな水の流れを確保し、カエルやドジョウ、絶滅危惧種のアベサンショウウオなど、さまざまな生き物が住みやすい環境を整えます。

ビオトープ周辺の雑木を取り除くチームエナセーブの参加者

高齢化が進む当会メンバーだけでは難しい整備作業も、ダンロップの皆さんの協力で無事に進みました。暑さに加えて、雨も強まる中での作業でしたが、参加者の皆さんの姿は会のメンバーにとって大きな励みとなりました。

  これまでの成果と今後の展望

長年活動を続けてきたことで、県外や都市部からの参加者も増え、最近では女性や大学生がメンバーに加わってくれました。また、今回のような企業との連携が進むことで、活動がさらに発展することに期待しています。

越前市では、市を挙げてコウノトリの野生復帰への取り組みを推進してきた結果、飛来数は年々増加。近年では、毎年のように市内で繁殖が確認され、生まれ育ったヒナが巣立っています。

田んぼ周辺で見られるコウノトリのペア(写真提供:福井県)

当会では、今後も、地域住民や地元の子どもたちへの積極的な働きかけや、企業との連携を図りながら、コウノトリが安心して暮らせる環境づくりに貢献していきたいです。

未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、日本全国に応援の輪が広がることを目指しています。

活動を支える・参加するParticipation to support

私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。

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