南インドにおいて洪水被害後の教育支援を実施
日本ユネスコ協会連盟では、2002年から2012年まで南インドのカルナータカ州ゴカックにおいて「世界寺子屋運動」を実施してきました。プロジェクトでは35軒の寺子屋(CLC)を設立し、3万人以上が識字や小学校クラス、職業訓練を受けることができました。また、170以上の女性の貯蓄グループが組織化されました。現在では、地域の人びとが自立的に寺子屋の運営を続けています。
そのゴカックを含むカルナータカ州を2019年8月に未曾有の豪雨と洪水が襲いました。多くの村が浸水し、学校や寺子屋も被害を受けました。
日本ユネスコ協会連盟では、かつてのパートナー団体であるBIRDSからの要請を受け、被害が大きかった10村の小学校や寺子屋を2019年9月から12月まで支援しました。
文房具を失った生徒が多かったため、21校の小中学校の4,693人に通学バッグや文房(筆記用具やノート)を提供したほか、特に被害が大きかった10校に地球儀や地図、スポーツ用品などを支援しました。また、水に浸かった寺子屋10軒の補修を行い、外壁の塗装や割れたガラスの交換などを行いました。
通学バックや文房具を受け取った生徒のひとりは、「通学カバンが使えなくなったので、教科書をビニール袋に入れて学校に行っていました。すごく嫌でした。でも今はプライドを持って通学できます。」と語ってくれました。
「世界寺子屋運動」では、一方的な資金援助ではなく相互理解や交流も目指しています。東日本大震災の際には、インドの人びとから数十万円の募金が届けられました。今後も、現地との交流を継続していければと思っています。