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未来遺産運動ニュース2025年2月号

2025.02.03

日本ユネスコ協会連盟は、日本の豊かな自然や文化を100年後の子どもたちに伝えていくことを目指し、未来遺産運動を行っています。全国に87ある「プロジェクト未来遺産」では、地域の自然や有形・無形の文化を守る多様な活動が展開されています。

各地域の「プロジェクト未来遺産」のイベント情報・活動報告は以下をご覧ください。


イベント情報

活動報告

1. 和白干潟を守る会/「第36回和白干潟まつり」は大成功でした!

2. 沼須人形芝居あけぼの座/「人形芝居子ども教室」の成果発表会

3. 備中とと道トレイル推進協議会/ 備中とと道トレイル推進協議会からの活動報告

ピックアップ

「萩まちじゅう博物館」20周年を迎えて

イベント情報


※各団体から提供された情報を掲載しています。内容は掲載日時点のため、最新情報は各団体のウェブサイト等をご確認ください。参加申し込みや行事に関するお問い合わせは、各団体へご連絡ください。

1. 「2月の和白干潟クリーン作戦と自然観察」参加者募集

(開催日)2月22日(土)15時~17時

(場所)福岡県福岡市

和白干潟を守る会からのご案内

和白干潟を守る会では毎月「和白干潟クリーン作戦と自然観察」を実施しています。干潟には、人が海や川に捨てたゴミなどが流れ着きます。唐原川河口近くの通称「海の広場」周辺のゴミを拾い、きれいになった浜辺で自然観察を楽しみます。

学生や社会人など幅広い年代の参加を歓迎します。ご興味のある方は当日現地にお集まり下さい。

集合場所:和白干潟海の広場(福岡市東区和白4丁目)

※西鉄電車唐の原駅下車 徒歩5分

※駐車場なし

参加料:無料 

2. 『小松姫物語』公演のお知らせ(「老神温泉びっくりひな飾り」期間中開催)

(開催日)2月22日(土)、2月23日(日)

     11:00~/14:00~の2回公演(各回30分程度)

     ※「老神温泉びっくりひな飾り」は2月15日(土)~3月23日(日)まで開催

(場所)利根観光会館(群馬県沼田市利根町老神607-1)

(出演団体)沼須人形芝居あけぼの座

沼須人形芝居あけぼの座からのご案内

毎年この時期に、群馬県沼田市の老神温泉街で開催される「老神温泉びっくりひな飾り」。当座では、期間中の2月22日(土)及び2月23日(日)の2日間にわたり、メイン会場となる利根観光会館で創作演目『小松姫物語』の公演を行います。

実はこのイベント、初代沼田城主であった真田信之の妻、小松姫にゆかりがあり、小松姫の墓所がある埼玉県鴻巣市とのタイアップにより実施されています。史実をもとに、勝気と言われている小松姫ですが、本当はとても心優しい姿を、小学生から大人までの座員が一丸となり、心を込めて演じます。

会場には、県内外より集められた、およそ7,000体を超えるひな人形も飾られますので、この機会にぜひ足を運んでみてください。

入館料(運営協力金):100円

3. 「備中とと道トレイルウォーク大会」参加者募集

(開催日)下記のとおり

(場所)岡山県笠岡市、井原市、高梁市、小田郡矢掛町

備中とと道トレイル推進協議会からのご案内

「備中とと道」は、岡山県の笠岡市金浦から吉備高原山中の吹屋へと続く全長60kmの山道で、一気に歩くのはなかなか大変です。このため協議会では、この道を実際に歩き、沿道の歴史や文化、自然に触れていただくことを目的に、今年は計3回にわたり「備中とと道トレイルウォーク大会」を開催します。3つの異なるコースをご用意し、歩き慣れたガイドがご案内します。途中、舗装道路が10kmほどにわたって続く場所もあり、そうした場所は伴走のバスに乗車する通称ハイブリッドウォークで進みます。

【開催予定日とコース】

① 3月15日(土)  春の瀬戸内沿岸丘陵と里山を楽しみます。        

笠岡・金浦→美星・三山 27km(バス+ウォーク/金浦発9:00 所要6時間半)

② 4月19日(土) 春らんまんの吉備高原をゆったり歩きます。

美星・三山→成羽 16.5km(バス+ウォーク/ 三山発9:00 所要4時間半)

③ 5月17日(土)  急坂を下る比較的ラクチンコースです!

吹屋→成羽 17.5km(バス+ウォーク/吹屋発9:00 所要5時間)

参加費:1名5,000円 

※初回参加の場合は、別途会費1,000円がかかります。

申込期限:各開催日の1ヶ月前まで

お申し込み方法などの詳細はチラシをご確認ください。

■チラシ

「備中とと道トレイルウォーク大会」のお知らせ

活動報告


1. 「第36回和白干潟まつり」は大成功でした!

