みんなで一緒に助かる防災教育 カリキュラムづくり

京都府立丹波支援学校

活動に参加した児童生徒数/小学部1学年~高等部3年生 229人
活動に携わった教員数/102人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/保護者 30人

実践期間2024年4月8日~2025年3月31日

活動のねらい

災害時要配慮者である障害のある児童生徒が自らの命を守り抜くために、主体的に行動するとともに危険な場所や状況を予測・回避したり必要な場合には援助を求めたりできることを目指している。また、高等部の軽度知的障害生徒には、自身が他者と協力して社会に貢献するという意識も高めたい。そのために、防災教育を教育課程に位置づけ、12年間を通した系統的なカリキュラムが必要であると考え、これまでの実践を振り返るとともに新たな内容も含め指導内容一覧表を作成する。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
4月    学校経営の重点目標の一つに「防災・減災教育の充実」を位置づける

4月~12月 各学部で防災・減災教育の実施

9月~10月 教務部、研究部、授業者で、防災教育の実践の振り返り 今年度の指導内容を集約

11月~12月 防災教育指導内容一覧表の作成①

・防災教育の目標を整理

・指導内容を整理

・単元配列の検討

1月~3月 防災教育指導内容一覧表の作成②

・教科の視点を整理

・保護者や地域とのつながりを整理

・教職員の防災研修会の計画

次年度、指導内容一覧表に基づき実践を行い、PDCAサイクルで改善を行う。

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・気仙沼市の小・中・高の実践を参観させていただき、防災・減災教育を計画的に積み上げていくことで命を守るという「命の教育」だけでなく、人としてどう生きていくのかという人間力も高めることができると実感した。そのため、12年間を通した系統的なカリキュラムの必要性を強く感じ、整理した。

・助成金で防災教材や防災グッズが購入できたことで、より体験的な活動ができるようになり、児童生徒が主体的な学びが深まった。

3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から 
・減災教育プログラム研修で学んだ被災地の当時の状況や被災者の想い、一人一人が自分事と捉える防災・減災教育の実践等を自校の教職員に報告することで、防災への意識の向上につながった。気仙沼市の防災・減災教育の実践を参観し、小・中・高の一貫した指導の有用性を強く感じたため、12年間の系統性を意識した。

・「防災学習シート」を活用し、児童生徒の実態に応じた授業づくりやカリキュラムづくりに役立てた。

②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
高等部重度知的障害生徒  生活単元学習「まなぼうさい」

・災害のイメージがもちにくい生徒が多かったが、ICT 機器の活用と合わせて疑似体験を行うことで、災害をより身近なものとして捉えるとともに災害の怖さについて知ることができた。

・緊急地震速報を聞いて避難行動がとれる、自分が食べることのできる防災食を知る、簡易テントや段ボールベッドで過ごせる等、災害時の環境の変化を体験的に理解することができた。(写真1)

高等部軽度知的障害生徒 生活単元学習「防災について考えよう」

・段ボールベッドや簡易トイレを協力して組み立てる体験してみることで、周りの人とともに助け合うことの大切さを知ることができた。(写真2)

・防災センターで災害の怖さを体感したり、ライフラインが止まった生活を学習したりする中で、災害への備えや災害時に自分のできることを考えることができた。

・もし、学校で大きな災害が起こったとき、小・中学部の児童生徒に対して高等部生として何ができるかを考え、「安心できるような言葉を掛け、一緒に避難する。」や「災害によって避難経路が変わるので、複数のパターンで訓練をしといた方がいい。」と提案することができた。

③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・保護者、教職員を対象に災害を自分事として捉え、防災意識が高められるように能登半島地震で救助活動をされた消防隊の方を講師に招き、研修会を行った。(写真3)

・助成金で購入した簡易トイレや段ボールベッド、防災カードゲームやすごろく等を保護者の方にも実際に手に取って見ていただいた。(写真4)

・もしもの時に備えて各自必要なものを入れた「防災リュック」を家庭で準備してもらい教室に保管したり、避難訓練を保護者に参観にしてもらったりするなど、保護者と一緒に防災意識を高める工夫をした。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・次年度、指導内容一覧表をもとに年間指導計画を立て防災・減災教育を実践し、それぞれの立場に応じてカリキュラムマネジメントを行っていく。

・より災害を自分事として捉えることができるように、身近な地域で起こった災害で被災した方に外部講師をしてもらったり、地域の方や施設とつながり合同避難訓練をしたりと地域とともに防災・減災学習を行っていく視点をもちたい。

・特別支援学校では、障害の状況によって、様々な対応や準備が求められるが、

(1)災害に備えて自分でできることを増やしておくこと(身辺自立)

(2)必要に応じて助けを求めることができること(表現力)

(3)他者のことも自分のことを含めて考えて行動できること(思考力・判断力)を柱として学校生活全体を通して学ばせていく。

活動内容写真

活動において工夫した点

・生活単元学習として実施しているため、避難行動ができるようになることが中心課題となりがちで、教科学習の内容とリンクする自然災害の理解や地域の安全を守る働き等の学習が希薄にならないように、教科の内容を中心に指導内容一覧表を作成した。
・大きな単元として構想するだけでなく、ホームルーム等の短時間でも学習できる「デジ防災(デジタル防災学習システム)」の活用を予定している。

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