カンボジアの新学期である11月、2016年からの2年間、寺子屋で学習してきた子どもたち76人が、めでたく中学校に入学しました。

中学校の授業風景

　寺子屋を卒業した子どもたちには、「進学支援プログラム」が始まります。主な内容は「学用品の支給」「補習」「面談などのフォロー」で、中学校入学後に再び退学することなく、学び続けられる環境をつくるものです。

　カンボジアの学校で入学式・卒業式はまだ一般的ではありませんが、現地では子どもたちと保護者の方々を招き、「初等教育修了証 授与式・兼・進学支援プログラムキックオフ（学用品等の贈呈式）」を行いました。

ルエル寺子屋卒業生に、郡ノンフォーマル教育局長から
中学校制服・通学バッグ・学用品が手渡された

　カンボジアでは小学校就学率はほぼ100%ですが、中途退学のため修了率は72%にとどまります。就学率は学年が上がると更に低くなり、中学校は56％、高校では25%です。（カンボジア教育省・2016-17）

　寺子屋卒業生たちには、中学校で大幅に増える教科数と、内容の高度化という大きなチャレンジが待っています。そして成長とともに家族の世話や家事、農作業の手伝いにも家族からの期待が高くなります。

　キックオフでは、ノンフォーマル教育局長と進学先の校長先生から「中学校に通えない子どもはたくさんいる中、皆さんは日本から支援を受けてここにいる。この幸運を忘れず、今まで以上の努力を続けてください」など激励の言葉が贈られました。

修了証を手に笑顔のトレイニョル寺子屋卒業生たち
「中学校卒業目指して、頑張ります！」

　引き続き、「世界寺子屋運動」で未来に向かって学ぶ子どもたちへの応援をお願いします。