ネパール大地震現地報告⑤ 職業支援と奨学金
日本ユネスコ協会連盟では皆さまからのご支援で2015年4月に起こったネパール大地震の復興支援活動をカトマンズ近郊の4軒の寺子屋(コミュニティー学習センター:CLC)を通じて実施しています。
復興支援活動では、被災した地域の人びとへの就業支援・職業訓練、奨学金の提供、防災教育やカウンセリング、緊急時のための備品の購入、寺子屋の再建と補修を実施しています。
今回は、就業支援・職業訓練と奨学金事業についてご報告いたします。シディプール寺子屋の近くのサトヤさんは仏像などの金属加工の仕事をしていました。しかし、地震で家が倒壊し、使っていた道具も破損していまいました。現在は日雇労働で生計を立てていますが、新しい道具を購入して以前の仕事に戻りたいという希望がありました。復興支援活動では近くサトヤさんの仕事道具の購入を支援すると共に、地域の人びとの希望に沿って裁縫クラスや開店資金の提供などを実施します。
金属加工の仕事を始める予定のサトヤさん ティーショップを開店予定のカマラさん
また、被災した子どもたちへの一時的な奨学金の提供を始めました。アマラプール寺子屋の近くに住むシジャン・マハージャンくんは中学校1年生。今は仮設住宅に住んでいます。お父さんはもともと足に障がいがあり、震災後は働けない状態にあるため、復興支援活動ではシジャンくんの学費や学用品を支援しています。「文房具などの支援をしてもらい非常に助かっている」とお父さんは言います。このように仮設住宅に住んでいる、親が地震で失業してしまった、一人親の世帯の子どもたち(小学校から中学生が中心)29人に奨学金を提供しています。
制服や文房具代、私立の学校の場合には授業料などの支払いに活用され、大変喜ばれています。
シジャンくんとお父さん
現場でのニーズを最優先に、カトマンズにある4軒の寺子屋を通じて2017年1月まで復興支援活動を継続いたします。