「つづける つなげる つたえる」
岩手県立盛岡南高等学校
活動に参加した児童生徒数/1~3学年712人
実践期間2014年10月7日
活動のねらい
風水害、火災などによる災害を想定した避難訓練を行い、緊急時に生命、身体を守るための適切かつ安全な避難行動を身に付ける。また、万が一の際の救護法を学び「自助」「共助」の取組を行い、実際の災害時には地域の防災リーダーとして「備え・考え・行動」できる人材の育成を目指す。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
【避難訓練】
10:20 緊急放送「記録的短時間大雨情報発令」
10:23 校長が生徒職員に避難指示、副校長が校
内非常放送指示。
生徒避難 1年生は1階HRから2階カルチャーホール、2~3年生は各HR避難、点呼、本部へ報告。
10:35 玉山区松川氾濫、盛岡市湯沢地区と矢巾町煙山地区に土石流が発生 同地区に住んでいる生徒招集。
【救護訓練】5~6校時
全校生徒第一体育館集合、アルファー米と保存水を説明。
各学年訓練場所へ移動。
・1年(第一体育館)心肺蘇生、AED 各クラス4グループ
・2年(カルチャーホール)三角巾を使った包帯法 二人一組の訓練と、各クラス4グループでの訓練。
・3年(第二体育館)担架と毛布を使用した搬送訓練 各クラス4グループでの訓練。
終わった学年から第一体育館に戻り、アルファー米を試食。
各学年から代表が出て、ステージ上でデモンストレーション。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①9月の研修会で「ショート避難訓練」を知り、12月と1月に実施することができた。訓練後のアンケート自由記述にどうすれば身を守れるか、どのような訓練がいいのかということを書いた生徒が多く見られ、研修でお聞きした「やってみる」「できる!」「もっとやってみたい」という流れを作ることができた。
②日本赤十字社岩手県支部やNPO法人などとのつながりをつくることができた。
③助成金の活用で、アルファー米、保存水、アクリル毛布、三角巾を購入し、救護訓練を実施し、全校生徒が訓練を経験することができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校のこれまでの避難訓練はLHR がある日に、生徒は昼休みに逃げるための外靴を教室前廊下に用意し、LHR 前に外靴に履き替え、教室で担任から避難経路等の説明があった後に緊急放送が鳴り、避難をするという訓練のための訓練であったが、今年度は実際に想定される災害を設定した避難訓練を実施することができた。豪雨災害想定の避難訓練は県内の高校では例がないということだったが、2013年度に近隣の市町村で豪雨災害があり、本校生徒も自宅に帰れない生徒もいたことから、想定し得る災害に備えた訓練は実施すべきであると感じた。また、実際の訓練では教職員の点呼や指示系統の問題点が明らかになり、次の訓練に生かすことができた。
救護訓練では、災害時に負傷者が出た際など、実際に活用できるよう心肺蘇生とAED、三角巾を使った包帯法、搬送訓練を行った。搬送訓練は担架がない場合も想定し毛布での搬送も体験し、身近な物を活用した救護方法を学ぶことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
防災リーダーの3年生3名が中心となり避難訓練を企画した。実際の災害を想定して訓練を行うという、災害対応の力をこの生徒たちは身に付けることができた。他の生徒にも訓練の大切さを伝えることができ、訓練に真剣に取り組む生徒が増えた。抜き打ちでの訓練を繰り返したことにより、どこにいても自分の命は自分で守るという意識を持たせることができた。
救護訓練は赤十字社の方の指導の下、学年ごとに行った。各学年とも、地域においては自分たち高校生が避難所運営や防災のリーダーとなって動かなければならないという意識を持つことができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
日本赤十字社岩手県支部「知らないと何もできないが、一度でも訓練を体験すると、いざというときに身体を動かすことができる。一度訓練を体験して完璧にできるようになる訳ではないので、訓練を継続してほしい。」
本校養護教諭「最後にデモンストレーションを実施し、自分が体験しなかった訓練も見ることができ効果的だった。避難訓練は緊張感をもって行えた。訓練中、早退する生徒が保健室にいたので、緊急時の保健室休養者について考えるよい機会となった。」
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
課題:①指示系統マニュアルどおりに指示を出したり、職員の点呼をすることができなかった。②学校に備蓄品がない。③3年間を通じて全ての訓練ができるようにする。④当初予定した避難所開設訓練が実施できなかった。⑤避難訓練担当の総務課と復興防災担当との連携が上手くいかず、組織的に訓練を計画できなかった。
改善に向けた方策:①訓練を繰り返し、その都度マニュアルを見直す。②2015年度から1年生と3年生で備蓄品(食料、保存水)を購入し保管する。1年生で購入した物は3年次の訓練で消費、3年生で購入した物は卒業時に返却する。(2015年度のみ2年生も購入する。)③JRCに加盟したので、毎年秋の避難訓練時に救護訓練も実施することにする。④盛岡市に相談依頼したが協力を得られず断念した。今後は小中学校、地元自治体とも連携を図り、将来的には実施できるようにしていきたい。⑤担当者との連携を図る。組織の見直しも含め検討する。
【避難訓練】
10:20 緊急放送「記録的短時間大雨情報発令」
