教科に関連した地域教材を活用することで、自然災害が身近に感じられることを目指して-理科学習をベースにしたカリキュラムマネジメント-

犬山市立楽田小学校

活動に参加した児童生徒数/4~6学年293人
活動に携わった教員数/12人

実践期間2020年9月30日~2021年11月27日

活動のねらい

本校の特性を活かし、教科学習を最大限に生かし関連させるカリキュラム・マネジメントを、社会と理科をベースに行うことで、防災・減災の意識を子供たちに育てることを目指す。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
【小学4年】
6月:地図の読み方〔社会〕→9月:流れる水〔理科〕→10月:入鹿池の氾濫と対策〔社会〕→11月防災新聞〔学活〕
【小学5年】
6月:低地のくらし〔社会〕 → 10月:木曽川の上流中流下流〔理科〕 → 11月:生活と治水〔社会〕
【小学6年】
5月:古墳時代〔社会〕→11月:大地の変化〔理科〕→12月:五街道の整備〔社会〕→1月:街づくり〔総合〕

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①校内で体制を組んで実践することが可能となり、効果的なカリキュラム・マネジメントとなった。
②効果的なICT機器(ドローン)を購入することができ、新しい視点の教材を作成できた。また、作成した教材に他校や地域施設の渉外担当者が興味を示し、授業等で活用することになった。
③これまで地域連携は、負担削減を理由に縮小傾向となっていたが、持続可能な連携として地域連携の事業として実施することとなった。
3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・持続可能なカリキュラム編成ができた。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか
・全 体 学習した内容をまとめる力
・6年生 地域との関連性を知ることで、大地の変化に関する実感を持った。
・5年生 本地域が水害の危険性がある土地であることを学んだ。
・4年生 過去に起こった災害を学んだことで、身近に災害が起こることを実感した。

③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・社会科が専門の教師と理科が専門の教師が知恵を出し合って、カリキュラムの構築を行った。
・地域関係機関との接点が生まれ、活動を出発させることができた。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
犬山の東部丘陵地は、焼き物が盛んだったため以前はハゲ山であった。雨で土石流が発生することが多く、森を再生するために東京大学が演習林をつくり、森を再生させた経緯がある。また、木曽川の治水に関する歴史は古く、更なる空中からの映像などの新たな教材開発をし続けることで、より児童にとって有効な素材を作成することができると考える。まだまだ地域素材を丁寧に掘り起こし、子どもたちに本地区におけるアイデンティティを感じさせる様、教材研究をしていきたい。

活動内容写真

活動において工夫した点

・ドローンによる地域素材の教材開発
 本助成でドローンによる空中からの映像を活用した教材開発を行った。効果は絶大で、児童は映像を見るだけで、地域の特徴である地形を十分に理解した。今後は、映像を増やし、犬山市の地形の全体像がつかめるような展開もできうる可能性を感じた。
・理科と社会とのカリキュラム・マネジメント
 楽田地区の特性を理科の視点だけではなく、社会の視点からも追求した。古墳時代・戦国時代・江戸時代に本地区はホットスポットといえ、防災にも関連したエピソードがある。児童にも本地区における学びがアイデンティティに結びつけることができた。

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