地域の伝統文化・小鹿野歌舞伎を子どもたちへ継承する取り組み紹介【未来遺産運動】
地域の文化や自然の保全・継承に取り組む市民の活動を登録する「プロジェクト未来遺産」。今回は、2024年度新たに登録された4つのプロジェクトのうちの一つ、「小鹿野歌舞伎継承プロジェクト」(小鹿野歌舞伎保存会)を紹介します!
本プロジェクトは、埼玉県秩父郡小鹿野町の6地域に伝承された小鹿野歌舞伎(県指定無形民俗文化財)を、氏子以外にも門戸を開き、小中学校生の参加を募る「子ども歌舞伎」の実施や、地元小中学校での指導、裏方の養成講座の開催などを通じて、歌舞伎に必要な技芸や技術を総合的に継承する取り組みです。
多くの町民が役者経験者、町民で創り上げる小鹿野歌舞伎
小鹿野歌舞伎は、今から約200年以上前の江戸時代後期に、江戸歌舞伎がこの地域に伝えられたことが始まりとされています。それ以降、庶民により芝居小屋や神社の祭礼で演じられる地芝居として、現在も町内6地域で伝承され、全国的に珍しい女性だけの歌舞伎一座も含まれています。

現在も年に6回は、各地域の神社祭礼などで必ず歌舞伎が演じられています。山車(だし)に張出・花道を設けた「屋台歌舞伎」は、床面積が4倍にも広がる設計で、大人の役者が演じても十分な広さと豪華さを誇るのは、全国的にもこの秩父地方のみと言われています。多くの町民が役者経験者であり、義太夫、衣装、かつら、大道具、化粧などすべてを町民で賄うことができるのが特徴です。

裾野の広い地歌舞伎の伝承
小鹿野歌舞伎保存会では、神社祭礼時に氏子が中心となり歌舞伎を奉納する伝統的な形態の継承を、演技指導や道具・音楽などを通じて支えながら、一般市民向けに芸能祭や国内外での上演など、一年を通じて披露の場を設け、広く発信しています。 近年、「子ども歌舞伎」に、その卒業生20代2名が指導者に加わり、新しい体制のもと伝承されていることや、中学校生徒有志による「鹿中歌舞伎座」、町の歌舞伎入門教室の卒業生によって結成された「歌舞伎サークルうぶ」など、多くの町民が小鹿野歌舞伎を担い、次世代に伝承する体制が築かれています。

2月28日に登録証伝達式を開催
この度、以下の日程で「プロジェクト未来遺産2024」登録証伝達式を開催します。 周辺地域の皆さまやご関心のある方など、どなたでもご参加いただけます。多くの皆さまのご来場をお待ちしています。
日時 2025年2月28日(金)18:00~
会場 小鹿野文化センター 大会議室(埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野167-1)
参加費 無料
参加方法 小鹿野文化センター(TEL:0494-75-0063)に、電話にてお申込みください
主催 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟 、小鹿野歌舞伎保存会
プロジェクトの詳細はこちら:
小鹿野歌舞伎継承プロジェクト – 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、全国に応援の輪が広がることを目指しています。