武蔵岡 地域防災レンジャー計画
~理科の授業で得た正しい知識を味方につけて、地域を守る生徒の育成のために~
町田市立武蔵岡中学校(小中一貫ゆくのき学園)
活動に参加した児童生徒数/全学年74人
活動に携わった教員数/2人
活動に参加した地域住民・保護者の人/284人
実践期間
活動のねらい
武蔵岡中学校は、東京都の西側にあり境川を挟んで相模原市と隣接する、自然豊かな山並みに囲まれた地域に位置する学校である。学校の裏山は、土砂災害危険区域に指定されている地域にあり、台風や大雨の際に地域の避難所となる体育館裏が最も危険な場所である。また近くの境川では、台風などにより河川の氾濫が起き過去に被害があった地域でもある。身近に災害の危険が多い地域であるとともに、全校で74名と小規模校であり地域住民も高齢化で人口も増えない地域であることから、地域として防災に力を入れることが難しい。そのため生徒一人一人が地域の担い手としての自覚をもち、地域の大人と一緒になって生徒が防災・減災を理科の時間を通して主体的に学び、持続的に取り組むことで「あたりまえの活動」として定着し、生徒一人一人が地域の担い手となるような意識をもたせることをねらいとする。
また、武蔵岡中学校は大戸小学校と同じ校舎で活動する小中一貫校としての特色もある。小学1年生から中学3年生まで各学年1クラスで過ごす生徒達にとっては、9年間同じ仲間と生活を共にしていく、いわば家族のような関係となっている。相手に自分の意思や意見をはっきり伝えることや、小さい子たちを守る気持ちなど、他人に優しく接することは、地域を支えていくために必要な「生きる力」として大切になっている。そのため、地域にとって必要な防災・減災を取り上げることで、その力を育成につなげたい。この計画には、正しい知識が必要と考え、理科の授業で行う「災害はどうして起こるのか」という原理を学び、知識を身に付けた後で「自分にできることは何だろう」と生徒に投げかけ、自らの自発的な活動につなげる目的がある。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
※新型コロナウイルスの影響により接触を避けるため、当初の計画していた各学年を混ぜたレンジャー編成を変更し、各学年単位の活動に変えることとした。実践内容は以下に示す。
①理科の授業で、教科書にある災害について学習する。【全学年】
②学習した災害が、自分の住む地域で起こらないか検証する。(市のハザードマップ等)【全学年】
③(他教科間の連携) 美術とコラボ:減災・防災を呼びかけるデザインの取り組み 【全学年】
※中学全生徒の作品を、作品展(2月5日)で小・中の児童 生徒に投票してもらい、キーホルダーかシールにして配布する。(予算:ユネスコ協会 助成金活用)
④(小中校種間連携)小学3年生「防災マップ作り」とコラボ:9年生から3年生が作った防災マップにアドバイスをする【9年】 12月3日3時間目(他に3時間)実施
⑤(企業連携)プラスチック協会とのコラボ:防災に役立つプラスチックのお話 【7・8年】
10月25日5・6時間目に実施
⑥(企業連携)関東電気保安協会とのコラボ:災害時に役立つ電気のお話 【8・9年】
1月13日3時間目~6時間目に実施
⑦(地域連携)ドローンチームとのコラボ:ドローンで地域調査 災害時に役立つドローンの体験 【7年】
1月17日2時間目 体育館裏の状況を上空から空撮をみて、現状を知る 操作体験
⑧(地域連携)災害時の食事体験:コロナ禍で炊き出しができないため、消防団等の話をして、町田市役所から協賛していただいた非常食(梅がゆ・乾パン)を小学校・中学校全員に配り、ご家庭で3月11日を意識しながら非常食を体験していただく活動 3月8日(火)実施予定【全学年】
⑨(地域連携)地域の消防団・市役所 環境課とのコラボ:災害時に地域の避難所となることから、地域の消防団に興味をもってもらうため、普段の活動の紹介と放水体験 市役所環境課の方にマンホールトイレの設置をして頂き、見学する体験 【全学年】
3月14日3~4時間目 実施予定
⑩(企業間連携)公益財団法人 ニッセイ緑の財団「学校の木のしおり・樹木名プレート」:学級委員会を中心に、ボランティアを募りながら行っていく。11月30日12月2日(雨の予備日 3日)に木の調査⇒8種類の木の冊子作りを行い、校内の環境を知る活動 【全学年】
※この他に、減災プログラム参加校とのウェブでの交流などを行いたいと考えている。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
今回は理科の授業内で行っていく企画を考えていたため、自分のできる範囲で展開していこうと考えていたが、9月の研修会に参加し多くの方が、同じ思いで活動する輪を広げていく大変さを語っていた。なかなか初めから大きな活動につなげるのは大変なので、自分ができる理科の授業でのみ活動を行ったが、できれば学校として多くの先生に活動に関わっていただき、多くのアイデアを頂いていくことが、より充実した活動になっていくと感じた。そのためボランティアコーディネーターや他教科や他校種の教員と話し合いを行い、できる範囲で広げてみた。また、助成金の活用で防災・減災を広く呼びかけることができそうである。(キーホルダーやシール)
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度はまず「防災・減災を意識させる活動」として、理科の授業の中で活動していくことを決めた。生徒たちの体験した様子から、自分の地域でも知らないことが多くあることを、生徒自身が感じてくれた。また、多くの連携をとったことで、教科としては毎年の取り組みよりも、さらに多くの体験を含んだ展開を考え、実践できた。ただ、やっていけばいくほど、1教科の中では時間が足らず、十分な活動とはならなかった気がする。今回の経験を基に「防災・減災を意識させる活動」として今後も継続的に行いたい。また、理科という教科からの発信で、今後学校としての防災活動につなげていけたらよいと思う。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
