活動のテーマ 学校・家庭・地域の三者で学び合い,気付き,考え,実行する防災学習
羽島市立桑原学園
活動に参加した児童生徒数/174人
活動に携わった教員数/30人
活動に参加した地域住民・保護者等/13人
実践期間2021年11月1日~2022年3月22日
活動のねらい
災害は必ず起こり得るものとの認識に立ち,前期課程(1~6年)では,KYT(危険予測訓練)により,普段の生活に潜む危険に気付き,災害時の行動を理解すること,また,後期課程(7~9年)では,感染症への対策を踏まえた避難所運営を学び,全学年が減災への具体的な備えを体験することで家庭での実践化にも繋げる。
活動内容
1)実践内容・スケジュール
前期課程(1~6年)
後期課程(7~9年)
1,2限
1~4年:「みんなでたすカルテット」カードゲーム
5~6年:「減災アクション!カードゲーム」
通常授業
3,4限
1~6年は縦割りチームで,羽島市防災研究会と共に校舎内KYT,その後交流会
羽島市防災研究会の方を講師として,新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所の開設訓練
昼食
後期課程生徒が防災食を準備,パックに付け分け,各学級に配る。
5,6限
・7~9年が縦割りのグループとなり,前期課程1~6年の教室に分かれて,廊下側のガラス扉に飛散防止フィルムを貼る体験活動を行う。6会場(教室)には,羽島市防災研究会の方に付いてもらう。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・学校での防災の学びが,地域防災と繋がることを願い,「防災・減災を学ぶ日」と位置付け,羽島市防災研究会と協働することで,羽島市役所危機管理課の理解を得て,喫緊の課題を踏まえた活動を進めることができた。
・1~9年までの義務教育学校ではあるが,学年の発達段階に応じて段階的に学ぶことが大切であると考え,前期課程(1~6年),後期課程(7~9年)に分け,内容を変えた点,特に後期課程においては,地域防災人の育成の視点で,感染症対策を踏まえた避難所運営について,羽島市防災研究会の方と共に学んだ。助成金を活用したことで,日頃からの備えの体験活動が可能となった。防災食の準備や前期課程教室の窓ガラスへの飛散防止フィルム貼り等,実践的・体験的活動の取り入れにより,日頃からの備えとは具体的にどうすることなのかという視点が可能となり,家庭での実践化に繋ぎやすくした。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・前年度踏襲で校内で終始することの多かった,これまでの「命を守る訓練」からの脱却を図ったこと。義務教育を終えれば地域の一員となる子どもたち,過去の教訓を未来に繋ぐためには,いかにして,学校での学びを,家庭や地域に繋ぐかを考え,特に地域防災の要である羽島市防災研究会の方と協働して取り組めたこと。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・「学校にはいろいろな危険があることが分かったから,家でもどんな危険があるのかを家族と考えたい」という,学校生活における「地震時の危険」の視点を家庭生活でも繋ぐことができ,どこにいてもKYTの視点で見る力が付いてきた。
・非常食を食べる活動や校内に防災・減災コーナーの展示スペースを作り見学を位置付けたこと,飛散防止フィルム貼り等,備えることの具体を実践的に体験できたことで,家でも備えたいとの思いにまで高めることができた。
・桑原町の人口が2500人,倉庫には1000食程度しか備蓄されていないこと,また感染症対策を踏まえると2000人程度しか避難できないこと等,現実感をもって捉えることができ,避難所運営の難しさや,避難所に行きさえすれば助けてもらえるという受け身ではなく,自らが日頃から備えることの重要性を強く実感できたこと。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・防災・減災の学びは,単に命を守る訓練を実施することではなく,社会科や理科の教科の学習,学級活動(2)ウ,特別活動,総合的な学習の時間,学校行事(3)健康安全・体育的行事等と絡ませて仕組むことで,新たな視点を加えて展開できることを学ぶことができ,教師自身が防災・減災について自分ごととして捉えられるようになった。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・子どもたちは,皆,未来の地域防災人である。子どもたちからの発信により家庭や地域にも,減災に繋がる動きを確かなものにしていけるよう,前年度の実践をなぞるのではなく,少しずつ変化を加えながら,1年から9年生までの義務教育学校であることを活かした,異学年間での教え合いや学び合いを盛り込んだ実践を次年度以降も,計画的に展開していきたい。
・現地に行かなくても被災地の現状を学ぶことはできる。今回,気仙沼市立階上中学校の防災委員会のメンバーと,Zoomで繋ぎ交流を図ることができた。初回ということもあり,自己紹介や学校での防災・減災に関わる学びを交流した。これを契機として,防災・減災にかかわる課解解決学習の在り方についても研究を深めていきたい。
・ICT機器の有効な活用により,過去の災害からの学び等,当事者意識をもって学べるように一手間をかける。
前期課程(1~6年) | 後期課程(7~9年) | |
1,2限 | 1~4年:「みんなでたすカルテット」カードゲーム 5~6年:「減災アクション!カードゲーム」 |
