地震てんでんこ ~自分の命は自分で守る子どもを育む~
名古屋市立内山小学校
活動に参加した児童生徒数/1~6学年123人
活動に携わった教員数/13人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/児童の保護者全員
実践期間2012年4月1日~2018年3月20日
活動のねらい
学区には3車線の幹線道路、地下鉄、JRの駅があり、オフィスビルや繁華街を抱えている。大きな震災時には、帰宅困難者であふれ、交通の途絶、繁華街からの火災など混乱が予想される。そこで学校での避難訓練だけでなく、学区で地震が起こった場合や被災後までを想定して児童一人一人が自分の命を自分で守るように育てていかなければならないと考え、5年間を掛けて保護者・地域・学校の一体化を目指し、以下の流れで防災を目指してきた。
地震のこわさを知る→身を守る方法を考える→家族と一緒に考える 児童から家族への啓蒙活動→震災後の暮らし
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
本年度は、地震の怖さを味わうために起震体験をした上で身を守る方法を考えた。また、異学年や同学年で声を掛け合って避難する体験や、被災後、ヘルメットをかぶりながら帰宅する体験を以下の流れで行った。本年度特に考えたのは、家庭へ啓蒙を視点において行った。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
児童全員にヘルメットを購入し、ヘルメットをかぶりながら通学路を歩き、実際に地震が起こった場合を想定して危険な場所や逃げるのに安全な場所を見付けながら帰宅したり、登校したりする実践を行うことができた。これは、9月の研修会で見学した学校でヘルメットが教室の後ろに置かれていたのを見て、身近にヘルメットがあると、さらに児童がいざとなった時に身を守ることができると考えた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
ヘルメットをかぶることで、児童自身が災害について自分ごととしてより捉えることができた。また、登下校の様子を見ていた地域の人への啓蒙及び、家族の災害に対する気持ちが変容してきた。本校の保護者にアンケートをしたところ、災害時のために備蓄している家庭は、半分以下だった。そこで、ヘルメットをかぶって帰った日に家族に地震が起こった場合にどうしたらよいか家族で話し合ってくるように児童に宿題を出した。すると、「家族で家の周りを歩いて、危険な所を見に行った。」「家の中で地震が起こった時に、どうするか話し合った」「水やレトルトを3日分買った」など、児童から発信したことで家族が地震について考えるようになった。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
本校は児童数が少ないため異学年での活動を盛んに行っている。休み時間や清掃中など大人が側にいない場合に不意に起こる地震を想定した避難訓練を数回行った際、異学年で声を掛け合う姿が多く見られた。児童の行動が避難訓練という点から児童会活動などの他の活動と線でつながっていくのを目の当たりにした。高学年、低学年関係なく、大きな声を出し合い、互いの身を守る行動は地域でも生かされると考える。
また、通学路で地震が起きたことを想定して、危険な場所と逃げるのに安全な場所を見極めたり、震災後、がれきの中をヘルメットをかぶって歩く練習をしたりする実践で、低学年でも自分ごととして捉えながら、家族と話し合うことができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
本年度は、避難訓練で学んだことを家族に伝えたり、話し合ったりする宿題を必ず出している。家族と一緒に家の中で避難訓練を行った児童や災害時に家族で集まる場所を決めた児童がいた。また、窓を開ける人、扉を開ける人など、役割分担をした家族も出てきた。子どもから真剣に相談されると普段から防災に消極的な家族も、これをきっかけにして、家具の転倒防止を考えたり避難袋を用意しようとしたりと、積極的に防災に取り組もうとする保護者の姿が見られた。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
児童の防災に対する意欲をここで終わらせず、本校の伝統として継続的に防災教育を行っていきたい。これまでは、取り組みに試作段階のものもあった。これを、教員が転任しても続いていけるようにそのカリキュラムを確固たるものにしていきたい。
本年度は、地震の怖さを味わうために起震体験をした上で身を守る方法を考えた。また、異学年や同学年で声を掛け合って避難する体験や、被災後、ヘルメットをかぶりながら帰宅する体験を以下の流れで行った。本年度特に考えたのは、家庭へ啓蒙を視点において行った。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
児童全員にヘルメットを購入し、ヘルメットをかぶりながら通学路を歩き、実際に地震が起こった場合を想定して危険な場所や逃げるのに安全な場所を見付けながら帰宅したり、登校したりする実践を行うことができた。これは、9月の研修会で見学した学校でヘルメットが教室の後ろに置かれていたのを見て、身近にヘルメットがあると、さらに児童がいざとなった時に身を守ることができると考えた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
ヘルメットをかぶることで、児童自身が災害について自分ごととしてより捉えることができた。また、登下校の様子を見ていた地域の人への啓蒙及び、家族の災害に対する気持ちが変容してきた。本校の保護者にアンケートをしたところ、災害時のために備蓄している家庭は、半分以下だった。そこで、ヘルメットをかぶって帰った日に家族に地震が起こった場合にどうしたらよいか家族で話し合ってくるように児童に宿題を出した。すると、「家族で家の周りを歩いて、危険な所を見に行った。」「家の中で地震が起こった時に、どうするか話し合った」「水やレトルトを3日分買った」など、児童から発信したことで家族が地震について考えるようになった。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
本校は児童数が少ないため異学年での活動を盛んに行っている。休み時間や清掃中など大人が側にいない場合に不意に起こる地震を想定した避難訓練を数回行った際、異学年で声を掛け合う姿が多く見られた。児童の行動が避難訓練という点から児童会活動などの他の活動と線でつながっていくのを目の当たりにした。高学年、低学年関係なく、大きな声を出し合い、互いの身を守る行動は地域でも生かされると考える。
また、通学路で地震が起きたことを想定して、危険な場所と逃げるのに安全な場所を見極めたり、震災後、がれきの中をヘルメットをかぶって歩く練習をしたりする実践で、低学年でも自分ごととして捉えながら、家族と話し合うことができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
本年度は、避難訓練で学んだことを家族に伝えたり、話し合ったりする宿題を必ず出している。家族と一緒に家の中で避難訓練を行った児童や災害時に家族で集まる場所を決めた児童がいた。また、窓を開ける人、扉を開ける人など、役割分担をした家族も出てきた。子どもから真剣に相談されると普段から防災に消極的な家族も、これをきっかけにして、家具の転倒防止を考えたり避難袋を用意しようとしたりと、積極的に防災に取り組もうとする保護者の姿が見られた。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
児童の防災に対する意欲をここで終わらせず、本校の伝統として継続的に防災教育を行っていきたい。これまでは、取り組みに試作段階のものもあった。これを、教員が転任しても続いていけるようにそのカリキュラムを確固たるものにしていきたい。
活動内容写真
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活動において工夫した点
本校では、毎年の防災教育を少しずつ進化させたいと思い、点から線への実践を心がけている。すなわち、初年度は、一学年で徹底的に防災に取り組み、防災リーダーを育て、子どもたちから子どもたちへ防災の輪を広げていく。その後、それぞれの子どもから保護者へ広めていくという展望のもとで行った。それぞれの流れは一方通行ではなく、スパイラルにまわりながら進化を続けている。子どもから子どもへの啓蒙は、校内や、学区の防災マップを使って他学年に教えに行ったり、学区の人に頼まれて子どもたちが学区の危険を話したりしている。
資料ダウンロード
資料なし