ユネスコスクールとしての災害安全教育の充実に向けて

多摩市立東愛宕中学校

活動に参加した児童生徒数/1~3学年156人

実践期間2014年4月1日~2015年3月31日

活動のねらい

東京都にあって、少子高齢化の進んだ地域であるが、一方で生徒それぞれの自助の力と地域から期待される共助の力を高めて、ESDの視点に立った継続性ある取り組みを、防災・減災の両面から追究して、広くその成果を伝えていく。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
① 防災自助パックを活用した思考力や判断力の育成 [通年]
② 防災・減災宿泊キャンプによる自助能力の伸長 [平成26年7月18~19日]
③ 被災地の実際や、そこでの経験を知り、自らの活動に活かす実践 [平成26年10月27日]
④ 意図的で多様な避難訓練の開発や、サバイバルカードの開発と活用 [通年]
⑤ 地域の防災に資する活動場面の開発と実践 [平成26年10月19日]
⑥ 企業やNPOと連携したボランティア活動や防災・減災教育 [平成26年7月18日]
⑦ Twitterの活用による帰宅困難抑制への対応と具体化 [通年]

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
① 被災地の住民及び中学生(校)(宮城県気仙沼市立大谷中学校)との交流。
② 防災自助パックを活用した思考力や判断力の育成。
③ サバイバルカードの開発と活用。
④ ESDの視点を重視した防災・減災教育の体系的整備。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
東日本大震災以降、本校では毎年、防災・減災宿泊キャンプを地域と連携して実施している。本プログラムに参加したことによって、防災・減災宿泊キャンプの必要性が、より意味あるものと捉えることができた。特に、少子高齢化の進んだ本校地域で、地域の担い手となる中学生が、避難所運営訓練の経験を積むことに大きな意味があることを、宮城県気仙沼市立階上中学校の生徒の体験談から得ることができた。今後もその体験談から内容を精錬し、より有効な防災・減災宿泊キャンプの実施に臨む。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
本プログラムの支援や研修の成果として、東日本大震災の被災地の中学校とWebカメラを活用した交流によって、被災した同年代の生徒による実体験談から学ぶことができた。被災地の中学校では、中学生が避難所運営に関わらざるを得ない状況下で、中学生が果たした実践や苦労等の意見交換をとおして、自助と共助に対する意識を高めた。また、自分たちが住む地域での防災・減災について、どのように関わっていくべきかを授業をとおして具体的に考え、防災自助パックやサバイバルカードの作成を意欲的に行なった。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
防災自助パックの取り組みは、家庭(保護者)を巻き込む形で進めていった。このことが、家庭の防災意識をさらに高めることにつながったと共に、避難訓練にシェイクアウト訓練を導入し、地域や保護者、さらには保護者の職場における同時訓練の実施依頼を行い、地域での防災・減災意識を高めるきっかけとなっている。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
本校の防災・減災教育の実施により、生徒の意識は実施前に比べ大幅に向上した。その背景として、これまでは指導者側の一般論による知識からの指導であったものから、今年度は東日本大震災の被災地からの実体験及び教訓を学んだ上で指導したことがあげられる。今後は、より一層防災・減災意識を家庭や地域教育力に結び付けていくことが課題の一つである。今後も『2050年の大人づくり』の実現を目指していく。

活動内容写真

  • 防災学習を視察する下村文部科学大臣

  • 防災・減災種目を取りいれた運動会

活動において工夫した点

本校では、生徒の学年に応じた自助から共助への意識を高める学習を行ないながら、共助のために基本となる自助能力の必要性を考える指導を行なった。
 また、運動会には防災・減災種目を取り入れ、地元消防団による表彰なども行なった。これらの防災・減災教育によって、生徒の避難訓練に臨む意識と態度が大いに向上した。

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