世界寺子屋運動、ミャンマーで開始!
2017年度から「ユネスコ世界寺子屋運動」ではミャンマーへの支援を開始しました。
現地パートナー団体・ミャンマー識字リソースセンター(ヤンゴン)
4月から7月までの教員研修などの準備期間が終わり、8月から就学経験がない、または小・中学校を中途退学した10~17歳の青少年480人(女子287人)を対象にした授業が始まっています。
内容は「識字・読解力促進」「算数」「保健衛生」「生活スキル」です。生活スキルでは、話し合いによる問題解決ができたり、病気感染や犯罪を防ぐために必要な行動がとれたりすることなどを目的に、幅広いテーマを扱います。伝統的に暗記教育中心であったことなども踏まえ、若者が適切な知識を持ち、自律的に仕事や生活ができることを目指しています。
オクトゥイン・タウンシップ アウンギー村にて
ミャンマーの識字率は93%と比較的高い一方、識字者の基準(小学校2年生程度)が国際的な標準(小学校4年程度)に比べて低く、半数近い国民が中学校卒業までに退学してしまうことなどから、基礎教育の拡充が政府の重点課題となっています。
特に貧困のため中途退学して働かざるを得ない若者たちは、十分な知識やスキルを得られず社会に出るため安定した仕事に就くことが難しく、人身売買やドラッグなどの犯罪やHIV/AIDSに代表される病気などの危険にさらされています。
対象地は、ヤンゴンの北に位置するバゴー地方域の4地域(タナットピン、オクトゥイン、ポカウン、パウンデーの4タウンシップ)です。今年度は対象地域の29村に住む中途退学者1139人(ミャンマー識字リソースセンター調べ)全体の42%をカバーします。日中働いている学習者たちのため、クラスは夕方4~6時や夜7~9時などに開かれます。
ミャンマー識字リソースセンター職員と現地関係者
(タナットピン・タウンシップにて)
プロジェクトは、現地のノンフォーマル教育実施団体「ミャンマー識字リソースセンター」と協力して実施します。なお、当面は寺子屋建設を行わず、学校の教室や僧院など既存の施設を使用します。今後、将来的な建物支援のニーズも見極めながら展開する予定です。
学校に行けない若者が一人でも多く再び学べるよう、また、現地の新たなニーズにも応えられるよう、皆さまの温かいご協力をお願いします!