地域とともにいのちを守る「竜南いのち守り隊」
岡崎市立竜南中学校
活動に参加した児童生徒数/3学年200人
実践期間2014年5月9日~2015年2月20日
活動のねらい
本校では、中学校3年生において、「いのち」をテーマに研究活動に取り組んできた。その中で、地震等の災害に対する切実感から、「いのちを守るために」という命題が生まれ、学習テーマを「竜南いのち守り隊」と題して、地域力の向上と子どもたちの防災・減災意識の向上に向けた活動に取り組むことにした。その目的は、以下に示すとおりである。
防災学習を通して、地域に参画していくことで、郷土への愛着を育てる。
災害発生時に、地域において中学生ができることは何があるかを考え、実行できる力を育てる。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
①「つかむ」段階 防災講話 防災オリエンテーション NPOとの協働 等
→岡崎市役所やESD-J、地域交流施設等との協働による学びで、防災意識高揚
②「さぐる」段階 修学旅行とコラボした防災学習 防災マップ作成 非常持出袋検討 等
→高揚した意識を一斉学習による探究で「個別の課題」へと高める
③「深める」段階 東北訪問交流 地域防災訓練への運営側参加
ESD子ども会議参加 教師との協働学習 等
→個別の課題を解決するための多様な防災学習を実現し、学びを深める。
④「ひろめる」段階 防災フェスタの開催 等 → 共有化による地域への貢献
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①1教師1チャレンジの導入
気仙沼市で学ばせていただいた防災エッセンスを、本校の教職員なりに解釈し、子どもたちとともに、教師の特性に合わせた防災学習を構築していくことができた。
☆体育教師→消防とコラボした救命講習実施 ☆美術教師→防災かるた・手ぬぐい制作
②地域への広がり
学びを地域へ広げ、子どもたちの活動の幅を広げることができるようになった。
☆防災見守り隊結成・・・地域の独居高齢者の方と意見交換をし、共助を学ぶ。
☆ESDあいち・なごや子ども会議リーダー・・・防災グループのリーダーとして会議を総括し、ユネスコ世界会議で各国閣僚に思いを伝えた。
③東北訪問の継続
東北を子どもたちが実際に訪れることで、切実感ある防災意識へと高めることができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度の防災教育では、1教師1チャレンジを取り入れたことで、学びに多様性が生まれ、教師は自分の得意分野を取り入れた学びを構築することで、教師としての資質向上に努めることができた。子どもたちも、より楽しみながら防災を学ぶことができるようになり、積極性を生み出すことができた。また、この中で地域との連携を取りながら活動をする「防災見守り隊」も組織され、地域に根差した学びへと深化することができた。
これらの学びの成果を発表する場を、学校内外において多くいただくことができるようになったことで、「広める」という視点からも、地域の評価をいただくことができるようになった。これにより、学びの実践→発信→地域からの評価→地域との連携という、好循環をもたらすことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
生徒の変容については、次の感想文が如実に変容を示している。概念的な部分から、現実的な部分を見取ることができるようになり、「実際に自分ができることは何があるのか」を考えて行動することができるようになったとともに、地域への貢献(自助・共助)を心に抱き、「持続可能な地域づくり」への参加をめざすことができるようになった。
防災講話において,市役所の方から東日本大震災の実態を学ぶ
こんなにも大きくて,長い地震が来たら,パニックになってしまうと思った。見せていただいた映像の中で,お年寄りがしゃがんでいる所を,若い人が背中をさすっていたから,自分もそんな人になりたいと思った。
東北復興支援訪問において,津波被災農家・同じ中学生・岡崎市派遣職員等から復興の実際を学ぶ
農家の方の苦労と努力はすごいものでした。周りの方々と協力して,がれきで埋まってしまった畑からがれきを取り除き栽培できる土に戻しました。
今年で3年目のトマト栽培ですが,まだまだ改善させるところがあるそうで,懸命な復興をなさっていました。
農家の方がおっしゃっていた「また何年後かには必ずイチゴを栽培できるようにする」という言葉から,輝きを感じました。
竜南総合防災会議にむけて,公助に関わる様々な立場の方(水道局・電力会社・ガス会社等)から災害発生時の努力の姿勢を学ぶ
防災倉庫の中にあるものも少なくて,多くの人が避難所に行くと全然足りないから,自分たちで持っていったり,なるべく家にいたりした方がいいと思った。もっと自分たちで用意をしないといけないことを知ってもらう必要があると思う。
竜南総合防災会議において、「私たちができること」についての意見共有を図る
この話し合いで多くの意見が出たけれど,みんなの意見を聞いたら,学区は安全なのかもっとわからなくなってしまった。みんなそれぞれの立場の人たちががんばってくれている。けれど,やっぱりできないこともあって,いい所もあれば,不安なところもある。でも,どの話を聞いても,自分の身は自分で守るということがあった。すべての人を助けることはできないから,自分でどうにかしないといけないということを改めて感じた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
「連携」を模索し、活動を進めた。学区の団体はもちろん、NPOや他校との協力をしながら活動を進めることができた。その中で、つながりが新たなつながりを生み出し、協力関係を築くことができたことはとても大きい。このつながりを持続可能なものにしていくことが必要であることを改めて実感した。
