鬼怒川氾濫の被害から防災・減災を考える!

茨城県立鬼怒商業高等学校

活動に参加した児童生徒数/1~3学年400人
活動に携わった教員数/10人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/0人

実践期間2019年10月1日~2019年3月13日

活動のねらい

〇本校を核とした防災コミュニティづくり(近隣小中学校・地域との連携)の強化
〇本校に通う生徒の防災意識の向上、地域の防災を担う人材の育成

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
 本年度では、学校全体で防災について以下の取り組みを行った。
①HUG(避難所運営ゲーム) ※3学年公民(現代社会)の授業
 →鬼怒川水害に関する映像を視聴し、ハザードマップを参考に、被災時に安全に避難するためにどうすればよいか、
  どのような行動をとるべきかを理解するための講義式の授業を行った後、生徒たちは各グループに分かれてHUG
  (避難所運営ゲーム)に取り組み、避難所の実際の状況を想定しながらどのように避難所を運営するかを考えた。
②避難先での必要物資を考える(ダイヤモンドランキング) ※3学年現代社会の授業
③防災避難訓練(全校生徒対象)
④地理・理科・道徳による教科横断型の防災学習の実践 ※1学年全体で実施
⑤洪水時における学校としての避難に関わるタイムラインの作成
⑥防災すごろくの作成・近隣小学校への寄贈  ※美術部部員が作成
①・・・2019年10月4日実施 ②・・・2019年11月2日実施 ③・・・2019年12月6日実施 ④・・・2019年12月13日実施
⑥・・・2020年2月に作成

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  
昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
 HUG(避難所運営ゲーム)では、9月の研修会で訪問した気仙沼市立階上中学校の避難所設営マニュアル(平成30年度版)を一部参考にした。また、活動の目的・ねらいを定める上では、従来は「防災」という観点から実践を行うことを考えていたが、研修会に参加してからは「減災」という考え方をより意識するようになり、被災後の生活の中で更なる被害やトラブルに巻き込まれないようにするためにはどうするかを考えさせた。また、助成金は今後の本学校の避難所(震災時)としての運営に必要な物資の購入や、防災教育を進めていく上で活用していくことを目指す「防災かるた」や「HUGカード」の購入費に当てさせていただいた。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
 数度にわたる防災教育の実践において、これまで本校で行ってきた防災教育(主に避難訓練)では不足していた「避難後にどう行動するか」という視点が盛り込むことができた。二次災害や避難所でのトラブルを防ぐという「減災」の視点を盛り込み、「防災」・「備災」と結びつけて考えていくことも可能になったといえる。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
 生徒たちの中に災害・防災に対する意識を持たせる契機とすることができた。具体的には、避難所での行動は大人に任せるもの・従うものという意識を揺さぶり、災害時に求められる活動に自ら積極的に参加していく意識を養うことができたと考えられる。避難物資の配分について考える際には、さまざまな避難者の立場に立った上で必要なものや支援について考える視点を獲得できたと考える。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
 これを機に、学校として防災(災害時における避難)に関する体制づくりが始まった。同時期に水害に被災したということもあり、4年前の水害と今回の水害で得た減災に向けての教訓を継承する教員の意識は格段に強まったといえる。今回の取り組みの中で、結城市防災安全課の方々とも連携・協力させていただいた。また、作成した防災すごろくを近隣小学校に配布するなど、近隣の小中学校との連携を視野に入れた取り組みを行うことができた。今後、避難訓練をはじめ、様々な場面で連携を深めていけるようにしていきたい。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
【課題】地域や近隣の小中学校との連携をまだまだ深めることができていない点
⇒学校内で終わらず、地域に輪を広げていくためにもカリキュラム作成やネットワークづくりが急務となっている。
【今後に向けた方策】体験的学習の導入

活動内容写真

  • 防災かるたに取り組んでいる様子

活動において工夫した点

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