減災教育の充実と減災基礎知識向上

岐阜県大垣市立興文小学校

活動に参加した児童生徒数/全学年 432人
活動に携わった教員数/24人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/20人 

実践期間2024年9月25日~2025年3月31日

活動のねらい

防災・減災教育を担う教員が,自然災害に関する基礎知識や「防災・減災教育」の知識や視点を身に付けることで,地域の拠点となる学校が中心となり,将来,地域の防災リーダーとなりえる子供たちを育てるためのカリキュラムを作成し,PDCAサイクルを活用して実践を進める。
岐阜県では,平成30年7月豪雨,令和元年台風第19号,令和2年の7月豪雨,令和6年8月豪雨など近年自然災害が毎年のように起こっている。河川が多く混在するこの地域でもいつ災害が起こってもおかしくない状況である。また,南海地震の起こる可能性も年ごとに高まっており,令和6年1月1日能登の地震発生から,災害への備えへの危機意識が高まっている状況である。児童たちは,大きな地震を体験したことがなく,東日本大震災の時の状況も知らないため,近隣で災害があっても他人事と捉えてしまったり,地震等の悲惨さについても,よく分かっていなかったりすることも多い。自然災害が起こり,命を落としたり,けがをしてしまったりしてしまう前にまず,「自分の命は自分で守る。」という意味をもたせたいと考えた。また,教師側も減災・防災に対する意識に差があり,防災に対する知識,理解を得て,児童に指導をしていく必要がある。また,災害が起きると学校だけで立て直すことはできないことや,地域と協力して一日も早い学校再開をしていくことが必要不可欠であることを大切にした。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
時期 内容 想定する災害・避難経路
4月15日(月)

 

 
避難経路確認
・担任による指導

・避難経路,約束の確認
・家庭科室より出火

・避難経路B
4月27日(土)

 
引き渡し訓練
・保護者の迎えにより児童の引き渡しを行う。
・保護者の迎えにより児童の引き渡しを行う。
5月24日(金)

(安全の日)
安全の日(KYTトレーニング)
・運動場の使い方
6月28日(金)

(安全の日)

 
不審者対応訓練(放送)

・全校放送で,不審者が侵入した場合の避難の仕方や校内放送の内容について周知する。
・不審者が侵入した場所によって避難経路が異なる。
7月5日(金)

安全の日

3校時

4校時

 
命を守る訓練
朝活(安全の日)
・避難経路の確認

<3~6年生>

・岐阜大学地域減災研究センター村岡教授による指導のもと,防災基礎講座。

≪全校児童縦割り≫

・異学年交流を通して,防災基礎講座
 

 

 

<防災教室>

・アリーナで集合型

・地震発生を想定し,危険箇所の点検,村岡教授による指導
8月

(職員作業)

 
防災点検
・拡声器の使用確認・さすまたの確認

・各所の大人用ヘルメットの確認
9月4日(水)

(防災の日)
シェイクアウト訓練(放送・実施訓練)

・放送により,防災の日についての話及び大垣市と太平洋工業により開発されたMATOMATについての説明。ベット仕様への移行実施。

・防災バックの備えについての確認(家庭学習にて保護者と再度確認)
・地震発生を想定し,命を守る行動の確認(だんごむしポーズの確認)

・MATOMATの使用方法の確認。

・防災バックへの備えを確認。
9月25日(水)

 
災害図上訓練(5年生)
・防災士(伊藤 三枝子 様)来校

・5年生にてHAG実施
・HAG(避難所運営ゲーム)にて災害時の動きについて確認する。
9月27日(金)

 
仙台の研修を終えて(朝活放送)
・梶原裕太君の答辞をはじめ,現地で見た写真や話を児童に話す。
10月9日(水)

 
光るエコ消しゴムづくり(2年生)
・被災地の復興までの想いに寄り添いたい。その想いで岐阜県ユネスコ協会・大垣ユネスコ協会・岐阜工業高校・大垣工業高校のお力を借りて
・現場の様子から復興に時間がかかること,自分たちにできることを考える。
10月25日(金)

 
安全の日(朝活放送)
・訓練並びの確認
・ダンゴムシポーズの確認
11月13日(水)

 
命を守る訓練(全校)
※けが人発生の救助訓練を加えて

予告なし・休み時間・校内にてけが人発生で要救助という設定のもと命を守る訓練の実施
11月29日(金) KYTとレーニング(朝活放送)
12月20日(金) 安全の日(朝活放送)
・仙台の災害対策から学んだことを伝える。
・被災現場の今から学んだこと実情を知る。
1月31日(金) 安全の日(朝活放送)
・能登地震・阪神淡路大震災について
2月21日(金) 安全の日(朝活放送)
3月7日(金)

 
安全の日(朝活放送)
・東日本大震災について
3月12日(水)

 
防災教室
岐阜大学地域減災研究センター村岡教授による指導のもと,1年間通して行ってきた防災の基礎の復習をする。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
9月の研修で学んだことの中で重要に感じたのが「過去の出来事を風化させず,現在に活かし改善すること」である。3月(年度末)に見直したカリキュラムを4月(年度当初)に再度確認したところ,すぐさま変更することは難しいというのが現状であった。しかし,これまで前年度踏襲で校内の訓練のみで終始することの多かった「命を守る訓練」を過去の教訓を未来に繋ぐために,学校での学びをいかに家庭や地域に繋ぐかという視点で見直した。

3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・防災学習年間指導計画の見直しを図った。

・被災地との直接的な接点をもつことができた。(ユネスコとの連携を図り,活動の幅を広げた。)

②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり,どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
地震による災害の危険性を学習し,自分の部屋や自宅でどのような危険性があるか考え,行動しようとする意識を身につけることができた。家具の固定が正しくされているか点検することなど,家族で話し合い,見つめ直す機会をもつことができた。自分の部屋や自宅の危険性を考え,行動したことを仲間と共有し,聞き合うことで,より「安全」について深く考えることができた。

③教師や保護者,地域,関係機関等(児童生徒以外)の視点から
今年度防災教育を見直したことで,職員の意識改革にもつながった。命を守る訓練では,子どもたちの命を守るためには,臨機応変に動くことや,そのためには事前の訓練が必要であると思える職員が増えた。

4)実践から得られた教訓や課題と,次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
自分事として捉えさせるためには,自分の身近なところから具体的に考えさせることが大切である。どのように学校や地域のシステムとして位置づけ,学びを継続していかせるようにしていくか。今年度,実践したことを土台に,学年の発達段階や実態に合わせてカリキュラム(システム)として,いつどのように位置づけていくか。また,保護者や地域の方の認知度も高め,より多くの方が参加できるようにしていきたい。

活動内容写真

活動において工夫した点

・予告無しの訓練など毎月想定を変えて避難訓練を実施したことで,児童は迅速にかつ適切な行動が取れるようになった。
・児童の防災・減災に対する知識や意識が増し,自分たちで「こんな活動もしたい」と主体的に考えることができた。
・活動場所や追究課題を,児童が自分たちで考え話し合いながら進めることで,新たに活動を創り上げていこうという思いを児童と共有しながら活動に取り組むことができた。

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