3)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
防災学習を一過性の者にするのではなく、次の世代につなげていくこと。子どもたちが得た学びを地域で活用し、地域力をいかに高めていくかが大きな課題となる。その実現には、地域連携のさらなる充実がある。
①「つかむ」段階 防災講話 防災オリエンテーション NPOとの協働 等 →岡崎市役所やESD-J、地域交流施設等との協働による学びで、防災意識高揚 |
②「さぐる」段階 修学旅行とコラボした防災学習 防災マップ作成 非常持出袋検討 等 →高揚した意識を一斉学習による探究で「個別の課題」へと高める |
③「深める」段階 東北訪問交流 地域防災訓練への運営側参加 ESD子ども会議参加 教師との協働学習 等 →個別の課題を解決するための多様な防災学習を実現し、学びを深める。 |
④「ひろめる」段階 防災フェスタの開催 等 → 共有化による地域への貢献 |
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①1教師1チャレンジの導入
気仙沼市で学ばせていただいた防災エッセンスを、本校の教職員なりに解釈し、子どもたちとともに、教師の特性に合わせた防災学習を構築していくことができた。
☆体育教師→消防とコラボした救命講習実施 ☆美術教師→防災かるた・手ぬぐい制作
②地域への広がり
学びを地域へ広げ、子どもたちの活動の幅を広げることができるようになった。
☆防災見守り隊結成・・・地域の独居高齢者の方と意見交換をし、共助を学ぶ。
☆ESDあいち・なごや子ども会議リーダー・・・防災グループのリーダーとして会議を総括し、ユネスコ世界会議で各国閣僚に思いを伝えた。
③東北訪問の継続
東北を子どもたちが実際に訪れることで、切実感ある防災意識へと高めることができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度の防災教育では、1教師1チャレンジを取り入れたことで、学びに多様性が生まれ、教師は自分の得意分野を取り入れた学びを構築することで、教師としての資質向上に努めることができた。子どもたちも、より楽しみながら防災を学ぶことができるようになり、積極性を生み出すことができた。また、この中で地域との連携を取りながら活動をする「防災見守り隊」も組織され、地域に根差した学びへと深化することができた。
これらの学びの成果を発表する場を、学校内外において多くいただくことができるようになったことで、「広める」という視点からも、地域の評価をいただくことができるようになった。これにより、学びの実践→発信→地域からの評価→地域との連携という、好循環をもたらすことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
生徒の変容については、次の感想文が如実に変容を示している。概念的な部分から、現実的な部分を見取ることができるようになり、「実際に自分ができることは何があるのか」を考えて行動することができるようになったとともに、地域への貢献(自助・共助)を心に抱き、「持続可能な地域づくり」への参加をめざすことができるようになった。
防災講話において,市役所の方から東日本大震災の実態を学ぶ | こんなにも大きくて,長い地震が来たら,パニックになってしまうと思った。見せていただいた映像の中で,お年寄りがしゃがんでいる所を,若い人が背中をさすっていたから,自分もそんな人になりたいと思った。 |
東北復興支援訪問において,津波被災農家・同じ中学生・岡崎市派遣職員等から復興の実際を学ぶ | 農家の方の苦労と努力はすごいものでした。周りの方々と協力して,がれきで埋まってしまった畑からがれきを取り除き栽培できる土に戻しました。 今年で3年目のトマト栽培ですが,まだまだ改善させるところがあるそうで,懸命な復興をなさっていました。 農家の方がおっしゃっていた「また何年後かには必ずイチゴを栽培できるようにする」という言葉から,輝きを感じました。 |
竜南総合防災会議にむけて,公助に関わる様々な立場の方(水道局・電力会社・ガス会社等)から災害発生時の努力の姿勢を学ぶ | 防災倉庫の中にあるものも少なくて,多くの人が避難所に行くと全然足りないから,自分たちで持っていったり,なるべく家にいたりした方がいいと思った。もっと自分たちで用意をしないといけないことを知ってもらう必要があると思う。 |
竜南総合防災会議において、「私たちができること」についての意見共有を図る | この話し合いで多くの意見が出たけれど,みんなの意見を聞いたら,学区は安全なのかもっとわからなくなってしまった。みんなそれぞれの立場の人たちががんばってくれている。けれど,やっぱりできないこともあって,いい所もあれば,不安なところもある。でも,どの話を聞いても,自分の身は自分で守るということがあった。すべての人を助けることはできないから,自分でどうにかしないといけないということを改めて感じた。 |
「連携」を模索し、活動を進めた。学区の団体はもちろん、NPOや他校との協力をしながら活動を進めることができた。その中で、つながりが新たなつながりを生み出し、協力関係を築くことができたことはとても大きい。このつながりを持続可能なものにしていくことが必要であることを改めて実感した。
3)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
防災学習を一過性の者にするのではなく、次の世代につなげていくこと。子どもたちが得た学びを地域で活用し、地域力をいかに高めていくかが大きな課題となる。その実現には、地域連携のさらなる充実がある。
活動内容写真
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活動において工夫した点
学びのまとめの一つを、『手ぬぐい』の形にしたことで、ちょっとうれしい防災グッズとなるとともに、使ってもらえる学びの成果とすることができた。
資料ダウンロード
資料なし