通常授業 |
3,4限 | 1~6年は縦割りチームで,羽島市防災研究会と共に校舎内KYT,その後交流会 | 羽島市防災研究会の方を講師として,新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所の開設訓練 |
昼食 | 後期課程生徒が防災食を準備,パックに付け分け,各学級に配る。 | |
5,6限 | ・7~9年が縦割りのグループとなり,前期課程1~6年の教室に分かれて,廊下側のガラス扉に飛散防止フィルムを貼る体験活動を行う。6会場(教室)には,羽島市防災研究会の方に付いてもらう。 |
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・学校での防災の学びが,地域防災と繋がることを願い,「防災・減災を学ぶ日」と位置付け,羽島市防災研究会と協働することで,羽島市役所危機管理課の理解を得て,喫緊の課題を踏まえた活動を進めることができた。
・1~9年までの義務教育学校ではあるが,学年の発達段階に応じて段階的に学ぶことが大切であると考え,前期課程(1~6年),後期課程(7~9年)に分け,内容を変えた点,特に後期課程においては,地域防災人の育成の視点で,感染症対策を踏まえた避難所運営について,羽島市防災研究会の方と共に学んだ。助成金を活用したことで,日頃からの備えの体験活動が可能となった。防災食の準備や前期課程教室の窓ガラスへの飛散防止フィルム貼り等,実践的・体験的活動の取り入れにより,日頃からの備えとは具体的にどうすることなのかという視点が可能となり,家庭での実践化に繋ぎやすくした。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から ・前年度踏襲で校内で終始することの多かった,これまでの「命を守る訓練」からの脱却を図ったこと。義務教育を終えれば地域の一員となる子どもたち,過去の教訓を未来に繋ぐためには,いかにして,学校での学びを,家庭や地域に繋ぐかを考え,特に地域防災の要である羽島市防災研究会の方と協働して取り組めたこと。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。 ・「学校にはいろいろな危険があることが分かったから,家でもどんな危険があるのかを家族と考えたい」という,学校生活における「地震時の危険」の視点を家庭生活でも繋ぐことができ,どこにいてもKYTの視点で見る力が付いてきた。
・非常食を食べる活動や校内に防災・減災コーナーの展示スペースを作り見学を位置付けたこと,飛散防止フィルム貼り等,備えることの具体を実践的に体験できたことで,家でも備えたいとの思いにまで高めることができた。
・桑原町の人口が2500人,倉庫には1000食程度しか備蓄されていないこと,また感染症対策を踏まえると2000人程度しか避難できないこと等,現実感をもって捉えることができ,避難所運営の難しさや,避難所に行きさえすれば助けてもらえるという受け身ではなく,自らが日頃から備えることの重要性を強く実感できたこと。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から ・防災・減災の学びは,単に命を守る訓練を実施することではなく,社会科や理科の教科の学習,学級活動(2)ウ,特別活動,総合的な学習の時間,学校行事(3)健康安全・体育的行事等と絡ませて仕組むことで,新たな視点を加えて展開できることを学ぶことができ,教師自身が防災・減災について自分ごととして捉えられるようになった。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望 ・子どもたちは,皆,未来の地域防災人である。子どもたちからの発信により家庭や地域にも,減災に繋がる動きを確かなものにしていけるよう,前年度の実践をなぞるのではなく,少しずつ変化を加えながら,1年から9年生までの義務教育学校であることを活かした,異学年間での教え合いや学び合いを盛り込んだ実践を次年度以降も,計画的に展開していきたい。
・現地に行かなくても被災地の現状を学ぶことはできる。今回,気仙沼市立階上中学校の防災委員会のメンバーと,Zoomで繋ぎ交流を図ることができた。初回ということもあり,自己紹介や学校での防災・減災に関わる学びを交流した。これを契機として,防災・減災にかかわる課解解決学習の在り方についても研究を深めていきたい。
・ICT機器の有効な活用により,過去の災害からの学び等,当事者意識をもって学べるように一手間をかける。
活動内容写真
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活動において工夫した点
・一人一台iPadを活用し,過去の災害について調べ,普段の学校生活との繋がりが実感できるように写真データを
保存し,校舎内KYTで下級生に示すことで,災害を想起しやすくした。
・羽島市防災研究会との協働により,感染症対策を踏まえた避難所運営について市の最新の動向を踏まえた学びができたこと。体育館フロアに貼られたマーキングを目印にテープを貼ることなど実践的に学ぶことができた。
・自分が生活している町内の人口,避難所となる体育館の収容人数,備蓄倉庫にある食料品の数量等を具体的に見聞きすることで,全員が避難できないこと,全員に十分な食事が行き渡るわけではないことが実感でき,普段から,自ら備える自助の必要性を強く認識できたこと。