多賀城高校での学びを伝え,防災・減災学習に関心をもたせる中学校における出前授業

宮城県多賀城高等学校

活動に参加した児童生徒数/塩釜市立第二中学校3学年100人
活動に携わった教員数/1人

実践期間2020年10月29日

活動のねらい

中学生が,多賀城高校の学校設定科目である「くらしと安全A」における物干し竿や毛布等を利用した簡易担架による搬送法実習を体験することで,多賀城高校での学びや防災・減災学習に興味をもたせる。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
10/29(金)に宮城県塩釜市立第二中学校における出前授業(3クラス3コマ)において
身近なものを利用した簡易担架による搬送法実習を行った。50分授業の内容は,以下の通りである。
1 自己紹介・学校紹介 10分
2 搬送法実習     35分 ・物干し竿と毛布 ・毛布のみ ・物干し竿とトレーナー
3 活動の振り返り    5分

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
9月研修会の学びから,東日本大震災を経験していない世代への伝承や防災意識を高めるための取り組みが必要であると考えた。本校では,日常的に防災・減災学習を行っているため,近隣中学校3年生に学校設定科目「くらしと安全A」の搬送法実習を体験してもらうことで防災意識向上や防災・減災学習に関心をもってほしいと考えた。
本校生徒が文化祭等において地域住民や来場した家族,近隣中学生等に学んでいることなどを直接伝えたり,一緒に活動したり,考えたりする内容としたかったが,新型コロナウィルスの影響で叶わなかった。
助成金を活用し簡易担架に必要な物干し竿を購入した。このことで,搬送法による「運ぶ・運ばれる」を生徒全員に体験させることができた。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校2年生が学校設定科目「くらしと安全A」で実際に学ぶ内容で行った。災害時には身近にあるもので代用すること

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
中学生約100名に簡易担架による搬送法を体験してもらった。授業の中で傷病者役の生徒を乗せた簡易担架を持ち上げる際に,声をかけて力を合わせたり,身振り手振りも加えて誘導したりするなど,生徒が生き生きと活動する姿が見られた。
活動の振り返りでは,「身近にあるもので運ぶことができてびっくりした」「いざというときには今日の方法を役立てたい」「実際の傷病者を運ぶときには,もっと慎重に持ち上げたりしなければならない」「ほかにも自分にできることはないか考えてみたい」という感想発表があった。防災意識向上が感じ取れる。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
地域住民とも行いたい内容である。地域のニーズがあれば,自治体の合同防災訓練時にブースを出すなどしてできるかもしれない。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
今回の出前授業は中学生が防災・減災学習に興味を持つきっかけとして,有効であったと考える。さらに対象を広げていけるよう別な活動内容についても吟味したい。また,本校生徒が活躍できるプログラムにしたい。本校生徒が文化祭等において地域住民や来場した家族,近隣中学生等に学んでいることなどを直接伝えたり,一緒に活動したり,考えたりする内容としたい。

活動内容写真

  • 物干しざおと毛布を使った簡易担架

  • 毛布だけを使った簡易担架

  • 物干しざおとジャージを使った簡易担架

活動において工夫した点

中学生への出前授業を活用し、本校の学習内容を体験して学ぶことができるようにした。本校を志望しない生徒についても防災・減災学習に興味をもつきっかけにできた。

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