小中一貫した『自分の命を自分で守ることができる力』を育む防災教育継続の基盤作り

箕面こどもの森学園

活動に参加した児童生徒数/7学年30人
活動に携わった教員数/5人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/10人

実践期間2015年12月27日~2016年3月22日

活動のねらい

主体性を重視した小中一貫の防災教育を実施し、小学生は「自らの命を守ることができる」、中学生は「防災の担い手になることができる」ことを目標に掲げ、継続した防災教育の基盤づくりを行うこと。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
①オリエンテーション(スタッフによる災害時を再現した劇→解説と問い出しワークショップ)
②新聞・ニュースをピックアップする
③防災講座受講<講師:エクスプラス災害研究所 所長伊永勉さま>:南海トラフ巨大地震に関して・ゲリラ豪雨について・水害の際の対処法についてなど
④阿倍野防災センターにて体験学習:バーチャル地震・火災発生防止・煙中移動・初期消火・119番通報・震度7地震
⑤消防訓練:地震による火災発生を想定した訓練と消防士からのお話・消防車見学
⑥各クラスに分かれた活動(問いをもとに調べ学習→発表)
低学年(小学1~3年):防災ハンドブックづくり
高学年(小学4~6年):防災グッズ調べ・防災マップづくり・サバイバル術調べ)
中学1年生:個人テーマの調べ・発表(台風・地震の仕組み・災害時の気持ち・身近なものの活用法・消防、救急の働き・最新のサバイバル道具・スタッフによる「通信手段」「災害発生時の行動」の発表)
⑦まとめの発表(3月10日実施予定):地域の方・行政の方を招待
⑧振り返り(発表を受けて)

2)9月研修会での学びから自校の実践に活かしたこと、研修会を受けての自校の活動の変更・改善点、
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点、助成金の活用で可能になったことなど。
・防災の基盤づくり(今まで12年ほどの学園の歴史の中で、防災の実践がほとんどなかった)
・助成金によって、防災グッズ・関連書籍・体験学習が可能となった。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・自助の活動や個々人の防災意識の向上
・共助や公助まで活動を広げることが課題として残った。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・危険を想定し、備える態度
(通学路などで危険箇所と思われる場所に目がいき、普段の生活において災害に対して備える姿勢が身についた)
・災害を身近なものとして捉える態度
(「“災害が起きたら”どうしよう?」という考えから「“自分の身を守るためには”どうしよう?」という考えに変わった)
・主体的に情報を整理し、記録していく態度
(冬休みに取り組んでもらった課題に、学習を進めていく中で気づいたことなどを書き加えて、どんどんアイデアを増やそうと努めていた)

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・災害時の動きについての情報共有ができた。
(教師と保護者の間で、大災害が起こった際に、どのように迎えに来てもらい引き渡すか、避難所はどこになるか、家族会議でどのようなことを話してほしいかを共有)

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
・短い期間だけの活動で終わるのではなく、継続した活動が必要。
→年間の防災計画を検討して、継続的に防災活動を実施していく仕組みを作る。
・ひとりひとりの気持ちへの細かい配慮(大きな災害の経験がない子どもたちが、施設での体験学習や災害の話を聞くことで恐怖を抱き、消極的になってしまうことがあった)

活動内容写真

活動において工夫した点

・子どもたちから出てくる疑問や問題意識を大事にし、そこをスタートとしてそれぞれの興味のある活動に取り組むような流れにした。(自分事として捉えやすく、主体的に学ぶことができた)

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