
生徒が自らの命を守る力を育てる防災・減災教育
群馬県藤岡市立小野中学校
活動に参加した児童生徒数/全学年 296人
活動に携わった教員数/21人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/20人
実践期間2024年4月7日~2025年3月26日
活動のねらい
藤岡市の小野地区は、古くは明治43年に河川の氾濫があり、川に架かる橋や鉄道の鉄橋が流されるなどの記録が残されている。また、令和元年の台風19号の祭には、小野中学校の体育館が避難所となり、約350名の地域住民が避難し、一夜を明かした。藤岡市が出しているハザードマップでも、地域の大部分が浸水想定区域に指定されている。そこで、以下のような資質・能力の育成を目指す。
〇 自然災害等の実態や現状、原因及び減災等についての理知・理解
〇 直面する自然災害に対して危険を予測し、的確な思考・判断に基づき、自らの安全を確保するために行動する力
〇 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参
加・協力し、貢献できるようにする態度
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
・4月 ・・・第1回避難訓練(火災を想定し、避難場所・経路と危険箇所の確認 全学年)
・9月 ・・・実態調査(生徒の防災に対する意識調査 全学年)
・・・防災講話(小野地区の河川氾濫、マイタイムラインの作成について 全学年)
・11月・・・自分のハザードマップを作ろう①(水害が起きたときの避難の仕方、対策方法を学ぼう 2年生)
・12月・・・自分のハザードマップを作ろう②(家から避難所までの安全な経路、危険箇所を見つけよう 2年生)
・・・自分のハザードマップを作ろう③(自分のハザードマップをつくろう 2年生)
・1月 ・・・第2回避難訓練(地震を想定し、避難場所と危険箇所の確認 全学年)
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①自分たちの地域に起こりうる災害について防災講話を通して知りることができた。(助成金)講話を通して、防災教育を自分事化することができ、災害が起きたときの対策を家族で話し合い、マイタイムラインを作成した。(変更点)
②自分の命は自分で守ることができるように、校外へ出て自分の避難経路の危険箇所などの写真を撮り、地域への理解を深め、じぶんだけのハザードマップ作成をすることができた。(変更・改善点)
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
研修会で、減災教育が自分たちにとって必要なことであると実感するためには、災害が自分たちに起きる可能性があることを理解することであることを学んだ。そこで、「身近な災害」と「地域の理解」に焦点を絞り減災教育を実施することにした。小野地区では、過去に河川の氾濫が起きたこと、台風による浸水などが起きている地域であることを専門家の講演会を通して知ることで、災害対策を自分事化することができた。そして、避難経路を災害が起きたときの視点で観察することで、安全な避難の仕方や経路について考え、自分用のハザードマップを作成することができた。また、家族でマイタイムラインを作成したり、避難所の確認をしたりするなど家庭で話し合う機会をもつことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
実態調査のアンケートでは、家庭や地域で災害対策を話題にすることがある家庭は約20%、近所の危険な場所を調べているのは約40%であった。実践後には、生徒の振り返りで「水害対策を知れたので、避難場所を親としっかり確認しておこうと思った。」「周りをよく観察してみて、自分が考えていた避難経路はやめた方がいいことに気付いた。途中には川があったり、家よりも低い場所を通ったりと水害時には危険な箇所があった。もし、避難するときはなるべく広い道をつかい安全に行動することが大切だと思った。」などの家族で相談しておくことの重要性や安全だと思っていたところに危険箇所があることが分かり、避難時にとるべき行動について気付けた生徒がほとんどであった。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
防災講話を聞いた教師からは、校区が浸水被害に合う可能性が高い地域だということを初めて知り、防災教育の必要性を感じた。また、生徒と一緒に地域を監察してみると、冠水時通行止めの看板や注意を促す標識などがあり、浸水被害への注意が色々な所にあることに気付けた等の感想があった。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
災害が起きたときのきまりを決めておくだけでなく、自分の命は自分で守るためには、想定外のことに対応できるようになることが重要である。そのためには主体的に行動する力が必要であり、非認知能力や生きる力の育成をしていく。