まずは防災・減災を意識し始めたところなので、今後自分たちの活動として、自主的に「こんなことがしたい!」という発想がでてきて、行動に移せたら嬉しい。(将来、消防団に入るとか)
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
防災・減災をきっかけに教師・保護者・地域の関係者が生徒たちについて、考える良い機会となればよい。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
前記にも述べたが、1教科のみでの活動では、できる範囲に限界があることを痛感した。来年度以降も教科では継続しようと考えているが、できれば学校全体としての活動に広げられないかと考えている。もう少しだけでよいので、同じ思いの教員を増やしたい…
※新型コロナウイルスの影響により接触を避けるため、当初の計画していた各学年を混ぜたレンジャー編成を変更し、各学年単位の活動に変えることとした。実践内容は以下に示す。
①理科の授業で、教科書にある災害について学習する。【全学年】
②学習した災害が、自分の住む地域で起こらないか検証する。(市のハザードマップ等)【全学年】
③(他教科間の連携) 美術とコラボ:減災・防災を呼びかけるデザインの取り組み 【全学年】
※中学全生徒の作品を、作品展(2月5日)で小・中の児童 生徒に投票してもらい、キーホルダーかシールにして配布する。(予算:ユネスコ協会 助成金活用)
④(小中校種間連携)小学3年生「防災マップ作り」とコラボ:9年生から3年生が作った防災マップにアドバイスをする【9年】 12月3日3時間目(他に3時間)実施
⑤(企業連携)プラスチック協会とのコラボ:防災に役立つプラスチックのお話 【7・8年】
10月25日5・6時間目に実施
⑥(企業連携)関東電気保安協会とのコラボ:災害時に役立つ電気のお話 【8・9年】
1月13日3時間目~6時間目に実施
⑦(地域連携)ドローンチームとのコラボ:ドローンで地域調査 災害時に役立つドローンの体験 【7年】
1月17日2時間目 体育館裏の状況を上空から空撮をみて、現状を知る 操作体験
⑧(地域連携)災害時の食事体験:コロナ禍で炊き出しができないため、消防団等の話をして、町田市役所から協賛していただいた非常食(梅がゆ・乾パン)を小学校・中学校全員に配り、ご家庭で3月11日を意識しながら非常食を体験していただく活動 3月8日(火)実施予定【全学年】
⑨(地域連携)地域の消防団・市役所 環境課とのコラボ:災害時に地域の避難所となることから、地域の消防団に興味をもってもらうため、普段の活動の紹介と放水体験 市役所環境課の方にマンホールトイレの設置をして頂き、見学する体験 【全学年】
3月14日3~4時間目 実施予定
⑩(企業間連携)公益財団法人 ニッセイ緑の財団「学校の木のしおり・樹木名プレート」:学級委員会を中心に、ボランティアを募りながら行っていく。11月30日12月2日(雨の予備日 3日)に木の調査⇒8種類の木の冊子作りを行い、校内の環境を知る活動 【全学年】
※この他に、減災プログラム参加校とのウェブでの交流などを行いたいと考えている。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
今回は理科の授業内で行っていく企画を考えていたため、自分のできる範囲で展開していこうと考えていたが、9月の研修会に参加し多くの方が、同じ思いで活動する輪を広げていく大変さを語っていた。なかなか初めから大きな活動につなげるのは大変なので、自分ができる理科の授業でのみ活動を行ったが、できれば学校として多くの先生に活動に関わっていただき、多くのアイデアを頂いていくことが、より充実した活動になっていくと感じた。そのためボランティアコーディネーターや他教科や他校種の教員と話し合いを行い、できる範囲で広げてみた。また、助成金の活用で防災・減災を広く呼びかけることができそうである。(キーホルダーやシール)
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度はまず「防災・減災を意識させる活動」として、理科の授業の中で活動していくことを決めた。生徒たちの体験した様子から、自分の地域でも知らないことが多くあることを、生徒自身が感じてくれた。また、多くの連携をとったことで、教科としては毎年の取り組みよりも、さらに多くの体験を含んだ展開を考え、実践できた。ただ、やっていけばいくほど、1教科の中では時間が足らず、十分な活動とはならなかった気がする。今回の経験を基に「防災・減災を意識させる活動」として今後も継続的に行いたい。また、理科という教科からの発信で、今後学校としての防災活動につなげていけたらよいと思う。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
まずは防災・減災を意識し始めたところなので、今後自分たちの活動として、自主的に「こんなことがしたい!」という発想がでてきて、行動に移せたら嬉しい。(将来、消防団に入るとか)
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
防災・減災をきっかけに教師・保護者・地域の関係者が生徒たちについて、考える良い機会となればよい。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
前記にも述べたが、1教科のみでの活動では、できる範囲に限界があることを痛感した。来年度以降も教科では継続しようと考えているが、できれば学校全体としての活動に広げられないかと考えている。もう少しだけでよいので、同じ思いの教員を増やしたい…