10:23 校長が生徒職員に避難指示、副校長が校
内非常放送指示。
生徒避難 1年生は1階HRから2階カルチャーホール、2~3年生は各HR避難、点呼、本部へ報告。
10:35 玉山区松川氾濫、盛岡市湯沢地区と矢巾町煙山地区に土石流が発生 同地区に住んでいる生徒招集。
【救護訓練】5~6校時
全校生徒第一体育館集合、アルファー米と保存水を説明。
各学年訓練場所へ移動。
・1年(第一体育館)心肺蘇生、AED 各クラス4グループ
・2年(カルチャーホール)三角巾を使った包帯法 二人一組の訓練と、各クラス4グループでの訓練。
・3年(第二体育館)担架と毛布を使用した搬送訓練 各クラス4グループでの訓練。
終わった学年から第一体育館に戻り、アルファー米を試食。
各学年から代表が出て、ステージ上でデモンストレーション。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①9月の研修会で「ショート避難訓練」を知り、12月と1月に実施することができた。訓練後のアンケート自由記述にどうすれば身を守れるか、どのような訓練がいいのかということを書いた生徒が多く見られ、研修でお聞きした「やってみる」「できる!」「もっとやってみたい」という流れを作ることができた。
②日本赤十字社岩手県支部やNPO法人などとのつながりをつくることができた。
③助成金の活用で、アルファー米、保存水、アクリル毛布、三角巾を購入し、救護訓練を実施し、全校生徒が訓練を経験することができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校のこれまでの避難訓練はLHR がある日に、生徒は昼休みに逃げるための外靴を教室前廊下に用意し、LHR 前に外靴に履き替え、教室で担任から避難経路等の説明があった後に緊急放送が鳴り、避難をするという訓練のための訓練であったが、今年度は実際に想定される災害を設定した避難訓練を実施することができた。豪雨災害想定の避難訓練は県内の高校では例がないということだったが、2013年度に近隣の市町村で豪雨災害があり、本校生徒も自宅に帰れない生徒もいたことから、想定し得る災害に備えた訓練は実施すべきであると感じた。また、実際の訓練では教職員の点呼や指示系統の問題点が明らかになり、次の訓練に生かすことができた。
救護訓練では、災害時に負傷者が出た際など、実際に活用できるよう心肺蘇生とAED、三角巾を使った包帯法、搬送訓練を行った。搬送訓練は担架がない場合も想定し毛布での搬送も体験し、身近な物を活用した救護方法を学ぶことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
防災リーダーの3年生3名が中心となり避難訓練を企画した。実際の災害を想定して訓練を行うという、災害対応の力をこの生徒たちは身に付けることができた。他の生徒にも訓練の大切さを伝えることができ、訓練に真剣に取り組む生徒が増えた。抜き打ちでの訓練を繰り返したことにより、どこにいても自分の命は自分で守るという意識を持たせることができた。
救護訓練は赤十字社の方の指導の下、学年ごとに行った。各学年とも、地域においては自分たち高校生が避難所運営や防災のリーダーとなって動かなければならないという意識を持つことができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
日本赤十字社岩手県支部「知らないと何もできないが、一度でも訓練を体験すると、いざというときに身体を動かすことができる。一度訓練を体験して完璧にできるようになる訳ではないので、訓練を継続してほしい。」
本校養護教諭「最後にデモンストレーションを実施し、自分が体験しなかった訓練も見ることができ効果的だった。避難訓練は緊張感をもって行えた。訓練中、早退する生徒が保健室にいたので、緊急時の保健室休養者について考えるよい機会となった。」
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
課題:①指示系統マニュアルどおりに指示を出したり、職員の点呼をすることができなかった。②学校に備蓄品がない。③3年間を通じて全ての訓練ができるようにする。④当初予定した避難所開設訓練が実施できなかった。⑤避難訓練担当の総務課と復興防災担当との連携が上手くいかず、組織的に訓練を計画できなかった。
改善に向けた方策:①訓練を繰り返し、その都度マニュアルを見直す。②2015年度から1年生と3年生で備蓄品(食料、保存水)を購入し保管する。1年生で購入した物は3年次の訓練で消費、3年生で購入した物は卒業時に返却する。(2015年度のみ2年生も購入する。)③JRCに加盟したので、毎年秋の避難訓練時に救護訓練も実施することにする。④盛岡市に相談依頼したが協力を得られず断念した。今後は小中学校、地元自治体とも連携を図り、将来的には実施できるようにしていきたい。⑤担当者との連携を図る。組織の見直しも含め検討する。
活動内容写真
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活動において工夫した点
全校生徒数が多く、全員が一度に全ての訓練を体験できないことから、学年ごとに分けて訓練を実施したが、最後にデモンストレーションの時間を設けたことで、全校で共有できるようにした。
日本赤十字社岩手県支部にご協力いただいたほか、避難訓練については、「学校防災アドバイザー派遣事業」を活用して9 月9 日に地域防災サポーター高橋主夫氏(元北上消防署勤務)と岩手県総合防災室防災危機管理担当の方が2名来校され、さまざまアドバイスをいただくなど、外部との連携で実施することができた。
資料ダウンロード
資料なし