『国際識字デーイベント2017 -読み書きの力が、生きる力に』が盛況のうちに開催されました。
9月8日(金)、『国際識字デーイベント2017 -読み書きの力が、生きる力に』(主催:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会・公益社団法人日本ユネスコ協会連盟・公益財団法人ユネスコアジア文化センター、共催:上智大学 グローバル教育センター・国際協力人材育成センター)が、上智大学6号館で開催され、43人の参加者においでいただきました。
まず発表を行ったのは、14歳の時にベトナムから日本に来た、レー・ティ・ニャ・ウィンさん。中学校時代は、先生の話のどこが始まりでどこが終わりか全くわからず、国語の時間の漢字は苦痛で文法もできなかったそうです。高校に進学すると、漢字もある程度覚えたため国語の点数も上がって、日本語も理解でき友達も増えたことで、学習する気持ちに火がついたとのこと。現在は東京薬科大学で学んでいます。
次に発表をしたのは、カンボジアで成人してからクメール語の読み書きを学んだ、スグォン・ソパルさん。ソパルさんは1990年に小学校を中退したあと、2007年に寺子屋の識字クラスに通い始めました。今では幼稚園の先生をしていたり、図書館の運営に携わったりと大活躍。村の皆や家族が敬意を持って接してくれるようになったそうです。
お二人の発表を専門的な立場から解説してくださったのは、上智大学の丸山英樹先生。学校に通えない女子や非識字の女性の割合を世界地図で示し、私たちが「バランスの悪い世界」に住んでいることを指摘いただきました。そして、このような世界の中にいながら、「生涯をかけて学ぶことが楽しく、大好きになる」ことの意味を、ウィンさんとソパルさんの発表から読み取っていただきました。また、日本も他の国に依存している状況であり、日本の人びとの関わり方について引き続き考えていこうという提言をいただきました。
参加した方からは、「実際に識字の問題にぶつかり、克服された方のお話しが聞けたことが良かった」、「日本語を学んだり、自国語を学んだりして、自分のキャリアを切り開いた姿を知って、明るい気持ちになりました」といった声が寄せられました。国際識字デーイベントは来年以降も開催を続ける予定です。