守ろう命「自助:自分の命は自分で守る」・支え合おう命「共助:地域貢献~何ができる?」

益田市立真砂中学校

活動に参加した児童生徒数/2~3学年5人
活動に携わった教員数/11人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/7人

実践期間2017年4月10日~2018年3月31日

活動のねらい

・「かけがえのない命を大切にする」「自他の人権を尊重する」教育の推進の柱の一つとして、自立・共生・貢献する生徒の育成をめざした、自助・共助・公助について学び合う減災・防災教育を行う。(危機管理意識と能力を高める)
・PTA活動や地域の自主防災組織と連携した減災・防災教育の視点を新たに加える。(ふるさと教育、地域貢献)

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
1学期 地震防災学習&避難訓練 平成29年6月26日(月)13:25~14:15(参加者19人)
(1)地震防災学習(40分)➝(2)避難訓練(10分)*緊急地震速報を使用して、地震訓練を参加者全員で行う。
①パワポ→NHK Eテレ「 学ぼうBOSAI  地球の声を聞こう~地震波が教えてくれること」
②「対策が不十分な部屋」の絵を見てどこが不十分か発表する。
③NHK Eテレ「学ぼうBOSAI 地球の声を聞こう~地震はなぜ起こるの?」
④震度について&緊急地震速報が届いたら、どう行動する?安全な場所とは?「命を守る3つのない」
2学期 火災避難訓練&防災学習 平成29年11月24日(金)14:25~15:30(参加者23人)+Jアラート避難訓練9/7
(1)火災から命を守る防災学習(35分)~パワポを見ながら、火災からの避難の留意点を学習する。+災害救護活動1/22
(2) AEDの必要性について学ぶ。*命の記録MOVIE~ASUKAモデル~AED減らせ突然死プロジェクト視聴⇓
(3) パワポを見ながら、復習と応用学習 (4)火災避難訓練(30分)➝消防団長指導&消火器実演練習⇓
3学期 大震災を忘れない防災学習&保護者引渡訓練&保存食試食 H30年1月30日(火)14:25~15:40(20人参加)
(1)映像で学ぶ「東日本大震災」
①直後のニュース映像+津波映像
②いつか来る日のために「証言記録スペシャル 命を守る避難とは」
③ NHK「あの日わたしは」2本
④ 「気仙沼市立階上中学校卒業式答辞」
⑤「あすという日が」視聴
(2)保存食お湯注入⇒紙食器作り⇒保護者引渡訓練⇒保存食試食⇒減災教育助成金で購入した保存食等&保管庫紹介

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
9月研修会から自校の実践に活かしたこと。【*減災教育は、「命の教育」であり、「子供たちの未来への投資」である。
*震災から11日後、避難所となっていた体育館で2,000人位いる被災者と一緒に行われた気仙沼市立階上中学校卒業式の胸に迫る答辞が、いかに被災者を勇気づけたことか。あの時の中学生の胸の内。それでも前向きに生きる力。
*生き残った観測計データの津波最大高さは9.1mでも、事実は違う。遡上津波の最大は40.9m。
*東日本大震災の行方不明者は今でも2,500人以上で、阪神・淡路大震災との大きな違い。それが津波被害の残酷さ。
*判断一つで子どもの命の明暗が決まる。判断が遅れたり、間違うと、災害に巻き込まれる可能性を肝に銘じる。
*6年経っても避難所や仮設住宅と学校を結ぶ巡回スクールバスが走っている=未だに日常が戻っていない現実がある。
*減災教育で求めるもの(育成する力)~①災害に対する知識・理解。②災害と自分との関係性の認識。③災害に備える力。④災害時の判断力・対応力。⑤復旧・復興への参画・貢献➝災害に対応し乗り越えるしなやかな力(レジリエンス)の育成。
*防災・減災教育を通して、様々な能力・態度を育てる。➝人間教育となっている。やれるところから一歩一歩!育った子どもが社会を変える。➝教員が変わると、子どもが変わる。教員が学校を変え、地域を変える。】等の考え方。
助成金の活用で可能になったこと。【ほとんど備蓄できていなかったため、この助成金を利用して、生徒・教職員・保護者・地域の方々のための万一に耐えうる保存食や防災用品を購入できたこと&3学期防災学習での保存食試食。】

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
*助成金が一括で口座に振り込まれるので大変使いやすいし、趣旨に合っていれば何を購入しても良い点も有難い。
*9月研修会はハードスケジュールだったが及川先生の減災教育に対するぶれない理念が貫かれ叩き込まれるので大変良い。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
*指導者である教員の意識が一層真剣になり、より良い防災教育をめざして教材研究に更に力が入ることにより、生徒にとって質の高い防災学習ができた。「何かあった時には人と人とが協力することの大切さ」を実感していた。
*地域の自主防災関係者や保護者と一緒に学ぶことにより、生徒と共に家庭や地域を巻き込んだ防災学習となった。
*新たに立ち上げた親子PTA活動(ニコニコ高齢者訪問)を通して、中学生でも地域に貢献できることを実感できた。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
*避難所となる可能性が高い学校の教職員としての自覚や在り方について考えることができた。
*保護者引渡カードの作成や引渡訓練を通して、保護者の災害時に対する意識も高まった。
*今年度より保護者や地域自主防災関係者に防災学習&避難訓練を公開することにより地域貢献や連携が前進した。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
*保護者や地域関係者に毎学期案内を出したが、平日のため参加率が低い点と参加者が毎回ほぼ同じ方であった点。
*極小規模校の本校が備蓄できる防災用品には限りがあり、今年度のみの助成金なのだが、地域がそれで安心と思われてはいけない。日頃からの各家庭での備えと共に、行政や地域自主防災団体での計画的備えの必要性も感じた。

 

 

 

活動内容写真

  • 地域防災学習&避難訓練

  • 地域防災学習&避難訓練

  • Jアラート避難訓練

  • 火災避難訓練&防災学習

活動において工夫した点

*今年度当初、地域の自主防災団体が設立された機会を捉え、今まで「自助」として行っていた学期に1回の「減災・防災教育及び避難訓練」を、今年度より保護者と地域自主防災関係者に公開した点。
*H29.4.18に地域の「自主防災団体」が設立され、災害発生時に高齢や障がいなどによって一人で避難することが難しい人への支援体制を検討している中で、「中学生にも地域貢献として何かできることはないか?」を検討した結果、今年度、長期休業中の親子の宿題として、親子で自分の家の周りの(独居)高齢者宅を訪問し、顔見知りになって一緒に写真を撮り、今まであまりよく知らなかった(独居)高齢者等宅の場所と顔を知ることにより、災害時に共助できる生徒の育成を目指し新たなPTA活動を立ち上げた。「待ってたよ」と歓迎され双方にとって心の癒しを味わえた。

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