ミャンマー寺子屋プロジェクトレポート タナットピン・タウンシップ カヤン(Kha Yan)村
世界寺子屋運動のミャンマー支援が始まって、3年が経過しようとしています。
この3年間は、ミャンマーの教育分野の最大の課題の一つである、小中学校での中途退学者を対象とした継続教育プログラムを実施しました。授業の柱となる内容は「読解力促進(識字)」「算数」「保健衛生」「生活スキル」です。
最大都市ヤンゴンから車で北に約2時間離れた、カヤン村のクラスの様子です。
午前11時頃、17人の生徒と、2人の先生、クラスのサポート役である住民組織「継続教育プログラム委員会」の大人たちも集まっていました。この日は「保健衛生」の授業で、伝染病に関する復習が行われていました。
今年度この村が選ばれた背景には、昨年度実施された村の話を聞いた住民からの、「是非カヤン村でも実施してほしい!」という熱い要望がありました。
働く生徒たちが利用しやすいよう、通常、継続教育プログラムの授業は夜間に行われます。しかしカヤン村では自主的に「午前シフト」が設定されていました。クラスの大部分を占める女の子たちが、夕方に空心菜を採って早朝に市場に売りに出るため、村人と先生たちの話し合いで決められました。
教員のティンティンモーさんによると「このクラスが女子ばかりなのは、中途退学の子どもが学べる村の僧院があっても、男の子が優先されて女の子の行くところがないから」だそうです。また、幼い時のポリオの後遺症を抱える子どももいましたが、そういった身体に障がいのある子どもが学べる場所も、今まで他になかったそうです。
ウ・タンチョー委員長は「ここの生徒たちには今後、職業訓練など、これからも学び続け、良い大人に成長してほしい」「もっと多くの村で、同じような環境にある子どもたちが学べることを願っている」と語ってくれました。
引き続き、皆さまからのご支援をお願いいたします。