世界遺産委員会速報-世界遺産936件に
2011年6月19日からUNESCOパリ本部にて開催されていた第35回世界遺産委員会が29日に閉幕しました。
今回の委員会では、日本国から推薦していた「小笠原諸島」(自然遺産)と「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群-」を含む自然遺産3
件、文化遺産21件、複合遺産1件の合計25件が新たに世界遺産リストに登録されました。2011年6月現在、世界遺産は、自然遺産183件、文化遺産
725件、複合遺産28件となり、合計936件となりました。
小笠原諸島に生息するメグロ
中尊寺金色堂
また、危機遺産に登録されていたマナス自然保護区(インド)が危機的な状
況を脱したとして同リストから削除されました。新たに密猟や不法な伐採等の危機により「スマトラの熱帯雨林遺産」(インドネシア共和国)と「リオ・プラタ
ノ生物圏保護区」(ホンジュラス共和国)の2件が危機遺産リストに登録され、合計35件となりました。特にホンジュラス共和国の遺産は、その他にも登録地
内における麻薬の取引や秩序の低下によって、保全管理が困難であるとの理由から締約国側から申請されました。
バルバドス共和国とアラブ首長国連邦の物件は、今回初めて登録が決まり世界遺産条約を締結している187カ国のうち、世界遺産を保有する国は153ヵ国となりました。
一方、2009年にスペインのセビリアで開催された第33回世界遺産委員会でも審議され、「情報照会」の決議となっていた、日本の「国立西洋美術館(本
館)」を含む「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献(Architectural Work of Le Corbusier,
an outstanding contribution to the Modern Movement)※1」
は、審議の結果「記載延期」との決定が行われました。
<新規登録物件> ※2
文化遺産(21件)
・Historic Bridgetown and its Garrison:バルバドス:(ii)(iii)(iv)
・West Lake Cultural Landscape of Hangzhou:中華人民共和国:(ii)(iii)(vi)
・Coffee Cultural Landscape of Colombia :コロンビア共和国:(v)(vi)
・The Persian Garden:イラン・イスラム共和国:(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
・Konso Cultural Landscape:エチオピア連邦民主共和国:(iii)(v)
・The Causses and the Cévennes, Mediterranean Agro-pastoral Cultural Landscape:
フランス共和国:(iii)(v)
・Fagus Factory in Alfeld:ドイツ連邦共和国:(ii)(iv)
・Longobards in Italy. Places of the power (568-774 A.D.) :イタリア共和国:(ii)(iii)(vi)
・Hiraizumi – Temples, Gardens and Archaeological Sites Representing
The Buddhist Pure Land:日本:(ii)(vi)
・Fort Jesus, Mombasa:ケニア共和国:(ii)(v)
・Petroglyphs Complexes of the Mongolian Altai:モンゴル国:(iii)
・León Cathedral:ニカラグア共和国:(ii)(iv)
・Saloum Delta:セネガル共和国:(iii)(iv)(v)
・Cultural Landscape of the Serra de Tramuntana:スペイン:(ii)(iv)(v)
・Archaeological Sites of the Island of Meroe:スーダン共和国:(ii)(iii)(iv)(v)
・Prehistoric Pile dwellings around the Alps:
スイス連邦, オーストリア共和国, フランス共和国, ドイツ連邦共和国, イタリア共和国, スロベニア共和国:(iii)(v)
・Ancient Villages of Northern Syria:シリア・アラブ共和国:(iii)(iv)(v)
Selimiye Mosque Complex at Edirne:トルコ共和国:(i)(iv)
・Cultural Sites of Al Ain (Hafit, Hili, Bidaa Bint Saud and Oases Areas) :
アラブ首長国連邦:(iii)(iv)(v)
・The Residence of Bukovinian and Dalmatian Metropolitans:ウクライナ:(ii)(iii)(iv)
・Citadel of the Ho Dynasty:ベトナム社会主義共和国:(ii)(iv)
自然遺産(3件)
・Ningaloo Coast:オーストラリア連邦:(vii)(x)
・Ogasawara Islands:日本:(ix)
・Kenya Lake System in the Great Rift Valley:ケニア共和国:(vii)(ix)(x)
複合遺産(1件)
・Wadi Rum Protected Area:ヨルダン・ハシェミット王国:(iii)(v)(vii)
※1
フランス、日本、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチンの共同推薦
※2
「物件名・国名・登録基準」の順番となっています。「登録基準」についてはこちらのページをご参照下さい。↓
https://www.unesco.or.jp/contents/isan/decides.html#c2