危険を予知し,状況に応じて冷静に判断し,主体的に行動できる児童の育成
気仙沼市立階上小学校
活動に参加した児童生徒数/1~6学年
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/1100人
実践期間2014年4月1日~2015年3月31日
活動のねらい
児童が主体的に行動できる知識や態度を養うために,「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した防災教育の授業(カリキュラムの構築)」,「地域間の連携」,「学校間の連携」,「専門機関との連携」を取り入れながら,実践を積み重ねてきた。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
(1)「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した防災教育の授業」
各学年で実施する防災教育の重点化を図った。
<各学年の主な防災・減災活動の主な実践内容例>
1年災害発生時の身の守り方 2年災害発生時の避難方法 3年津波から身を守るために
4年非常持ち出し袋の中身を考えよう 5年防災マップ作ろう 6年階上小・中防災キャンプ
(2)「地域間の連携」
「階上地区防災教育推進委員会」
年に3回実施した。各地区自治会長や警察,行政職員などが集まり,各地区の防災に関わる取り組みや課題を話し合った。
(3)「学校間の連携」
①階上小中防災キャンプ
7月下旬に,階上中学校を会場に,階上小学校6年生と階上中学校2年生の希望者で1泊2日の日程で実施した。階上地区において想定される災害や被災時の対応等の理解,学校等を避難所とした生活体験などの防災教育プログラムを実践した。
②階上中3年による防災教室
階上中学校3年生が年に一回,防災教室に来校している。小学校低学年―中学年―高学年と発達段階に合わせて,紙芝居やワークショップなどを行い,防災知識を教えている。
③階上地区総合防災訓練(避難所設営訓練)
中学生121人と6年生35人が避難所本部や救護所など避難所設営を行った。小学1~5年生は地区住民役で参加し,中学生や6年生の誘導で避難者リストに自分の名前を記入し,各地区ごとに集まり,避難所設営の様子を見学した。
(4)「専門機関との連携」
気仙沼市危機管理課,NPO団体と連携した授業実践を実施した。
6年生は,Seeds Asiaの栗原さんをコーディネーターとして,気仙沼市役所危機管理課の方々とともに階上地区の防災マップ作成の授業に取り組んだ。
2)9月の研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
9月の研修会では,NPOと連携して活動を進める「N助」について学んだ。6年生には,Seeds Asiaの栗原さんがコーディネーターとして,年間を通じて防災教育に関わっていただきながら取り組んだ。防災マップ作成では,気仙沼市役所危機管理課の方々に来校していただくなど,的確なアドバイスをいただくことで,より実践的な防災マップ作成となった。
また,助成金の活用によって可能となり,成果が得られたことが2点ある。1点目は,階上小学校と階上中学校の防災担当者が階上地区の防災教育の取り組みについて執筆した防災だより「共に!」の発行地域の充実である。発行地域の充実により,学校―地域の情報共有が円滑になり,階上地区総合防災訓練に多くの住民の方々(昨年度約800名→約1100名)の参加に繋がった。2点目は,マグネット式階上地区の地図の購入である。防災マップを作成していく上で効果的な教材となった。児童は,居住地域や通学路を地図上で表し,海との距離,道幅,標高等を多角的に考えながら,地図と向き合うことができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校の防災教育の柱として各学年の「総合的な学習の時間」に10時間程度,「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した防災教育の授業」,「地域間の連携」,「学校間の連携」,「専門機関との連携」を取り入れながら,取り組んでいる。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり,どのような力(資質・能力・態度)を身に付けたか。
最終学年である6年生は,防災キャンプを実施し,これまでの防災教育の成果を発揮した。サバメシ作りや初期消火活動訓練,体育館宿泊体験などを小学生・中学生が協力し合いながら取り組むことで,災害時に児童自身が生命や身体を守るための最善の行動を判断する力が養われた。階上地区総合防災訓練においても中学生とともに避難所運営を体験するなど,地域の一員として主体的に行動する態度が身に付いた。
③教師や保護者,地域,関係機関(児童生徒以外)の視点から
階上地区防災訓練では,1100名の地域の方々の参加があり,階上小・中学校を柱とした地区全体の防災意識の向上や学校―地域の情報共有が円滑になってきたことが実感できる結果となった。反省会においても,各地域の方々から小学生・中学生の防災意識の高さや地域の一員として主体的に行動する姿勢などが賞賛された。保護者にも,各学級の防災公開授業やPTA学年行事でのサバメシ作りなど児童と共に防災を学ぶ取り組みを学校から積極的に発信している。「家族で防災意識を高めるきっかけになる」と喜ばれている。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
柱となる総合的な学習の時間と,日常実践である「防災タイム」との関連付けをどのように作り,効果的な防災教育を展開していくかが今後に向けた重要な課題となる。今後も「危険を予知し,状況に応じて冷静に判断し,主体的に行動できる児童の育成」のために「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した効果的な防災教育の授業の充実」,「地域間の連携」,「学校間の連携」,「専門機関との連携」を継続し,充実させながら実践を積み重ねていきたいと考えている。
