【新型コロナ支援】カンボジアの寺子屋が第2波を防ぐ拠点に
新型コロナウイルスの感染拡大は、未だ世界的な収束の見通しが立っていません。特に未知のウイルスに対する医療体制に不安のある途上国では、人びとに対して常に警戒が呼びかけられています。
カンボジアでは、9月2日現在、累計感染者数273人(死者0)。約2週間連続で、新たな感染者が出ていません。しかし、感染事例のほとんどが外国由来で市中感染が比較的少ない分、人びとの油断が懸念されます。今後、農村部に感染が広がってしまう事態を防ぐため、適切な対策が求められます。
世界寺子屋運動の対象地域であるシェムリアップ州で7月、18軒の寺子屋を会場に、新型コロナウイルス予防のための研修会を行いました。対象は、各寺子屋の地元の村から選ばれた運営委員や識字クラスなどを受け持つ先生たち197人(うち女性81人)です。
実施には、シェムリアップ州保健局の協力を得て、衛生教育の教材とポスターも制作しました。新しい様式を取り入れた寺子屋の活動再開のため、マスクや手洗い消毒液などの衛生用品、ゴミ箱、ポスター用掲示板も設置されました。
各寺子屋では8月、研修を受けた運営委員と教員から、村の住民や識字クラスなどの学習者向けに研修会を開き、それぞれ新型コロナウイルスの知識と予防法を伝えました。これからの各寺子屋は、教育活動を再開しながら、地域の感染予防の拠点としての活躍も期待されます。
「予防のための意識啓発は、とても大切です。私たちの村に広がってしまう前に、寺子屋で学ぶ皆さんや村の人たちに伝えることによって、自分たちで防ぐことができるからです。日本も大変な時なのに、手を差し伸べていただいたことに感謝します」