(プロジェクト名)博多湾・和白干潟の自然保護活動

■ 和白干潟を守る会からの報告

当会では、毎年、渡り鳥がたくさんやってくる季節に、和白干潟の豊かな自然を多くの人に知ってもらい、自然保護の大切さと開発のあり方を考えてもらうことを目的に、グリーンコープ生協ふくおか福岡東支部との共催で「和白干潟まつり」開催しています。

開催当日の11月17日は、お天気は曇り時々晴れ、一時小雨で不安定でしたが、暑くもなく寒くもなく程よい気温でした。約520名の参加があり、特に子どもたちが多く参加してくれたのがうれしかったです。

午前のバードウォッチングでは、お子さんから年配の方まで50名が参加し、望遠鏡を使って熱心に観察。全部で60種の鳥たちが確認できました。子どもたちには、お魚水槽展示や、ヒトデ、ウニなどに直接触れるタッチプールも人気でした。その他、植物観察や、干潟の生きもの観察、自然界での「保護色」や「擬態」をゲームで体感する自然遊びなどにも、たくさんの方に参加いただきました。

特に、和白干潟に向かって「僕らはみんな生きている」と「海」を大きな声で歌いながら踊る「手をつないで」のイベントには2重3重もの参加者の帯が出来て、みなさんの協力する気持ちが感じられました。

最後に、干潟の清掃を行い、海の広場の前のアオサなどをソリで12杯分回収して、閉会式で締めくくりました。当会のメンバーは、1年に1回会う方々に懐かしく挨拶したり、反省会、後片付けなど最後まで力を合わせて頑張りました。

当日の詳しい様子は当会ホームページに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。


2. 「人形芝居子ども教室」の成果発表会 地域の宝をみんなで守る

(プロジェクト名)沼須人形芝居継承者プロジェクト~江戸時代の技を今につなぐ~

■ 沼須人形芝居あけぼの座からの報告

昨年12月22日、沼田市保健福祉センターで「人形芝居子ども教室」(令和6年度文化庁伝統文化親子教室事業)の成果発表会を行いました。

当日は、小学1年生から大学生までの子どもたちが全員参加し、総勢33名による沼須人形勢揃い版の『寿式三番叟』で開幕。出番のない人形や、幕引きだけの参加となってしまう子がいたことを反省し、地域の宝をみんなで守っていくことに価値があるのではないかと考え直しての今回の新たな挑戦です。

続けて、特別講師としてお招きした宮代栄一さん(朝日新聞社東京本社編集委員/博士(史学))に、「伝統を伝えるということ 」というテーマで、公演をするだけでなく自分たちの根っこはどこかを立ち止まって考えることの意味についてお話しいただきました。

後半は、子どもたちによる『日高川入相花王』に続き、『傾城阿波の鳴門』でも大学生が義太夫三味線を弾き、小学生が鳴門のお鶴ちゃんを語ったり、低学年の子どもたちによる解説や開始前の東西声など、子どもたちだけで演目の8割以上を回すことができました。

子どもたちは今回の発表に向けて、自分なりに台本に書き込み、毎日欠かさず練習し、保護者からは「今までゲームばかりしていたけれど、役割に集中して子どもが自分と向き合っている姿をみることができた」などの声がきかれました。

お越しくださった皆さまの温かい目、優しいお言葉の数々や、子どもたちの根っこだけでなく、座員同志の根っこの繋がりの強さ、信頼関係のありがたさに感謝した時間となりました。


3. 備中とと道トレイル推進協議会からの活動報告

(プロジェクト名) 歩こう子どもたち!~未来につながる「備中とと道」~

■備中とと道トレイル推進協議会からの報告

明治から昭和初期にかけて、岡山県笠岡の魚市場で競り落とされた鯛やぶりの鮮魚を、北方60kmの吹屋銅山に夜掛けで届ける人力輸送システムがありました。しかし大正末期、車社会の到来と共にこの道は備中の森の中に姿を消しました。私たちは2017年にその道を「備中とと道トレイル」として復活させ、昨年、この活動を「プロジェクト未来遺産2023」に登録いただきました。

毎年11月には大がかりな草刈りをし、12月から5月にかけて、ガイド付きのウォーク大会を計4回実施。これまでの累計で600名を越える方が歩かれています。

今年の1月18日には、スタート地点の笠岡市金浦地区に、「夢街道ルネサンス」認定及び「プロジェクト未来遺産」登録を記念して、石碑とパネルを設置。会のメンバーや関係者など総勢約30名にご参加いただき除幕式を実施しました。

除幕式後は、児童代表として除幕式に参加してくれた小学生2名やそのご家族などとともに、助実地区のとと道を実際に30分かけて歩くプチウォークを実施しました。参加者は、ここでは今でも毎晩常夜灯に灯がともされることや、貝塚ではあたりに散らばっている貝が4千年前のハイガイの化石であることなど、現地ガイドの説明に耳を傾けていました。

今後も当協議会では、40kgの鮮魚を担ぎ吹屋を目指した魚仲仕に思いをはせ、道中の自然、歴史、文化を楽しみながら歩き、この道を踏み固め、未来の子どもたちに伝えるために活動していきます。

ピックアップ


「萩まちじゅう博物館」20周年を迎えて(2025.1.24配信記事)

山口県萩市で、まち全体を屋根のない博物館とみなし、地域のおたから(文化遺産)を保存・活用し、次世代に伝える「萩まちじゅう博物館」。昨年20周年を迎えたこの取り組みを、行政と協働し、市民側から支えてきたNPO萩まちじゅう博物館の声をお届けします。

記事の詳細は下記のリンクをご覧ください。

「萩まちじゅう博物館」20周年を迎えて【未来遺産運動ニュース】

未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、全国に応援の輪が広がることを目指しています。

活動を支える・参加するParticipation to support

私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。

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