(1)「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した防災教育の授業」
各学年で実施する防災教育の重点化を図った。
<各学年の主な防災・減災活動の主な実践内容例>
1年災害発生時の身の守り方 2年災害発生時の避難方法 3年津波から身を守るために
4年非常持ち出し袋の中身を考えよう 5年防災マップ作ろう 6年階上小・中防災キャンプ
(2)「地域間の連携」
「階上地区防災教育推進委員会」
年に3回実施した。各地区自治会長や警察,行政職員などが集まり,各地区の防災に関わる取り組みや課題を話し合った。
(3)「学校間の連携」
①階上小中防災キャンプ
7月下旬に,階上中学校を会場に,階上小学校6年生と階上中学校2年生の希望者で1泊2日の日程で実施した。階上地区において想定される災害や被災時の対応等の理解,学校等を避難所とした生活体験などの防災教育プログラムを実践した。
②階上中3年による防災教室
階上中学校3年生が年に一回,防災教室に来校している。小学校低学年―中学年―高学年と発達段階に合わせて,紙芝居やワークショップなどを行い,防災知識を教えている。
③階上地区総合防災訓練(避難所設営訓練)
中学生121人と6年生35人が避難所本部や救護所など避難所設営を行った。小学1~5年生は地区住民役で参加し,中学生や6年生の誘導で避難者リストに自分の名前を記入し,各地区ごとに集まり,避難所設営の様子を見学した。
(4)「専門機関との連携」
気仙沼市危機管理課,NPO団体と連携した授業実践を実施した。
6年生は,Seeds Asiaの栗原さんをコーディネーターとして,気仙沼市役所危機管理課の方々とともに階上地区の防災マップ作成の授業に取り組んだ。
2)9月の研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
9月の研修会では,NPOと連携して活動を進める「N助」について学んだ。6年生には,Seeds Asiaの栗原さんがコーディネーターとして,年間を通じて防災教育に関わっていただきながら取り組んだ。防災マップ作成では,気仙沼市役所危機管理課の方々に来校していただくなど,的確なアドバイスをいただくことで,より実践的な防災マップ作成となった。
また,助成金の活用によって可能となり,成果が得られたことが2点ある。1点目は,階上小学校と階上中学校の防災担当者が階上地区の防災教育の取り組みについて執筆した防災だより「共に!」の発行地域の充実である。発行地域の充実により,学校―地域の情報共有が円滑になり,階上地区総合防災訓練に多くの住民の方々(昨年度約800名→約1100名)の参加に繋がった。2点目は,マグネット式階上地区の地図の購入である。防災マップを作成していく上で効果的な教材となった。児童は,居住地域や通学路を地図上で表し,海との距離,道幅,標高等を多角的に考えながら,地図と向き合うことができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校の防災教育の柱として各学年の「総合的な学習の時間」に10時間程度,「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した防災教育の授業」,「地域間の連携」,「学校間の連携」,「専門機関との連携」を取り入れながら,取り組んでいる。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり,どのような力(資質・能力・態度)を身に付けたか。
最終学年である6年生は,防災キャンプを実施し,これまでの防災教育の成果を発揮した。サバメシ作りや初期消火活動訓練,体育館宿泊体験などを小学生・中学生が協力し合いながら取り組むことで,災害時に児童自身が生命や身体を守るための最善の行動を判断する力が養われた。階上地区総合防災訓練においても中学生とともに避難所運営を体験するなど,地域の一員として主体的に行動する態度が身に付いた。
③教師や保護者,地域,関係機関(児童生徒以外)の視点から
階上地区防災訓練では,1100名の地域の方々の参加があり,階上小・中学校を柱とした地区全体の防災意識の向上や学校―地域の情報共有が円滑になってきたことが実感できる結果となった。反省会においても,各地域の方々から小学生・中学生の防災意識の高さや地域の一員として主体的に行動する姿勢などが賞賛された。保護者にも,各学級の防災公開授業やPTA学年行事でのサバメシ作りなど児童と共に防災を学ぶ取り組みを学校から積極的に発信している。「家族で防災意識を高めるきっかけになる」と喜ばれている。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
柱となる総合的な学習の時間と,日常実践である「防災タイム」との関連付けをどのように作り,効果的な防災教育を展開していくかが今後に向けた重要な課題となる。今後も「危険を予知し,状況に応じて冷静に判断し,主体的に行動できる児童の育成」のために「防災教育年間指導計画に基づいた気仙沼市防災学習シートを活用した効果的な防災教育の授業の充実」,「地域間の連携」,「学校間の連携」,「専門機関との連携」を継続し,充実させながら実践を積み重ねていきたいと考えている。
活動内容写真
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活動において工夫した点
本校では,当初,副読本の活用場面として学活,道徳,教科等の関連する題材,単元での活用を試みてき
たが,教科本来のねらいとの兼ね合いが難しい内容もあるので,既存のカリキュラムの組み替えを必要としない業前活動での活用を考え「防災タイム」を立ち上げた。これは第2,第4金曜日の業前15分間で行う防災教育ショート指導で,副読本の1項目を,「内容を複数回に分けて扱う」,「読み物的にコンパクトに扱う」,「行事等に関連する部分だけ抜き出して扱う」など,独自の活用の仕方を工夫してきた。その結果,副読本の活用と防災教育の日常化を進めることができた。
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資料なし