未来遺産運動futureheritageitem

地域の伝統芸能「寺崎のはねこ踊」を次世代へ継承する取り組み紹介【未来遺産運動】

2025.03.21

地域の文化や自然の保全・継承に取り組む市民の活動を登録する「プロジェクト未来遺産」。2024年度新たに登録された4つのプロジェクトのうちの一つ、「『寺崎のはねこ踊』保存・伝承プログラム~先人の財産を未来へ~」(寺崎はねこ踊り保存会)を紹介します!

本プロジェクトは、宮城県石巻市の旧桃生町永井地区が発祥とされ、現在は市内の寺崎地区でのみ継承される「寺崎のはねこ踊」(県指定無形民俗文化財)を、4年に一度の「寺崎八幡神社大祭典」での奉納のほか、地元小中学校などでの踊りの指導や、市内外での公演活動など、積極的な後継者の育成と普及活動を通じて次世代に継承する取り組みです。


寺崎地区にのみ現存する「寺崎のはねこ踊」

はねこ踊りは、江戸時代に豊作に歓喜した人びとが神社に詣で、踊り跳ねたことが始まりとされています。かつては旧桃生町一帯で行われていましたが、時代の変化とともに衰退し、現在は昭和初期に寺崎地区に広まったものが「寺崎のはねこ踊」として唯一現存しています。軽快な踊りと徐々に早くなる曲調にあわせて乱舞する舞いが特徴で、田植えや稲刈りなどの所作が見られます。

4年に一度開催される「寺崎八幡神社大祭」で、神輿渡御に随行し、囃子に合わせて、50名にもおよぶ踊り手が縦3列に並び、躍動的に踊りながら進みます。鋲打太鼓と締太鼓、笛、鉦を伴奏に、鮮やかな衣装を身にまとった大勢の踊り手が軽やかに踊る姿が披露されます。

田植えや稲刈りなどの所作を取り入れた躍動的な舞いが特徴

地域振興の核として、地域全体ではねこ踊りを次世代に継承

寺崎はねこ踊り保存会では、この地域の貴重な伝統芸能を次世代へ継承するため、1974年以降、50年以上にわたり地元小中学生での踊りの指導を継続しています。後継者の育成だけでなく、子どもたちに伝統に触れる機会を提供し、豊かな人間性の形成にも力を注いできました。現在では、学芸会や運動会などの学校行事として定着し、地域の伝統文化として子どもたちに親しまれています。

また、地区の人口減少に伴う担い手不足が課題となる中、1993年にスタートした「ものうふれあい祭~はねこ踊りフェスティバル in 桃生~」に協力し、毎年のパレード参加や各参加団体への指導を行っています。

さらに、地元のみならず地域を超えた継承活動にも力を入れ、県外の教育機関や自治体、企業グループなどへの指導や、県内外からの多くの上演依頼に応え、参加者の裾野を広げながら伝統芸能の継承と地域振興を視野に入れた取り組みを行っているのが特徴です。

市内で毎年開催される「石巻川開き祭り」で優雅に舞う踊り手たち

3月29日に登録証伝達式を開催

この度、以下の日程で「プロジェクト未来遺産2024」登録証伝達式を開催します。周辺地域の皆さまやご関心のある方など、どなたでもご参加いただけます。多くの皆さまのご来場をお待ちしております。

日時 2025年3月29日(土)14:00~

会場 石巻市桃生公民館(宮城県石巻市桃生町中津山字江下10)

参加費 無料

参加方法 直接会場にお越しください。※事前の申し込みは不要です。

主催 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟、寺崎はねこ踊り保存会

プロジェクトの詳細はこちら:

「寺崎のはねこ踊」保存・伝承プログラム~先人の財産を未来へ~ – 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

未来遺産運動では、多くの方々に身近な地域や全国各地の「プロジェクト未来遺産」に関心を持っていただくことで、地域を越えた新たなつながりを生み出し、全国に応援の輪が広がることを目指しています。

活動を支える・参加するParticipation to support

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わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。

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