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巨大防浪堤を未来へ 〜岩手県宮古市田老の津波防災伝承活動〜
(きょだいぼうろうていをみらいへ~いわてけんみやこしたろうのつなみぼうさいでんしょうかつどう~)
防浪堤2012年5月13日(東日本大震災の津波から1年後)
活動概要・エリア
岩手県宮古市田老地区は明治29年と昭和8年の三陸大津波によって壊滅的な被害を受け、昭和9年から村長の掛け声のもと、村民たちが石を運んで積み上げた最初の防浪堤(防潮堤)が今も残る。
NPO法人津波太郎は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた田老地区の復興支援を推進してきた団体を前身とし、未来に向けた「まちのこし」活動を行っている。その活動は、防浪堤をシンボルとしつつ、津波被害の実態や記憶を記録・伝承し、地元の教育機関と連携した防災教育を主軸とするものである。津波防災の先進地として、海と共存しながらふるさと愛を醸成し、日本そして世界の津波防災・減災の取り組みにつなげていくことを目指している。
フォトギャラリー
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代表者の声
NPO法人 津波太郎
理事長 大棒 秀一
「防浪堤を仰ぎ見よ、試練の津波いくたびぞ、乗りこえたてしわが郷土、父祖の偉業や跡つがん」田老第一中学校校歌3番の歌詞には1933年の昭和三陸津波と防浪堤が歌われています。プロジェクト未来遺産への登録は『父祖の偉業』を伝え、襲い来る津波への備えを子どもたちに伝える良い機会となります。私たちは「津波防災の聖地」を念頭に田老の津波防災の取組、変遷を伝え共有することで、世界の津波防災・減災を目指した活動に取り組んでまいります。
参加者の声
70代男性
S.S.さん
田老は津波常襲地区で、明治と昭和の三陸津波で合計2,770人の犠牲者を出しました。海の幸の豊かなこの地で暮らすための知恵として、昭和三陸津波後に命とまちを守る砦として偉業と言われる巨大防浪堤を作りました。防浪堤は津波を防ぐだけでなく、津波防災・減災のモノ言わぬ語り部として存在を示している。
小学3年生
O.R.さん
とても緊張感がありました。いつもと違う防潮堤でした。命は大切だと思いました。
小学5年生
S.Y.さん
たくさんの人で手をつないで、亡くなった人のことを考えて黙とうをしました。
活動の主な参加者
田老に愛着を感じている地元の有志と地域の小中学生たち