総合学習の年間計画に組み込むなど、年間を見通した活動にしていく。また、防災教育は、地域の課題でもあるので、地域との連携をして、実践的な避難訓練などが重要になってくる。地域と連携をして、小中9年間の活動へと発展していきたい。
・4月 ・・・第1回避難訓練(火災を想定し、避難場所・経路と危険箇所の確認 全学年)
・9月 ・・・実態調査(生徒の防災に対する意識調査 全学年)
・・・防災講話(小野地区の河川氾濫、マイタイムラインの作成について 全学年)
・11月・・・自分のハザードマップを作ろう①(水害が起きたときの避難の仕方、対策方法を学ぼう 2年生)
・12月・・・自分のハザードマップを作ろう②(家から避難所までの安全な経路、危険箇所を見つけよう 2年生)
・・・自分のハザードマップを作ろう③(自分のハザードマップをつくろう 2年生)
・1月 ・・・第2回避難訓練(地震を想定し、避難場所と危険箇所の確認 全学年)
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①自分たちの地域に起こりうる災害について防災講話を通して知りることができた。(助成金)講話を通して、防災教育を自分事化することができ、災害が起きたときの対策を家族で話し合い、マイタイムラインを作成した。(変更点)
②自分の命は自分で守ることができるように、校外へ出て自分の避難経路の危険箇所などの写真を撮り、地域への理解を深め、じぶんだけのハザードマップ作成をすることができた。(変更・改善点)
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
研修会で、減災教育が自分たちにとって必要なことであると実感するためには、災害が自分たちに起きる可能性があることを理解することであることを学んだ。そこで、「身近な災害」と「地域の理解」に焦点を絞り減災教育を実施することにした。小野地区では、過去に河川の氾濫が起きたこと、台風による浸水などが起きている地域であることを専門家の講演会を通して知ることで、災害対策を自分事化することができた。そして、避難経路を災害が起きたときの視点で観察することで、安全な避難の仕方や経路について考え、自分用のハザードマップを作成することができた。また、家族でマイタイムラインを作成したり、避難所の確認をしたりするなど家庭で話し合う機会をもつことができた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
実態調査のアンケートでは、家庭や地域で災害対策を話題にすることがある家庭は約20%、近所の危険な場所を調べているのは約40%であった。実践後には、生徒の振り返りで「水害対策を知れたので、避難場所を親としっかり確認しておこうと思った。」「周りをよく観察してみて、自分が考えていた避難経路はやめた方がいいことに気付いた。途中には川があったり、家よりも低い場所を通ったりと水害時には危険な箇所があった。もし、避難するときはなるべく広い道をつかい安全に行動することが大切だと思った。」などの家族で相談しておくことの重要性や安全だと思っていたところに危険箇所があることが分かり、避難時にとるべき行動について気付けた生徒がほとんどであった。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
防災講話を聞いた教師からは、校区が浸水被害に合う可能性が高い地域だということを初めて知り、防災教育の必要性を感じた。また、生徒と一緒に地域を監察してみると、冠水時通行止めの看板や注意を促す標識などがあり、浸水被害への注意が色々な所にあることに気付けた等の感想があった。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
災害が起きたときのきまりを決めておくだけでなく、自分の命は自分で守るためには、想定外のことに対応できるようになることが重要である。そのためには主体的に行動する力が必要であり、非認知能力や生きる力の育成をしていく。
総合学習の年間計画に組み込むなど、年間を見通した活動にしていく。また、防災教育は、地域の課題でもあるので、地域との連携をして、実践的な避難訓練などが重要になってくる。地域と連携をして、小中9年間の活動へと発展していきたい。
活動内容写真
防災講話のようす
生徒が作成したマイタイムライン
水害クイズに挑戦
ハザードマップを作成中
地域の危険な場所を探す活動
避難場所の様子を撮影

防災講話のようす

生徒が作成したマイタイムライン

水害クイズに挑戦

ハザードマップを作成中

地域の危険な場所を探す活動

避難場所の様子を撮影
活動において工夫した点
防災教育を実践するために、生徒が防災教育を自分事として捉えることをスタート地点とした。専門家による講話やハザードマップによる危険性、過去の災害被害など身近な出来事を取り上げ、防災教育の必要性を感じられるようにした。水害への知識を深めるためにタブレットを活用してクイズ形式の問題にして取り組ませた。また、自分のハザードマップ作成もタブレットを活用させることで、写真撮影やコメント作成など、効率的に作業に取り組ませられた。