地震が発生した場合の身の安全を図る方法や、白馬村の災害についての歴史を学ぶ

白馬村立白馬中学校

活動に参加した児童生徒数/1~3学年226人
活動に携わった教員数/30人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/2人

実践期間2016年4月1日~2017年3月31日

活動のねらい

本村には断層地帯があり、数年前には神城断層地震(マグニチュード6.7)にみまわれた経験をふまえ、東北の震災や熊本の震災から多くのことを学び、できる限りの備えをしておく必要がある。
減災を目指すプログラムから、できる限り多くの知恵を吸収することを目的に活動していきたい。

活動内容

1)助成活動内容
・避難訓練時に、家屋が倒壊し閉じ込められた経験をした住民の方と、地区の組長として救助活動に当たった後に、避難場所での避難生活をした方に、自助・共助について話をしていただいた。
・学校内に、地区の避難場所を示したものと、村内で起きた災害についての一覧を掲示した。
・年間3回の避難訓練を、より実際に近い状況を設定し、いつもと違った状況の下でも安全に避難できる訓練となるよう改善を進めた。
・被災後の引き渡しについては、急を要することではないので、養護教諭が作成している緊急連絡カードを利用しながら、引き渡しカードを作成する方向で準備している

2)成果 成果① 減災・(防災)教育活動・プログラムの改善視点から
・避難所については、本校から数百メートルのところに、体育館・講堂・会議室等を備えた施設があるので、本校が地区の避難所に指定されることは少ないと思われるが、村の防災計画の確認をしたところ本校が地区の避難場所になっているので、避難後に避難所となったことを想定して準備を進めることを、学校管理責任者と確認することができた。
・助成金で体験者の話を聞く機会を持てたことと、減災のために避難所として必要と思われ る衝立や、学校が被災した時に使えるラジオ等を購入することができた。
・手ぬぐいをかぶって避難することを行ってきたが、安全を図るためにヘルメットの購入を 検討することができた。
・教員の避難指示の善し悪しが生徒の命に関わるので、適切な指示となるようより安全な自 主避難ができるよう、教員が指示を出さない避難訓練を行った。
・決まりきった訓練 を繰り返しがちであったが、防火シャッターを下ろしたり、防火扉を作動させたりして、いろいろな状況を経験させた。その結果、問題点が明らかになり、どう避難したら良いか考える機会となった。
・放送内容についても、「訓練」と「待機しなさい」を「訓練」削除と「避難の準備をしなさい」に変更すれば良いことが確認できた。

成果② 生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・今までは、職員の指示があったが、指示を出さない訓練を実施したところ、避難を開始することができない生徒が多く見られた。反省会の折に自分の判断で避難を開始しなければならないことを、確認することができた。整列をして避難した生徒が、防火扉の枠で躓く姿が多く見られたので、前後の間隔をとって足下に注意をして避難しなければならないことが確認できた。
・地区での助け合いにより、死者がでなかったことを講演会で聞くことで、中学生として災害の時は、しっかり人を助ける行動をとりたいと思った生徒がいた。
・自分の身を守るためには、どうしたらよいのかを考えるようになった。

成果③ 教師や保護者・地域・関連機関等の視点から
・職員がどのような指示を出すかが重要であることから、指示放送から「訓練」「待機しなさい」を、「訓練」を削除「待機しなさい」を「避難の準備をしなさい」に変更した。
・消防署の方から、学校の準備書類の不備を指摘していただいたり、職員の消火活動・救助活動の注意点を指摘していただいたりした。二次災害を防ぐためにも、安全が確保されていない場合は、職員が安易に救助活動や消火活動に携わらないことを確認できた。
・村の防災計画について、学校管理者が確認をとり、避難所としての準備に取りかかることができた。

3)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
・地区全体が大きな被害を受けたことがないために、村内の広い地区が被災した場合の訓練がなされない。近年広い地域に渡る被災の状況から、村内全域での避難訓練を行う必要がある。
・臨機応変に避難する状況を設定して、安全にできたかどうか振り返るなど万が一に備えておくことが必要である。
・避難所として指定された場合の計画を、立案しておく必要がある。避難住宅が撤去されるま  までに二年を要したので、長期にわたって避難所となる場合も考慮して、一刻も早く計画を立案していく必要がある。

活動内容写真

活動において工夫した点

自分の身は自分で守るために、正しい判断を下そうとする姿勢を育てようとした。教室での火災や特別教室での地震や休み時間に生徒が居る場所での火災等の状況を変えて訓練を実践し、最後の訓練時は教員が指示を出さない状況での避難とした。
どこにあっても、自分の身を自分で守ることができるように、正しい判断と行動ができるよう  ことを目標にし、同じ訓練を繰り返すことのないようにすることとした。

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