【活動報告】カンボジア・識字クラス修了式
カンボジアの寺子屋では現在、2022年度の教育プログラムの準備が進んでいます。
中でも15歳以上の成人向け識字クラスは、国内の識字率が改善(※)しているにもかかわらず、学習機会を得られずに取り残されてきた人びとのため、世界寺子屋運動の始まりから現在も、中心的な活動の一つです。
(※)カンボジアの識字率は全国平均80.5%。(UNESCO)
2021年度は、11軒の寺子屋で合計20クラス行い、498人(女性373人)の人びとが読み書き計算を学びました。そのうち、3回にわたるテストの結果、全体の89%にあたる445人(女性343人)が合格しました。合格者には、政府が識字教育修了者であることを認定する修了書が贈られます。
ポペル寺子屋(18軒目)では2クラス・50人が参加し、48人が合格したのを受けて、関係者が集まって修了式を行いました。
学習者を代表して挨拶したファン・ソムオウンさんは「識字クラスに参加できて、とてもうれしかったです。クラスを終えて、以前と比較にならないくらい読み書きをこなすことができています。支えてくれた皆さんに感謝します」と話してくれました。
ポペル寺子屋運営委員会・教育担当委員のケオ・ヴィラさんは「学習者の皆さんは、クラスに参加して大きく変わりました。身だしなみを整え、より勤勉になって、クラスの出席率もよかったです。今後も学び続けてください」と参加者に語りかけました。続けて、ポペル寺子屋は2022年度も2クラスを予定し、さらに多くの人たちが学ぶ機会を得ることに希望を持っているとスピーチしました。
また、行政を代表して、シェムリアップ州ソニコム郡教育局のソク・ヘンさんより、日本からの支援がコロナ禍にもかかわらず継続していることへの深い感謝も述べられました。
識字教育はすべての学びの土台をなすもので、その重要性は「識字教育を受ける権利は、教育を受ける権利に内在する(UNESCO)」とも表現されます。他方で、世界の教育分野の課題は複雑化し、特に成人向けの識字の優先度は相対的に低下している側面もあります。
世界寺子屋運動ではその傾向も踏まえて、識字プログラムを柱の一つに位置付けて継続しています。
引き続き、あたたかいご理解とご支援をお願いいたします。