国際識字デーイベント「読み書きの力が、生きる力に」
9月7日(金)、東京・新宿区で「国際識字デーイベント」が開催されました。
イベントには、当連盟カンボジア事務所のノン・ブッタ所長とソウム・サベット職員が参加し、寺子屋の識字教室運営やカリキュラムなどに触れながら、カンボジアの識字教育について講演しました。
講演するブッタ所長
15歳以上で、ほとんどの人が仕事や家庭を持つ識字学習者のニーズを満たし、生活環境に合った識字教育を行うため、「学習内容」「場所」「教員の条件」「欠席が続いた学習者へのフォロー」など、運営のあらゆる面で、行政や、村と地域住民を熟知した寺子屋運営委員が関わっています。
学習内容は、一般的な小学校の国語とは異なります。学習者が自分や家族の命と健康を守り、生活を向上させる方法を学べるよう、テーマは「飲食と衛生」「子どものためのワクチン」「貯蓄」など幅広く、全127課に及びます。修了すると、小学校4年生程度の読み書き能力が認められ、州教育局から認定書が授与されます。
カンボジアの識字教科書
ブッタ所長の講演では、識字クラス卒業後、洋服の仕立ての研修を受けることができたことから、自宅で仕立屋を始めた女性のインタビュー映像も紹介されました。
「読み書きができないとノートがとれないし、計算ができないと採寸ができない。きっと仕立てを学ぶこともなかったと思う。」と語っていました。
参加者からは「識字教科書の内容が思ったよりレベルが高そうで、難しい内容を学んでいるのだと知った」「学習者へのフォローも大切なのだと分かった」など、識字が生活や仕事に直結していることや、運営の仕組みについての感想が聞かれました。
世界では現在も約7億5,000万人、15歳以上の人口の約6人に1人が読み書きできないと言われています。来年30周年を迎えるユネスコ世界寺子屋運動では、引き続き世界の識字問題の改善に取り組みます。皆さまからのご理解、ご協力をお願いします。